最近のテレビCMを見て、「この曲、懐かしい!」と手を止めたことはありませんか? アリエールにはピンク・レディー、GUには「スーダラ節」。2026年は昭和・平成の名曲を使ったCMが目立ちます。
なぜ新曲ではなく昔の曲なのでしょうか。40代〜60代の購買層に合わせているから? 実はそれだけではありません。企業の公式発表をもとに、曲名・出演者・動画とともに理由を探りました。
2025〜2026年、昔の曲を使ったCM一覧
| 商品 | 原曲 | 放送開始 |
|---|---|---|
| アリエール | 渚のシンドバッド(1977年) | 2026年8月22日 |
| GU | スーダラ節(1961年) | 2026年10月23日 |
| 明星チャルメラ | さすらい(1998年) | 2026年9月5日 |
| ニュービーズ | PIECE OF MY WISH(1991年) | 2025年2月13日 |
アリエール|ピンク・レディー「渚のシンドバッド」
戸田恵梨香さんと中島歩さんが夫婦役で登場する「まるまり靴下篇」。ピンク・レディーの1977年のヒット曲をもとに、戸田さんが「アリエールだし許したろ♪」と歌います。
洗濯カゴに丸まった靴下を見つけても、洗剤の消臭力があれば気持ちに余裕を持てる。そんな洗濯あるあるを、明るい替え歌にしたCMです。
P&Gは公式発表で、家族みんなで口ずさみたくなるフレーズとともに消臭力を伝える狙いを説明しています。懐かしさだけでなく、商品名を覚えてもらう工夫が見えてきます。
GU|植木等で知られる「スーダラ節」
2026年10月23日から全国放映されたGUの「なんでもいいけど」篇。1961年発表の「スーダラ節」を使っています。
GUが公式に明かした起用理由は、明るく自由な曲の魅力が「自分の感覚で服を選ぶ」というCMの世界観に重なるから。単に中高年向けという説明ではありません。
若い人にも親しまれるブランドが65年前の曲を選んだところが興味深いですね。別篇「どうでもよくない」もGU公式動画で見られます。
関連記事:GUのCMになぜスーダラ節?起用理由と歌手・20周年の関係
明星チャルメラ|奥田民生「さすらい」
1998年の奥田民生さんの曲「さすらい」を、鈴木福さんが「さぁすすろう〜♪」と替え歌に。発売60周年を迎えたチャルメラのホタテだしをアピールしています。
さらに鈴木さんは、子役時代の2011年にもチャルメラのCMに出演。15年を経て、憧れの「チャルメラおじさん」になって帰ってきました。曲と出演者、二重の懐かしさを感じさせる演出です。
なお、明星食品のCM紹介ページには「2026年8月27日〜」とありますが、全国テレビ放映開始日は公式ニュースで9月5日と案内されています。
ニュービーズ|今井美樹「PIECE OF MY WISH」
吉高由里子さんが出演する花王「ニュービーズ」の「AsaとYoru」篇では、1991年発売の今井美樹さんの名曲が流れます。
こちらは替え歌ではなく、曲の雰囲気を生かしたCM。花王は、朝と夜の洗濯を好きな香りでほっとできる時間に変えるというメッセージを掲げています。
同じ洗剤でも、アリエールはコミカルな替え歌、ニュービーズは穏やかな名曲。音楽の使い方に商品の個性が表れています。
なぜ昔のヒット曲や替え歌がCMに使われる?
40代〜60代の購買層に合わせている?
昔のヒット曲をリアルタイムで聴いた人なら、イントロだけで懐かしくなるはず。そうした世代に親近感を持ってもらう効果は考えられます。
ただし、「洗剤の購入者は中高年が中心だから、この曲を選んだ」と各社が説明しているわけではありません。個別の購買データや広告ターゲットが示されていない以上、年齢だけを理由と断定するのは避けたいところです。
短いCMでも耳に残る
テレビCMは15秒や30秒が中心。初めて聴く曲より、知っているメロディーのほうが一瞬で注意を引けることがあります。
「アリエールだし許したろ♪」「さぁすすろう〜♪」のように商品と結びつく言葉を乗せれば、曲を思い出すたびに商品まで浮かぶかもしれません。もちろん、実際の売上効果はCMごとの調査なしにはわかりません。
商品のイメージにぴったり合う
GUは公式に「スーダラ節」の自由な雰囲気とブランドメッセージの一致を説明しています。ニュービーズは、落ち着いた曲で洗濯の時間を心地よく描いています。
同じ懐メロでも、選曲の目的は商品ごとに違うのです。
知名度や権利処理も関係する
既存の名曲を使うには、著作権や音源の権利、替え歌・編曲の許諾などを確認する必要があります。「古い曲なら無料で使える」というわけではありません。
広告業界の取材記事でも、曲の知名度や使用条件が選曲に関わることが指摘されています。ただ、今回の4社が制作費を抑えるために選んだと確認できたわけではありません。
昭和だけじゃない!平成の曲もCMで再注目
2026年のカーセンサーCMでは、GLAY「Winter,again」、ケツメイシ「夏の思い出」、ORANGE RANGE「上海ハニー」、EXILE「Choo Choo TRAIN」などが使われました。
楽曲だけでなく、当時のミュージックビデオを思わせる演出も話題に。詳しくはカーセンサーCMが平成すぎる!懐かしい曲と出演者まとめで紹介しています。
まとめ|懐メロCMは中高年向けだけではない
最近のCMに昔の曲が使われるのは、当時を知る世代への親近感に加え、短時間でのわかりやすさ、口ずさみやすさ、商品イメージとの相性などが考えられます。
とくにGUの例を見ると、昔の曲=中高年向けという単純な話ではありません。知っている人には懐かしく、知らない人にも新鮮。そんな世代をまたぐ力が、名曲にはあるのでしょう。
参考情報
P&G アリエール公式発表/GU公式発表/明星食品公式発表/花王ニュービーズ公式発表/J-CASTニュース(替え歌CMの背景)