「1/3の純情な感情」で知られるSIAM SHADE。メンバー間では、ひとつの裁判が和解したあと、楽曲の使用をめぐって別の裁判が起きています。2026年11月に改めて注目を集めたのは、ギタリストのDAITAさんが公式サイトに載せた、この経緯についての説明です。
なぜここまで揉めているのでしょうか。発端は再結成後のライブやグッズ、DVDの売上をどう管理・分配するかという問題。その後、復興支援活動や「SIAM SHADE」の名前を使った活動にも争点が広がりました。
「そんなにお金が動いていたの?」「ほかのメンバーはお金に困っているの?」という疑問も含め、双方の公表内容と報道をもとに整理します。
SIAM SHADEはなぜ揉めている?発端は再結成後のお金
SIAM SHADEは2002年に解散しましたが、2007年に日本武道館で一夜限りの再結成を実現。2011年には東日本大震災を受け、復興支援のためのチャリティー活動も行いました。
DAITAさんの2026年11月1日の声明によると、当時のライブ制作やグッズ、DVDの関連業務には自身が関わる会社が携わっていたそうです。
ところが、その後の収益の精算をめぐり、DAITAさんと栄喜さん、KAZUMAさん、NATCHINさん、淳士さんの4人の認識が食い違うようになりました。
栄喜さんら4人は2019年から弁護士に依頼し、DAITAさんを相手に訴訟を起こしました。4人が和解を公表したのは、2024年11月です。
一度は決着したように見えた問題が、なぜ再燃したのでしょうか。
売上を5等分?経費を引くかどうかで大きな差
DAITAさんが説明する大きな争点の一つが、売上から制作費などを差し引いて分配するのか、という点です。
例えばグッズ売上が1,000万円、制作費や販売管理費が400万円だった場合、残る600万円を5人で分ければ1人120万円。売上1,000万円をそのまま5等分すれば1人200万円になります。
これは説明のための仮の数字ですが、計算方法だけで1人80万円も変わります。
DAITAさんは、グッズ製作費やDVD制作費、デザイン料、販売管理費などを控除しない形での分配を4人側が求めた、と主張しています。
ただ、どの経費を誰が負担する契約だったのかは、DAITAさんの説明だけで結論を出せる話ではありません。4人側の見解や和解内容と区別して受け止める必要があります。
SIAM SHADEはそんなに稼いでいたの?
DAITAさんが公開した和解関係の図には、DVDの販売・精算に関連して約2,090万円、約1,830万円という金額が記されています。
ただし、これは図中の特定の取引に関する数字であり、バンドの総利益でもメンバーの年収でもありません。
ライブについても、満員の会場ならチケット売上は大きくなりますが、会場費、舞台制作、音響・照明、スタッフ、機材、宣伝などに費用がかかります。グッズにも製造原価や販売経費があります。
つまり「大きな売上があった=5人がその金額を自由に使えた」ではないのです。今回の争いを理解するには、売上と利益を分けて考えることが大切です。
ほかの4人はお金がないの?
ここも気になるところですが、今回の訴訟から4人の生活状況を推測するのは早計です。
栄喜さん、KAZUMAさん、NATCHINさん、淳士さんはSIAM SHADE以外でも音楽活動をしてきました。ただ、現在の個人収入や資産を示す信頼できる公開資料は見当たりません。
裁判で金銭を請求する理由は、生活に困っているからとは限りません。契約上の取り分、精算資料の開示、権利関係などが争われることもあります。
DAITAさんの声明には、過去の不信感について強い言葉も登場しますが、4人が金銭的に困窮していると裏付けるものではありません。
復興支援の寄付金をめぐる別の裁判も
対立はグッズやDVDの精算だけではありませんでした。
DAITAさんの説明によると、震災復興支援のために集めた寄付金の使途などをめぐり、4人側が復興支援団体に約2,600万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたといいます。
DAITAさんは、2022年10月13日の判決で4人側の請求がすべて棄却されたと説明しています。
これはDAITAさんが公表した裁判経過です。判決原本の全文を独立に確認したものではなく、寄付金の不正使用が認定されたという意味でもありません。
震災復興を願って始まった活動だけに、ファンにとっても複雑な気持ちになる話です。
2024年に和解したのに、なぜ2025年に再び提訴?
2024年11月、4人側はDAITAさんとの訴訟が和解したと報告しました。同時に、今後もSIAM SHADEのメンバーは5人だと説明しつつ、4人だけで活動する機会が増える可能性にも触れています。
この発表を聞いて、ようやく落ち着いたと思ったファンもいたはずです。
しかし、DAITAさんは4人による活動に事前の相談がなかったと主張。SOPHIAとのコラボイベント「SIAM SOPHIA」に、DAITAさんではなくギタリストのRENOさんが参加したことも対立の一因となりました。
さらにDAITAさんは、栄喜さんが2024年11月に「SIAM SHADE」の商標登録を単独で出願し、2025年7月に拒絶されたと説明しています。
こうした経緯を受け、DAITAさんは2025年、ほかの4人に対して自身が作曲した38曲の使用差止めなどを求める訴訟を提起したと発表しました。
過去のお金の問題に区切りがついても、これから誰がどのような形でSIAM SHADEの楽曲や名前を使って活動するのか、という新たな問題が残ったわけです。
4人側は何と言っている?栄喜は謝罪も
一方、4人側にも言い分があります。
2025年10月、栄喜さんはブログでファンに謝罪し、4人の考えについて適切なタイミングで説明したいとの意向を示しました。また、ファンを裏切る行為はしないと強調しています。
その後にはDAITAさんを食事に誘うメッセージも発信しました。
DAITAさんの声明を読むと厳しい対立が伝わってきますが、片方の発表だけで「4人が悪い」「DAITAさんが悪い」と決めつけるのは避けたいところです。
SIAM SHADEは今後どうなる?
2026年11月1日の声明で、DAITAさんは今もSIAM SHADEの一員であり、バンドへの思いは変わらないと表明しました。
一方、2025年に提起された楽曲使用差止めなどの訴訟について、今回確認した公開情報では最終的な結論は把握できていません。
かつて5人で生み出した曲を、また5人で演奏する日は来るのでしょうか。
今回の騒動は単なる「お金の取り合い」ではなく、長年の精算への不信感と、バンドをどう守り、続けていくかという考え方の違いが絡み合った問題です。
ファンとしては、まず事実関係が整理され、メンバーそれぞれが納得できる形に近づいてほしいですね。
