安室奈美恵さんを語るうえで外せない話題といえば、母親の事件です。
今どきの若い世代の人たちはこの事件を知らない、という人もきっと多いはず。
ミステリー小説で描かれていそうな事件内容で…
犯人は身内の叔父(おじ)にあたる人物であり、いまだに犯行動機は不明のまま闇に消えています。
安室奈美恵さんの母親はなぜ犠牲者になってしまったのか?
今回は安室奈美恵さんの母親にまつわる事件の概要をお伝えし、個人的な考察も述べていきます。
安室奈美恵の母親について
安室奈美恵さんの母親を知らない人も多いはずですので、まずは母親について説明します。
安室奈美恵さんの母親は
平良恵美子(たいら えみこ)さんといい、
1998年9月に「約束−わが娘・安室奈美恵へ−」を発行し、当時は大きな反響を呼びました。
この著書の中で自らの生い立ちなどをつづっており、それによると安室奈美恵さんの祖母にあたる平良恵美子さんの母親・清子さんは地元:沖縄の歯科医師と結婚。
ところが子供に恵まれずに、それが原因で離婚します。
子供が出来なかった祖母・清子さんは軍で働いていた時にイギリス人の軍人と交際し、結婚します。
祖母・清子さんとイギリスの軍人との間にできた子供が、安室奈美恵さんの母親である平良恵美子さんです。
写真をよく見ていただけるとわかりますけど、恵美子さんは日本人離れしている顔立ちですもんね。
沖縄の北谷町(ちゃたんちょう)で生まれた平良恵美子さんは生後間もなく、那覇へ移り住むことになります。
ちなみに著書の中でつづられていますけど、恵美子さんは父親が白人であったことしかわからなかったといいます。
ハーフであったことから、幼少期は差別されて、かなりつらい体験をしていたようです。
祖母の清子さんは昼間に米軍基地で働いて、夜はスナックで働くというハードワークをしながら、平良恵美子さんを必死に育てたようです。
それから月日が経ち…平良恵美子さんは、高校卒業後にバス会社に就職します。
ところが間もなく退職し、祖母の清子さんに内緒で上京したようです。
上京後、埼玉県の工場に勤めていた恵美子さんは、1年後には沖縄出身の会社経営者の甥と結婚し、一旦は沖縄に戻ります。
結婚後は「安室恵美子」となり、3人の子供を生みます。
兄、姉、安室奈美恵さんの一男二女。
至宝にも恵まれて結婚生活も順調かと思いきや、恵美子さん自身の生い立ちなどが原因で結婚生活は徐々に破綻していきました。
離婚後は恵美子さんが3人の子供を育てることになります。
母親である清子さんと同じ道を歩むかのように、昼間は保母さんとして働いて、夜はスナックでの仕事をし、過労になりながらも懸命に子供たちを育てたようです。
その後、恵美子さんはまたまた沖縄出身の方と再婚。
のちに、共に事件に巻き込まれる旦那さんです。
この生い立ちを見るだけで、安室奈美恵さんの母親が若い頃から苦労してきたことが伺えます。
きっと自分の娘が国民的スターになったときは、嬉しくて嬉しくてたまらなかったでしょう。
多少なりとも母親自身も舞い上がっていたはずですので、出版社からの依頼もこころよく引き受けて自叙伝(じじょでん)ともいえる著書「約束」を書いたはず。
が、しかし、
その著書を出版してからわずか半年後に安室奈美恵さんの母親はこの世を去りました。
いったい何があったのでしょうか…
安室奈美恵の母親の事件の概要
1999年3月17日、安室奈美恵さんの母親・平良恵美子さんは義理の弟によって命を奪われました。
事件の概要は今からお伝えしますけど、極めて残酷です。
まず事件現場は沖縄県国頭郡大宜味村(くにがみぐん おおぎみそん)。
自宅から外に出ていた恵美子さんと夫の辰信さんが横断歩道を渡っていたところ、突然1台のスカイラインが突進してきました。
それも夫の辰信さんではなく、恵美子さんに向かってです。
恵美子さんは車にはねられてしまい、夫の辰信さんが助けに駆け寄ったところ、車はUターンして戻ってきて、今度は夫の辰信さんもはねられてしまいました。
車のボンネットに押し上げられて地面に強く叩きつけられた恵美子さん。
辰信さんは恵美子さんを車から引き離そうと、近くの電柱まで引っ張ります。
すると車に乗っていた義理の弟が下りてきます。
その手にはナタが握られており、恵美子さんと辰信さんに襲いかかってきました。
恵美子さんは顔を中心に何度も傷つけられて、夫の辰信さんが落ちていた鉄パイプで応戦するも対抗できず。
恵美子さんは心肺停止に。
病院に搬送されたものの、帰らぬ人となりました。
当時、恵美子さんは48歳でした。
その後、
義理の弟は車で現場から逃走を図り、事件から4時間後に山中で農薬を飲み自死しました。
これが安室奈美恵さんの母親事件の大まかな概要です。
安室奈美恵の母親事件の犯人について
安室奈美恵さんの母親の命を奪った犯人は、義理の弟にあたる平良謙二。
母親の恵美子さんの再婚相手にあたる平良辰信さんの実の弟です。
恵美子さんと辰信さんは1993年に再婚。
スナックのお客であった平良辰信さんが恵美子さんに一目惚れしたようです。
ところで、
なぜ安室奈美恵さんの母親を恨んでいたのでしょうか?
事件のときに執拗に恵美子さんを襲っていることから、相当な恨みを持っていたと容易に推測できますよね?
真実は犯人である平良謙二にしかわかりませんけど、なんせ自死したので。
叔父(平良謙二)の動機は何だったのか
安室奈美恵さんの母親事件が世に知らされたときは、もうとんでもないぐらい大変な騒ぎになりました。
それもそのはず。
当時、安室奈美恵さんといえば芸能界でも屈指の人気を誇るアーティストで、国民的スターだったからです。
親族間で起きた悲惨な事件に加えて、犯人が自死を遂げるというミステリー小説に登場してもおかしくない展開。
当時はあらゆる憶測が飛び交っていました。
代表的な説は、
- 逆恨み説
- 兄弟不仲説
- 三角関係説
- 安室マネーを巡る説
この4つでした。
当時はさまざまな情報が飛び交っていたものの、現代のようにSNSなどで情報交換することもできないので、メディアが報じた内容をそのまま信じ込んでいた人も多かったです。
ただし、あれから時が経ち、徐々に事件の全容が明るみに出たのです。
不幸中の幸いですけど、かろうじで夫の辰信さんは生きており、当時の事件について...ついに口を割ったのです。
辰信さんは事件について以下のように述べています。
弟には結婚したい相手がいた。
私と恵美子が反対していた。
その女性(犯人の恋人)は身をひいてしまった。
その恨みかも知れない。
引用:平良辰信氏の証言
つまり、犯人である平良謙二さんには結婚を前提に交際していた女性がいたものの、恵美子さんと兄の辰信さんに反対されて、挙句の果てには破綻していたのです。
長男夫婦のせいで交際が破局。
つまり4つの説の1つ、「逆恨み説」です。
この説は捜査本部の置かれた名護警察署が正式に発表した犯行理由でもあったので、間違いない犯行動機といえるでしょう。
ただここで疑問に思うことはないでしょうか?
・・・
「交際に反対されただけで殺す?」
・・・
事件当時、現地を取材した記者や地元の人間も、「交際に反対されただけで殺すだろうか?」と疑念を抱き、信じていない者も多かったといいます。
かといって、そのほかの兄弟不仲説や三角関係説も、ややズレている気がします。
夫の辰信さんと犯人、2人の兄弟が不仲だったのはたしかに事実ですけど、だからといって辰信さんの妻を殺害しようなどとは思わないはず。
兄弟不仲説はシロ(ない)とみました。
続いて三角関係説について有力な手がかりは見つかりましたけど、
酒を飲むと恵美子さんを殴っていた。
恵美子さんはすぐ目の前にあった謙二の家に逃げ込んでいた。
そんなことから、『あの嫁は夫の目を盗んで謙二に会っている』
つまり、犯人(謙二さん)が影で恵美子さんを支えていたということです。
ただこの説が有力だった場合は、真っ先に恵美子さんではなく兄の辰信さんを狙うはず。
なんかピントがズレている気がします。
・・・
では真実は一体どうなのか?
少し行き詰まった感はありますけど、もう1つだけ安室マネーを巡る説が残っています。
安室奈美恵は国民的スター、金持ち...だから金絡みだった。
でもそれでは、つじつまが合わないですよね?
そこでさらに調査してみたところ、ある有力な手がかりが得られました。
というのも、
犯人である平良謙二は消費者金融に借金があり、安室奈美恵さんの母親・恵美子さんに借金を申し込んでいたようです。
ただし、これを断られたようで再婚を見越して付き合っていた女性との結婚も破断。
「借金があるならやめた方がいい」と長男夫婦にも反対された、と言われています。
兄(辰信さん)の件では十分すぎるぐらい支えているのに、こっちが苦労しているときは何も手助けはしない。
安室奈美恵のマネーがあるから、すぐにでも用意はできるはずなのに...
しまいには兄と一緒に結婚も反対している...
これは勝手な推測ですけど、
- 逆恨み説
- 安室マネーを巡る説
この2つがセットになり、犯人の怒りが収まらなかった。
このように考えると、あのような大胆な犯行に及んだことも少し納得がいきます。
結婚を反対されただけではなく、その背後にはお金の事情も絡んでいた。
すんなりとお金を用意してもらえれば解決できていた。
いつも兄との喧嘩が絶えないから影で支えているのに。
なのに、協力してくれない。
・・・
国民的スーパースターの身に起こった前代未聞の悲劇。
残念ながら真相は闇に葬られたままですけど、
なぜ安室奈美恵さんの親族でこのような悲劇が起こったのか?
これは単なる偶然だと思いますか?
当時は「逆恨み説」が有力視されていましたけど、やはり背後にはお金が絡んでいたのかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。