中古車販売会社BUDDICA(バディカ)の中野優作社長に、厳しい視線が向けられています。
2026年10月、販売した車のタイヤにワイヤーが露出するほどの摩耗が見つかりました。前年には、従業員による269件、約856万円の横領も発覚しています。
中野さんは、かつてビッグモーターの幹部を務め、不正問題の発覚後には同社の利益至上主義を批判してきた人物です。
「ビッグモーターを批判していたのに、BUDDICAでも同じことをしているの?」と疑問に思った人もいるでしょう。
結論からいうと、BUDDICAで不祥事が起きたことは事実ですが、ビッグモーターと同じ組織的な保険金不正が行われたと確認されたわけではありません。
何が起き、どこが違うのか。本人の過去の発言も踏まえて整理します。
中野優作は何をした?2026年のタイヤ問題
発端は10月10日。BUDDICA姫路店で購入した車について、納車後にタイヤの異常が見つかったと購入者がSNSで訴えました。
会社の10月16日付報告によれば、タイヤ1本に内部のワイヤーが露出するほどの著しい摩耗がありました。購入者は納車当日、自身で4本を新品に交換しています。
中古車だから多少の使用感は仕方ないとしても、走行に適さないタイヤが装着されていたとなれば別問題です。
BUDDICAは取り外されたタイヤを回収して確認し、1本が走行に適さない状態だったと認めました。
なぜ見逃した?会社が説明した原因
会社側は、仕入れ時の受け入れ検査でタイヤの状態を正しく記録できず、その後の納車前確認でも不備を発見できなかったと説明しています。
本来交換すべきタイヤが、そのまま購入者に引き渡されてしまったのです。
10月13日には中野社長らが購入者を訪問して謝罪。16日には購入者の確認を経て、車を改めて納車したと発表しました。
また、全店の販売予定車両・展示車両1,093台のタイヤを確認し、姫路店とオンライン販売「BUDDICA DIRECT」の新規販売を停止。タイヤの数値・画像記録と本部承認による二重チェックを再発防止策として示しています。
ここで大切なのは、これらが会社側の公表内容だという点です。対策が今後どこまで機能するかは、継続して見ていく必要があります。
弊社販売車両のタイヤに関するお詫びとご報告
— BUDDICA公式アカウント (@buddica_) 2026年10月16日
2025年には横領も発覚!269件・約856万円
今回の問題だけではありません。BUDDICAは2025年4月、従業員による横領と査定に関する不正を公表しています。
公式調査で確認されたのは、269件、被害総額855万8,010円、関与した従業員7人という内容でした。
不正が行われた期間は2021年6月から2025年2月。下取りしたスクラップ車両の業者への売却額を実際より低く計上し、差額を従業員が受け取っていたと説明されています。
本来数万円の査定額がつく車を0円で下取りしたケースもありました。
会社は、取引業者との契約を本部で管理することや、社員個人への振り込み・現金手渡しの禁止、通報窓口の設置などを発表しています。
ただし、中野さん本人が横領を行った、あるいは指示したという発表は確認できません。従業員による不正と経営者の管理責任は、区別して考える必要があります。
一方、数年にわたって不正が続いた事実は、社内のチェック体制を考えるうえで見過ごせません。
出典:BUDDICA「横領行為の調査結果について」(2025年4月22日)
中野優作はビッグモーターを批判していた?
中野さんは元ビッグモーター幹部として、同社の不正問題が表面化した2023年、テレビやYouTubeで当時の経営体制について発言しています。
日本テレビの取材では、厳しい成果主義や人事の実態に触れ、利益至上主義に傾く風土があったと証言。会社に調査や情報開示、謝罪を求めました。
また、著書『クラクションを鳴らせ! 変わらない中古車業界への提言』では、自分自身もかつて強引なマネジメントを行っていたことを振り返っています。
つまり、古巣の問題を批判する一方、自身も当時の組織の一員だったという反省を示していたのです。
当時の本人による解説動画はこちらです。
ビッグモーターとBUDDICAは同じなのか
ビッグモーターでは、修理車両を故意に傷つけるなどして保険金を不正請求する問題が発覚し、組織風土も厳しく問われました。
一方、BUDDICAで今回確認されているのは、従業員による下取り車両の中抜き横領と、タイヤの検査・確認不備です。
どちらも顧客の信頼に関わる重大な問題ですが、不正の内容も、会社側が説明する原因も異なります。
少なくとも公表された情報だけで「BUDDICAもビッグモーターと同じ組織的な保険金不正をしている」とは言えません。
その一方で、中古車業界の透明性を掲げてきた経営者だからこそ、自社の不備に対して厳しい説明責任が求められるのも当然でしょう。
問われるのは謝罪の先にある再発防止
中野さんは今回、購入者を直接訪問し、会社として調査結果と再発防止策を公表しました。
問題が起きた際に隠さず説明することは重要です。しかし、説明しただけで安全管理の問題が解決するわけではありません。
2025年には取引管理、2026年には車両の安全確認という、異なる領域で問題が表面化しました。
これらに共通の原因があると証明されたわけではありませんが、会社が拡大する中で、現場の判断をどこまで管理できていたのかは気になるところです。
ビッグモーター時代の経験を踏まえて業界改革を訴えてきた中野さん。その言葉が自社の現場でどう実現されるのか、今後の取り組みが注目されます。
