まいばすけっとはなぜ急増?広告も特売も少ないのに儲かる理由

最近、街を歩くと「まいばすけっと」がやたらと目に入りませんか。駅前だけでなく住宅街にもあり、数分歩けばまた別の店舗。しかも派手なチラシや特売の印象は薄く、求人の時給も高めです。

これだけ出店して、本当に儲かっているのでしょうか。

結論からいうと、まいばすけっとは増収増益です。2026年2月期の売上高は約3,278億円、営業利益は約86億円。イオンの大型スーパーなどが苦戦するなか、都市型小型店として存在感を高めています。

目次

まいばすけっとは好調?売上と店舗数を確認

2026年2月期の決算公告では、売上高は3,278億2,200万円で前年比12.9%増。営業利益は86億3,800万円で6.2%増でした。

つまり、売上だけでなく利益も伸びています。ただし営業利益率は約2.6%。売上がすべて儲けになるわけではなく、薄い利益を積み上げる商売です。

店舗数も2026年2月末時点で1,323店に到達。10月19日にも、同月23日に青物横丁駅東店など4店を開店すると発表しています。

同社は2005年に横浜市で生まれ、2021年に1,000店を突破。公式サイトでは2,000店舗を目指す方針も示しています。

なぜ近所に何店舗も作るのか

その理由の一つが、地域を絞って出店する「ドミナント戦略」です。

店舗が近ければ配送をまとめやすく、スタッフの応援や複数店舗の管理にも利点があります。お客さん側も駅からの帰り道や自宅近くで立ち寄れるので、「買い物のために遠出する」必要がありません。

もちろん近隣店舗で客を奪い合うリスクはあります。それでも、街全体で日常の買い物需要を取り込むことを優先していると考えられます。

広告や特売が少ないのに売れる理由

まいばすけっとは、一般的なスーパーのように週末の目玉商品で集客するイメージがあまりありません。

その代わりに重視しているのが、普段から手頃な価格で販売する「EDLP(エブリデー・ロープライス)」の考え方です。

値札や売り場を頻繁に変更する作業を減らせれば、店舗運営の効率化につながります。お客さんにとっても、特売日を待たず必要なときに買えるのが便利です。

ただし「広告もセールも一切しない」は誤り。公式サイトにはポイント企画や期間限定キャンペーン、商品フェアの案内があります。

コンビニとスーパーのいいところ取り

店内はコンパクトで、牛乳、卵、納豆、惣菜、冷凍食品など、毎日の食卓に必要なものが中心です。

大型スーパーのように何でもそろうわけではありませんが、仕事帰りに夕飯の一品だけ買うには十分。コンビニのように立ち寄りやすく、スーパーらしい食品の品ぞろえと価格を両立させた形です。

また、イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」も扱っています。グループの調達力を生かせる点は、小規模な独立店にはない強みでしょう。

小さな店を同じ仕組みで運営する

まいばすけっとは、店舗の設備や作業を標準化し、複数の店を効率よく運営するモデルを採っています。

セルフレジや発注支援などの仕組みも、少人数で店舗を回す助けになります。ただし、すべての店舗が同じ人員数で運営されているわけではありません。

ポイントは、1店で大きく儲けるより、日常的に使われる小さな店を積み重ねること。広告を大量に打たなくても、便利な場所に店があること自体が集客につながります。

時給は高い?イオンの大型スーパーとの違い

求人を見ると、まいばすけっとの時給が意外と高く感じられることがあります。

ただ、時給は地域や時間帯によって異なり、深夜・早朝の割増や日祝手当もあります。「全店舗で高時給」とひとくくりにはできません。

人手不足のなかで働き手を確保するには、賃金も重要です。一方、店舗の標準化やセルフレジ導入は、賃上げと効率化を両立させるための取り組みといえます。

とはいえ、人件費がかからないわけではありません。2026年2月期は売上高の伸び12.9%に対し、営業利益の伸びは6.2%。高い成長率の裏で、コスト管理が欠かせないことも数字からわかります。

イオンのスーパー事業は苦戦、それでもまいばすけっとは拡大

2026年10月に発表されたイオンの中間決算では、グループ全体の営業利益が好調だった一方、総合スーパーやスーパーマーケットの事業区分は赤字でした。

また、マルエツやカスミなどを傘下に持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスでは、不採算店舗約100店の閉鎖計画が報じられています。

ここで注意したいのは、イオンの事業区分全体の赤字と、まいばすけっと単体の通期黒字は集計対象も期間も異なること。「大型店は全部赤字、小型店は全部黒字」という単純な話ではありません。

それでも、都市部で生活必需品を少量ずつ買うニーズに、まいばすけっとの業態が合っているのは確かでしょう。

今後も増え続ける?

同社が目指すのは2,000店舗。まだ出店余地がある一方、店舗同士の競合や家賃、人件費、物流費の上昇は無視できません。

大きなスーパーで週末にまとめ買いする人もいれば、帰宅途中に牛乳と夕飯だけ買いたい人もいます。まいばすけっとが伸びているのは、後者のような都市生活の買い物習慣をうまくつかんだからではないでしょうか。

派手な広告がなくても、いつもの道にある。そんな「近さ」こそが、最大の宣伝になっているのかもしれません。

公式動画・関連情報

まいばすけっとの公式YouTubeチャンネルでは、商品紹介やレシピ動画が公開されています。店舗で扱う商品のイメージを知りたい方はこちらも参考になります。

まいばすけっと公式YouTubeチャンネル

参考資料:まいばすけっと企業情報/まいばすけっと公式サイト/イオン設備投資資料/決算公告

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