最近、Xでバーガーキングの写真や新店舗オープンの話題を見かけることが増えました。大きなワッパーに、思わず反応したくなる広告。「近所にもできてほしい」という声も目立ちます。
実はバーガーキングは、2019年に国内77店舗まで減少していました。それが2026年10月30日には385店舗となる予定で、2028年末には600店舗を目指しています。なぜ、ここまで勢いを取り戻したのでしょうか。
バーガーキングはなぜ人気?5つの理由
1.直火焼きのビーフパティが主役
看板商品の「ワッパー」は、直火焼きの100%ビーフパティと野菜を使った大きなハンバーガーです。肉の香ばしさと食べ応えが、ブランドを象徴する特徴になっています。
マクドナルドやモスバーガーにもそれぞれの魅力がありますが、バーガーキングは「直火焼きの肉をしっかり食べたい」という気分に応えてくれる存在。商品の特徴がひと言で伝わる強さがあります。
2.値段だけで勝負しない
バーガーキングは、安さ一辺倒ではなく、ボリュームや味に納得して選んでもらう方向を重視しています。野村一裕社長へのインタビューでも、価格に頼りすぎず、直火焼きという価値を伝える姿勢が語られています。
「とにかく安い」よりも「このバーガーが食べたい」。そんな指名買いが生まれやすいことも、ファンの熱量につながっているのでしょう。
3.SNSで話題になる広告がうまい
バーガーキングの広告は、少し挑発的だったり、遊び心があったりします。新商品やキャンペーンの発表も、SNSで誰かに教えたくなるような見せ方が特徴です。
ただ商品を宣伝するのではなく、会話のきっかけをつくる。こうした広告施策も、ブランドの存在感を高めてきました。
4.「近所にない」が逆にファンを動かす
全国に店舗が増えているとはいえ、バーガーキングはまだマクドナルドほど身近な存在ではありません。だからこそ、新店舗ができると地域で話題になりやすいのです。
面白いのは、その声を実際の出店につなげたこと。バーガーキングは空き物件の情報を一般から募集する「バーガーキングを増やそう」というキャンペーンを展開しています。
2024年と2025年には合計10万6,400件を超える物件情報が寄せられ、23店舗の出店が実現しました。2026年には第3弾も実施。条件を満たして物件が成約した場合、情報提供者に30万円を贈る仕組みも打ち出しました。
「うちの街にも欲しい」という気持ちが、実際の店舗づくりに参加する行動に変わる。ファンを巻き込む、実にバーガーキングらしい企画です。
5.店舗が増えるたびに注目が集まる
新店舗のニュースが続くことも、ブランドへの関心を高めています。2026年10月25日には茨城県つくば市の「そよらつくば学園の森店」がオープン。10月30日には東京都大田区の「下丸子駅前店」が開店予定です。
店舗が増えることで初めて食べる人が増え、その体験がSNSに投稿される。そんな好循環も考えられます。
かつて77店舗まで減少!復活のきっかけは?
今の勢いだけを見ると意外ですが、日本のバーガーキングは撤退や再進出を経験してきました。2019年5月には店舗数が77店まで落ち込んでいます。
その年にマーケティング責任者として入社したのが、現在の社長・野村一裕氏です。
野村氏は顧客に「なぜバーガーキングが好きなのか」を聞いたところ、アメリカらしさ、大きさ、思い出など、さまざまな答えが返ってきたとインタビューで振り返っています。
そこで打ち出したのが、直火焼きのおいしさをブランドの中心に据える方針でした。あれもこれも魅力を並べるのではなく、何を選んでほしいのかを明確にしたのです。
同時に店舗運営や出店体制も整備。野村氏によれば、2019年から基礎固めを進め、2022~2023年ごろから成長を加速させたといいます。
2025年末には337店舗に拡大し、同年の売上高は約700億円に到達。単なるSNS上のブームではなく、事業の数字にも変化が表れています。
2028年には600店舗へ!急成長の課題も
バーガーキングは2026年10月30日時点で全国385店舗となる予定です。さらに2028年末までに600店舗を目指す計画を掲げています。
2019年の77店舗から考えると、すでに約5倍。600店舗が実現すれば、当時の約7.8倍になります。
一方、出店が急速に進むほど、どの店舗でも同じ品質やサービスを維持できるかが重要になります。商品のおいしさだけでなく、注文の正確さや混雑時の対応も、長く支持されるためには欠かせません。
そして、マクドナルドの国内約3,000店舗と比べれば、バーガーキングにはまだ出店の余地があります。ただし、目標どおりに増えるかどうかは今後の運営次第です。
一度は77店舗まで減少したチェーンが、直火焼きという持ち味を磨き、ファンを巻き込みながら全国へ広がっていく。バーガーキングの人気の背景には、そんな復活の物語がありました。
次に新店舗のニュースを見かけたら、単なる出店情報ではなく、その勢いを支える戦略にも注目してみたくなりますね。