「ベネフィット・ステーション、全然使わないからその分を給料にしてほしい」。そんな投稿がXで注目を集めています。
会社が用意してくれる福利厚生とはいえ、映画や旅行の割引を使わない人にとっては、現金のほうがありがたいというのも自然な感覚でしょう。
では、ベネフィット・ステーションは解約できるのでしょうか。結論からいうと、会社が法人契約を終了することは可能ですが、従業員が「自分の分だけ外して給料に上乗せして」と自由に選べる制度ではありません。料金や契約条件、給与還元の現実を整理します。
ベネフィット・ステーションは解約できる?
法人契約の解約手続きは用意されています。東京商工会議所の「CLUB CCI」FAQでも、ベネフィット・ステーションを法人単位で退会する場合は専用サポートデスクに連絡するよう案内しています。
ただし、契約期間や更新停止の期限は、どの窓口・プランで契約したかによって確認が必要です。
たとえば取扱企業EPGの案内では、契約期間は1年間で原則自動更新、解約希望月の2か月前までの連絡が必要とされています。これは同社の案内にある条件であり、すべての法人契約に一律で適用されるとは限りません。
会社の総務・人事担当者が契約書を確認するのが確実です。
使わない人だけ退会して、その分をもらえる?
今回の話題で気になるのは、むしろこちらでしょう。
ベネフィット・ワンの公式FAQには、法人契約は「原則全員加入」とあります。ただし、正社員のみを対象にするなど、雇用形態ごとの加入区分は可能です。
つまり「自分は使わないから加入対象から外してほしい」という個人の希望だけで、会社の会費がその人数分減るとは限りません。
そもそも従業員が会社の福利厚生を利用しないことと、会社が支払う会費がなくなることは別の話なのです。
「給料に還元してほしい」とXで共感
話題のきっかけは、Xユーザー「あかべこ」さんによる、福利厚生のベネフィット・ステーションをまったく使わないため、その分を給与に還元してほしいという趣旨の投稿です。
投稿のスクリーンショットでは5000件を超える「いいね」が確認できます。数字は撮影時点のもので、現在の反応数とは異なる可能性があります。
返信には、経営者側も同じように考えているという声や、過去に利用者が3割程度だったという経験談もありました。
ただし、これは個別の投稿者の経験であって、全国のベネフィット・ステーション利用率が3割という意味ではありません。
旅行やレジャーをよく使う人と、仕事や育児で出かける機会が少ない人とでは、福利厚生のありがたみが違うのも当然かもしれません。
会社はいくら払っている?月額料金を計算
取扱企業EPGの掲載料金では、得々プランは1人月額1000円、学トクプランは1200円(いずれも税別)です。契約窓口やプランによって料金・条件が異なる場合があります。
仮に月額1000円のプランを100人分契約すれば月10万円、年間120万円。1000人なら年間1200万円という計算になります。税や入会金などは含まない単純計算です。
また、公式サイトによると、10人以下の企業では原則10人分の会費が必要です。加入人数が少なければ必ず1人分ずつの料金になるわけではありません。
一方、ベネフィット・ワンの法人向け案内では、会社の担当者が個人名を表示しない形で利用人数や利用割合、人気メニューを確認できるとしています。
つまり会社は「うちの従業員が実際にどれくらい使っているか」を把握し、費用に見合うか検討できるのです。
福利厚生を廃止して給料に回せないの?
福利厚生費を減らし、その予算を給与に振り向けること自体は、会社の判断として考えられます。
ただし、月額1000円の会費をやめれば全員の手取りが1000円増える、というわけではありません。
給与として支給すれば所得税や住民税の対象となり、社会保険料にも影響する場合があります。企業側にも社会保険料などの負担が増える可能性があります。
さらに、毎月の基本給を上げれば継続的な人件費になるため、会社としては福利厚生の契約更新とは別の判断が必要です。
とはいえ、従業員が求めているのが旅行割引より生活費の支援なら、福利厚生の予算配分を見直してほしいという意見には一理あります。
使われないのに会社が導入するのはなぜ?
ベネフィット・ステーションには宿泊、レジャー、飲食、学習支援など幅広いメニューがあります。本人だけでなく、配偶者や対象範囲の親族が使える優待もあります。
企業側にとっては、個別に施設と契約する手間を抑えながら福利厚生を充実させ、採用時のアピールや従業員の定着につなげる狙いがあります。
しかし、サービスの存在を知らなかったり、ログイン方法がわからなかったりして使われていないなら、会社も従業員ももったいない話です。
利用率を確認し、必要ならプランを見直す。社員の希望をアンケートで聞く。そんな対応のほうが、ただ制度を続けるより納得感がありそうです。
まとめ:解約は可能でも、個人への給与還元は別問題
ベネフィット・ステーションの法人契約は解約できますが、更新期限などは契約ごとに確認が必要です。従業員が個人の希望で加入を外し、会費相当額を給与でもらえるとは限りません。
今回のXの反響は「福利厚生はあればうれしい」という人だけでなく、「その予算を現金でほしい」という人もいることを浮き彫りにしました。
会社が用意する福利厚生と、社員が本当に求めるものは一致しているのか。利用率と満足度を見ながら考えたい話題です。
