名越スタジオ解散はなぜ?70億円の資金問題と新作ゲームの行方

『龍が如く』シリーズの生みの親・名越稔洋さんが立ち上げた「名越スタジオ」が解散しました。2026年11月2日付の官報で、10月31日の株主総会の決議によって解散したことが明らかになっています。

2025年12月にはマ・ドンソクさんを起用した新作『GANG OF DRAGON』を発表したばかり。なぜ会社が解散することになったのでしょうか。資金問題からゲームの今後、名越さんの現在まで整理します。

目次

名越スタジオはなぜ解散した?

大きな背景にあるのは、出資元である中国のゲーム大手NetEase Gamesによる資金提供の停止です。

名越スタジオは、セガを退社した名越さんが2021年11月に設立したと報じられている会社です。2022年1月には公式サイトを開設し、NetEase Gamesの100%出資を受けて世界向けの大型タイトルを開発していました。

ところが2026年3月、BloombergがNetEaseによる同スタジオへの資金提供を5月から停止する方針だと報道。NetEase側も取材に対し、停止の事実を認めたと伝えられています。

その後は公式SNSの更新が止まり、公式サイトも閲覧できない状態に。11月2日付の官報(号外第240号)に解散公告が掲載され、10月31日に解散を決議したことが明らかになりました。

ただし、会社側が解散に至った理由を詳細に説明した声明は確認されていません。資金提供の停止が大きく影響したとみられるものの、それだけが原因だったと断定するのは早そうです。

新作の完成には追加で約70億円が必要だった?

今回の解散で気になるのが開発費です。Bloombergは2026年3月、『GANG OF DRAGON』を完成させるために少なくとも約70億円の追加資金が必要と見積もられていたと報じました。

ここで注意したいのは、約70億円がすでに使われた金額ではないこと。あくまで完成までにさらに必要とされた資金の見積もりです。

大型ゲームの制作には、キャラクターの映像表現や街並みの再現、アクションの開発など、多くの時間と費用がかかります。名越スタジオが目指した作品の規模を考えると、資金調達は大きな課題だったのでしょう。

一方でNetEaseは海外スタジオへの投資方針を見直しており、ほかの開発拠点でも縮小や閉鎖が報じられていました。今回の出来事には、そうした事業環境の変化も関係していると考えられます。

『GANG OF DRAGON』は発売中止になる?

『GANG OF DRAGON』は2025年12月の「The Game Awards 2025」で発表されたアクションアドベンチャーゲームです。舞台は東京・新宿歌舞伎町。韓国系マフィアの幹部シン・ジソンに俳優のマ・ドンソクさんを起用し、肉弾戦や刀、銃、車を使った迫力あるアクションが紹介されました。

公開された公式トレーラーはこちらです。

名越さんは発表当時、シナリオと総指揮を担当すると説明していました。『龍が如く』を思わせる新宿の街並みと、マ・ドンソクさんの迫力ある姿に期待した人も多かったはずです。

現時点では開発中止の正式発表はない

2026年11月2日時点で、『GANG OF DRAGON』の開発中止は正式には発表されていません。Steamのストアページも残っていると報じられています。

ただ、開発会社が解散した以上、当初の体制で制作を続けるのは難しい状況です。作品の権利を誰が保有しているのか、別の会社が引き継ぐのかについても、具体的な発表はありません。

会社の解散とゲームの開発中止は同じ意味ではありませんが、発売の見通しは不透明になっています。

名越稔洋はすでに取締役を退任していた

実は名越さんは、今回の解散決議より前に登記上の取締役を退任していました。

Game*Sparkが確認した登記情報によると、名越さんを含む取締役は2026年3月31日付で退任。5月31日付で森永実さんが取締役に就任し、10月5日時点では唯一の取締役となっていました。

そして11月2日の解散公告には、その森永さんが代表清算人として記載されています。

ただし、取締役の退任は、会社からの退職やゲーム開発からの完全離脱を意味するものではありません。名越さんがいつまで制作に関わっていたのかは、現時点で明らかになっていません。

名越稔洋は現在何をしている?今後は?

名越さんはセガ時代に『デイトナUSA』『スーパーモンキーボール』『龍が如く』シリーズなどを手掛けてきたゲームクリエイターです。セガ退社後は自らのスタジオで新作を制作していました。

2026年3月には、新たなスポンサーを探しているとBloombergが報道しました。しかし11月2日時点で、新たな所属先や次のプロジェクトについて本人からの確かな発表は確認されていません。

名越スタジオの解散は残念なニュースですが、名越さん自身がゲーム制作から引退すると発表したわけではありません。次の活動がどのような形になるのか、注目が集まります。

解散までの経緯を時系列で整理

  • 2021年11月:名越スタジオ設立と報道
  • 2022年1月:公式サイト開設
  • 2025年12月:『GANG OF DRAGON』を発表
  • 2026年3月:NetEaseの資金提供停止方針が報じられる
  • 2026年3月31日:名越さんら取締役が退任
  • 2026年5月31日:森永実さんが取締役に就任
  • 2026年10月31日:株主総会で解散を決議
  • 2026年11月2日:官報に解散公告が掲載

なお、会社の解散は、その日に法人が完全に消滅することを意味しません。名越スタジオは今後、債権・債務の整理などの清算手続きを進めることになります。

まとめ

名越スタジオは、NetEaseの資金提供停止が報じられた後、2026年10月31日の株主総会で解散を決議しました。

約70億円の追加開発資金が必要と報じられた『GANG OF DRAGON』については、正式な開発中止発表はありません。名越さんの次の活動もまだ明らかになっていないため、今後の続報が重要になりそうです。

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