宇野昌磨のアイスダンスは上手い?高橋大輔との違いと課題

宇野昌磨さんと本田真凜さんのアイスダンスペア「しょまりん」が、2026年10月31日〜11月1日の公式戦でデビューしました。結果は7組中4位。男子シングルの世界王者だった宇野さんでも、アイスダンスは簡単ではないようです。

そこで気になるのが、以前同じようにシングルから転向した高橋大輔さんとの違い。高橋さんは村元哉中さんと「かなだい」を結成し、世界選手権11位まで進みました。

宇野さんの滑りはアイスダンスでも通用するのか。初戦の採点と、かなだいの歩みから見ていきます。

目次

宇野昌磨のアイスダンスは上手い?初戦4位の中身

しょまりんの初戦は、リズムダンス58.68点、フリーダンス87.02点、合計145.70点で4位。全日本選手権への出場権を獲得しました。

優勝した吉田唄菜さん・森田真沙也さん組は175.82点。その差は30.12点です。数字だけを見ると大きな開きがありますが、しょまりんにも光る部分がありました。

身長差6cmでもリフトは最高レベル

身長157cmの宇野さんが、163cmの本田さんを持ち上げるリフトは、初戦の大きな見せ場でした。

フリーダンスでは、冒頭のコンビネーションリフトを構成する2つのリフトと、もう1つのリフトがいずれもレベル4。身長差があっても、姿勢や重心、タイミングを工夫すれば魅力的な技にできることを示しました。

本田さんは演技後、リフト中に怖さはなく、自分の演技に集中できると話しています。2人が時間をかけて磨いてきた技術が、きちんと評価されたわけです。

宇野昌磨の膝の柔らかさと表現力は武器

宇野さんはシングル時代から、深く膝を使った滑らかなスケーティングや、音楽を体で表現する演技が魅力でした。

ただ、アイスダンスでは自分がうまく滑るだけでは足りません。相手と距離を保ち、同じタイミングでターンを踏み、2人で一つの流れを作る必要があります。

シングルの実績がそのまま得点に置き換わらないところが、この競技の難しさです。

宇野昌磨に今足りないのは?ツイズルとステップが課題

今回、リフトと対照的だったのがツイズルです。フリーダンスでは宇野さんも本田さんもレベル1でした。

ツイズルは片足で回転しながら移動する技術。回転するだけでなく、2人のタイミングや移動方向、姿勢をそろえなければなりません。

また、リズムダンスの規定ステップでも、求められるエッジやターンの正確さが得点に影響します。観客には美しく見えても、細かな技術条件を満たしているかは別の話です。

宇野さん自身も、初日の手応えが期待した点数に結びつかなかったと振り返り、試合を通じて採点のポイントが見えてきたと話しました。

つまり、今の課題は単純な滑走能力というより、アイスダンスのルールに沿って2人の技術をそろえ、得点に結びつけること。初戦でその違いを実感できたのは大きな収穫でしょう。

高橋大輔は誰と組んだ?「かなだい」との大きな違い

高橋大輔さんがアイスダンスで組んだのは、村元哉中(むらもと・かな)さんです。2人は「かなだい」の愛称で親しまれ、2020年に競技デビューしました。

高橋さんもバンクーバー五輪銅メダリストで、2010年世界選手権王者。男子シングルのトップ選手がアイスダンスへ挑戦したという点では、宇野さんとよく似ています。

村元哉中はすでに五輪を経験したアイスダンサー

ただし、パートナーの経験には大きな違いがあります。

村元さんは2014年にシングルからアイスダンスへ転向。クリス・リードさんと組み、2018年平昌五輪で15位、同年の四大陸選手権で銅メダルを獲得しました。

高橋さんが転向した時点で、村元さんには長年のアイスダンス経験があったのです。

一方の本田さんも世界ジュニア選手権優勝経験を持つ実力者ですが、主戦場はシングル。しょまりんは2人ともアイスダンスを学びながらペアとして成長していく組み合わせです。

かなだいは経験豊富な村元さんと高橋さん、しょまりんはシングル出身の2人。この違いは、成長のペースを比べる際に見落とせません。

かなだいは世界選手権11位まで成長

かなだいは2022年の四大陸選手権で銀メダル、同年12月の全日本選手権で優勝。2023年の世界選手権では11位となり、同年5月に競技引退を発表しました。

もちろん、順調な大会ばかりではありません。2022年の世界選手権は16位で、2人も演技の細かなミスや世界で戦う難しさを語っていました。

それでも3シーズンかけて世界選手権11位に到達したのです。高橋さんの転向は、華やかな話題だけで終わらない挑戦でした。

宇野昌磨と高橋大輔、アイスダンスでの強みは違う?

高橋さんは、踊りそのものの華やかさや細やかな音楽表現が印象的な選手でした。宇野さんは深い膝の使い方、エッジワーク、スピードを保ちながら滑る力が持ち味です。

どちらもアイスダンスで生かせる長所ですが、シングル時代の印象だけで優劣は決められません。

高橋さんは3シーズンの実績がある一方、宇野さんはまだ公式戦1大会。比較するなら、今後のツイズルやステップのレベル、2人の動きの一体感がどう変わるかに注目したいところです。

しょまりんは2030年五輪を目指せる?

宇野さんと本田さんが掲げる目標は、2030年フランス・アルプス冬季五輪への出場です。

ただ、国内には吉田唄菜さん・森田真沙也さん組だけでなく、櫛田育良さん・島田高志郎さん組、紀平梨花さん・西山真瑚さん組といったライバルもいます。

初戦の得点は2位の櫛田・島田組が165.53点、3位の紀平・西山組が165.32点。しょまりんとの差は約20点でした。

五輪出場に向けては、国内での競争に加え、国際大会での経験や出場枠をめぐる条件も重要になります。

次の全日本選手権では、今回レベル1だったツイズルがどう改善されるか、ステップの完成度が上がるかが見どころです。

しょまりんの挑戦はまだ始まったばかり

世界王者の宇野昌磨さんが、アイスダンスでは新しい技術を一から学んでいる。その姿は、かつての高橋大輔さんにも重なります。

初戦ではリフトが高評価だった一方、ツイズルやステップには課題が残りました。でも、何が評価され、何を伸ばすべきかが見えてきたのは大きな一歩です。

かなだいが時間をかけて世界の舞台にたどり着いたように、しょまりんもここからどんな変化を見せるのでしょうか。華やかな演技だけでなく、採点表の変化を追う楽しみも増えそうです。

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