三代目JSBレコ大1億円事件とは?請求書の中身とHIRO退任、その後

三代目JSBの「レコ大1億円事件」は、いったい何だったのでしょうか。

2016年10月、週刊文春が2015年の日本レコード大賞をめぐる買収疑惑を報道しました。三代目 J Soul Brothersの所属事務所LDHに対し、バーニングプロダクションが税込1億800万円を請求したという内容です。

しかも、報道には請求書の写しまで登場。HIROの社長退任とも時期が重なり、大きな騒動になりました。

ただし、請求書が報じられたことと、実際に大賞が金銭で買収されたと証明されたことは別の話です。当時の報道をたどりながら、何が明らかになり、何が疑惑のままなのかを整理します。

目次

三代目JSBのレコ大1億円事件とは?請求書に何が書かれていた?

発端となったのは、2015年12月30日の第57回日本レコード大賞です。

三代目JSBは「Unfair World」で大賞を受賞。前年の「R.Y.U.S.E.I.」に続き、2年連続で頂点に立ちました。

「R.Y.U.S.E.I.」のランニングマンが広く知られ、グループが人気絶頂にあった時期です。そんな華やかな受賞の約10か月後、思いもよらない疑惑が浮上します。

2016年10月26日、週刊文春WEBが「三代目JSB 1億円でレコード大賞買収の『決定的証拠』」と題するスクープを公開。翌27日発売の週刊文春でも詳しく報じました。

請求書の金額は税込1億800万円

報道された請求書は2015年12月24日付で、請求元がバーニングプロダクション、請求先がLDH。金額は消費税込みで1億800万円でした。

名目は「年末のプロモーション業務委託費として」。レコード大賞の開催日はその6日後です。

週刊文春は、請求書の書式や社印がバーニングで通常使われているものと一致したと報じ、これを大賞買収疑惑の証拠として取り上げました。

一方、請求書はあくまで代金を請求するための書類です。書類の存在だけで実際の支払いが完了したことや、その資金が審査員に渡ったことまで証明されるわけではありません。

事件を振り返る際には、この違いを押さえておきたいところです。

なぜバーニングが登場したのか?

バーニングプロダクションは、当時の社長・周防郁雄氏のもと、芸能界で強い影響力を持つと報じられてきた事務所です。

週刊文春が問題視したのは、事務所間の高額な取引そのものよりも、そのお金がレコード大賞の受賞に向けた働きかけと関係していたのではないか、という点でした。

レコード大賞は日本作曲家協会が主催する歴史ある音楽賞。もし受賞が作品の評価ではなく業界内の力関係で左右されるなら、賞の信頼性そのものが揺らぎます。

ただし、報道された請求書の名目はプロモーション業務委託費であり、審査員への金銭提供が確定したという話ではありません。

HIROの社長退任は関係ある?レコ大関係者も謝罪

この疑惑が注目されたもうひとつの理由が、LDHを率いていたHIROの社長退任です。

HIROは2016年10月23日、年内でLDHの社長を退任すると発表しました。週刊文春のスクープ公開はその3日後です。

週刊文春によれば、同誌がLDHに疑惑を問い合わせてからわずか2日後に退任発表があったといいます。

これだけ時期が近ければ、関連を疑う声が出るのも不思議ではありません。

ただ、HIROが説明した退任理由は、経営を信頼するスタッフに任せ、自身はプロデュースやクリエイティブ業務に専念するというもの。疑惑が退任の直接の理由だったと裏付けられたわけではありません。

レコード大賞の責任者は何を語った?

騒動は最初のスクープだけでは終わりませんでした。

2016年11月10日号の週刊文春には、日本作曲家協会会長でレコード大賞の最高責任者だった叶弦大氏への取材記事が掲載されました。

叶氏は疑惑をめぐる事態に謝罪の意を示し、証拠が出た以上、放置しておくわけにはいかないという趣旨の発言をしています。

とはいえ、これは買収の具体的な仕組みや関係者全員の関与を認めたという意味ではありません。

主催者側から重い発言が出た一方で、疑惑の全容が公的な調査結果として明らかになったわけではないのです。

三代目JSBのメンバーは知っていたのか?

ファンにとって最も気になるのは、メンバー自身が疑惑に関わっていたのかという点でしょう。

しかし、当時の報道の中心は芸能事務所間の取引です。メンバーが買収を指示した、あるいは事前に知っていたと裏付ける資料は示されていません。

報道直後には、週刊文春のSNSアカウントにファンの反応が殺到したことも伝えられました。

三代目JSBが多くのファンを獲得し、ヒット曲を生み出してきたことと、レコード大賞の選考過程への疑惑は分けて考えるべきでしょう。

レコ大1億円事件のその後は?受賞取り消しはあった?

それでは、騒動は最終的にどうなったのでしょうか。

まず、2015年の三代目JSBの大賞受賞は取り消されていません。日本作曲家協会の歴代受賞記録にも、第57回の大賞として「Unfair World」が掲載されています。

また、今回参照した公表資料や報道では、この疑惑について裁判所が買収を認定した判決や、関係者への刑事処分は把握できませんでした。

大きな疑惑が報じられた一方で、受賞結果そのものは残っています。

2025年にもレコ大の選考問題が取り上げられた

レコード大賞の選考をめぐる議論は、この事件だけではありません。

週刊文春は2024年に新人賞の選考枠をめぐる問題を報道。2025年12月には、過去の1億円疑惑を含めたレコード大賞の特集を公開しました。

もちろん、別の年の疑惑をもって、すべての受賞が不正だったと決めつけることはできません。

それでも、選考過程が外から見えにくい音楽賞に対し、透明性を求める声が続く理由は理解できます。

レコ大には以前にも、1987年の中森明菜と近藤真彦をめぐる話題など、長く語り継がれている出来事があります。詳しくは中森明菜は1987年レコ大でなぜ3連覇を逃した?でも紹介しています。

受賞曲「Unfair World」という皮肉な偶然

この騒動でネット上の話題になったのが、受賞曲のタイトルです。

「Unfair World」は日本語にすると「不公平な世界」。その言葉と買収疑惑を重ね合わせる反応もありました。

もちろん、楽曲は映画「アンフェア the end」の主題歌であり、レコード大賞の騒動を意味して作られたものではありません。

それでも事件を振り返ると、なんとも皮肉な偶然に感じられます。

まとめ

三代目JSBのレコ大1億円事件は、2015年の大賞受賞をめぐり、翌2016年に週刊文春がバーニングからLDHへの高額請求書を報じた騒動でした。

税込1億800万円の請求書、HIROの社長退任と重なる時期、レコード大賞関係者の謝罪。これらが重なり、選考の公平性に大きな疑問が向けられました。

一方で、メンバー自身の関与が立証されたわけではなく、受賞も取り消されていません。

この事件で考えさせられるのは、アーティストが積み重ねた実績まで、賞の選考過程への不信によって疑われてしまうことです。

レコード大賞が音楽ファンに信頼される賞であり続けるには、受賞結果だけでなく、その選考過程への信頼も欠かせないのでしょう。

レコ大の歴史を振り返りたい方は、歴代レコード大賞の意外な受賞曲10選もあわせてご覧ください。

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