2026年10月30日、東京都港区の都立六本木高校で、1年生の女子生徒(16)が同級生に包丁で刺される事件が起きました。
殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは、同じ高校1年生の女子生徒(16)です。
11月2日には、逮捕された生徒が「政治的な話題で口論した」と供述していることが報じられました。
政治の話がなぜ事件につながったのか。2人は入学時から親しかったといい、関係の変化にも関心が集まっています。
六本木高校の刺傷事件はなぜ起きた?
事件が起きたのは10月30日午後1時5分ごろ。現場は校内の図書室でした。
被害生徒は肩や両脇腹など複数か所を刺されて病院に搬送されました。重傷と報じられていますが、搬送時に意識があり、命に別条はないとされています。
逮捕された生徒は「相手を殺して自分も死のうと思った」と供述したと報じられています。
さらに11月2日、政治的な話題をめぐる口論があったという新たな供述が明らかになりました。
ただし、政治的な意見の違いだけが事件の原因だったと確定したわけではありません。警視庁が詳しい経緯を調べています。
政治的な口論とは?何について意見が対立した?
共同通信の11月2日の報道によると、逮捕された生徒は、政治的な話題で口論になり、仲直りできなければ心中しようと思ったという趣旨の供述をしています。
気になるのは、具体的に何について話し合っていたのかという点です。
しかし、どの政党や政治家、政策について意見が分かれたのかは明らかになっていません。特定の政治思想が事件を引き起こしたと決めつけるのは避けたいところです。
むしろ今回の事件では、もともと親しかった2人の関係がどのように変わったのかも重要な点になっています。
加害生徒と被害生徒は仲良しだった?
報道によると、2人は同じ高校1年生のクラスメート。逮捕された生徒は、入学時から仲良くなったものの、10月中旬ごろに意見の食い違いがあったと説明しているそうです。
入学から半年ほどで、何が変わったのでしょうか。
口論後の詳しいやり取りや、2人がどのように関係を修復しようとしていたかは、まだ十分に明らかになっていません。
仲が良かったという説明も逮捕された生徒側の供述に基づく部分があり、双方の認識が同じだったかどうかは慎重に見る必要があります。
事件当日に「私のことが好きか」と尋ねていた
11月2日の共同通信の報道では、事件直前のやり取りも伝えられています。
逮捕された生徒は自宅から包丁2本をバッグに入れて持参し、図書室で相手に「私のことが好きか」と質問したとされています。
相手から「もう好きになれない」と返答され、背を向けたところを追いかけて刺したというのが、捜査関係者を通じて報じられた内容です。
この言葉だけで、2人が恋愛関係にあったと判断することはできません。親しい友人同士の関係についての会話だった可能性も含め、詳しい背景は明らかになっていません。
一方、逮捕された生徒は事件前に包丁を用意していたとされています。警視庁は計画性の有無も含めて捜査しています。
包丁を2本持っていた理由は?
読売新聞の11月1日の報道によると、事件直後に学校職員が包丁1本を取り上げ、バッグの中からさらに1本が見つかりました。
逮捕された生徒は、包丁を事前に生活雑貨店で購入するなどして用意し、自宅から持参したと説明しているということです。
登校後すぐに被害生徒を探して図書室に向かったとも報じられています。
なぜ2本用意したのか、どの段階で相手を刺そうと考えたのかについては、引き続き捜査が進められています。
六本木高校はどんな学校?事件当日は文化祭だった
都立六本木高校は2005年に開校した、昼夜間定時制・単位制・総合学科の高校です。
不登校経験のある生徒や、高校を中途退学した生徒なども受け入れる「チャレンジスクール」として設置されました。
事件当日の10月30日は、学校関係者を対象とした文化祭が開かれていました。翌31日に予定されていた文化祭は事件を受けて中止されています。
学校は保護者に対し、生徒の心のケアに当たることを伝えたと報じられました。
六本木高校は昔の城南高校だった?
現在の六本木高校がある場所には、かつて都立城南高校がありました。
都立六本木高校の公式沿革によると、城南高校の全日制課程と、日比谷・三田・芝商業・青山・第一商業の各高校の定時制課程を発展的に統合し、2005年4月に六本木高校が開校しました。
つまり、城南高校がそのまま名前を変えたのではなく、旧城南高校の敷地に複数校の教育実績を引き継ぐ新しい高校が誕生したという経緯です。
昔の城南高校を知っている人なら、現在の六本木高校の場所を聞いて思い当たるかもしれません。
なお、今回の事件と学校の沿革を結びつける根拠はありません。
被害生徒の現在の容体は?
被害生徒は肩や脇腹などを刺され、重傷と報じられました。
10月30日の報道では、病院に搬送された際に意識があり、命に別条はないとされています。
11月2日時点で、その後の詳しい回復状況や退院時期は明らかになっていません。
被害生徒の身体的な回復だけでなく、事件に遭遇した生徒や学校関係者の心のケアも大切になりそうです。
政治的な口論だけが原因だったのか
今回の事件で注目されたのは、「政治的な話題で口論した」という供述でした。
ただ、報道を時系列で追うと、10月中旬の意見の食い違い、事件当日の関係を確かめるようなやり取り、事前に用意された包丁など、複数の事実が浮かび上がります。
なぜ親しかった同級生を傷つける行動に至ったのか。供述だけでは見えてこない部分も残されています。
今後の捜査で具体的な口論の内容や事件に至る経緯が明らかになるのを待ちたいところです。