両手を頭の上で組み、腰をくねくねと動かして歩く。2000年代、そんな独特のウォーキングで一世を風靡したのがデューク更家さんです。
一時はテレビで頻繁に見かけましたが、最近は出演が減りました。いったい何があったのでしょうか。
2026年10月19日公開の集英社オンラインのインタビューで、72歳になった本人がその理由を明かしました。現在も日本とモナコを拠点に指導を続けており、仕事をやめたわけではありません。
デューク更家がテレビから離れた理由は?
デューク更家さんによると、テレビから距離を置いたのは、自身が考案した「トルソーウォーキング」を表面的な面白さだけで扱われることに嫌気が差したためでした。
頭上で腕を組み、身体をひねりながら歩く動きは、確かに一度見たら忘れられません。バラエティ番組で真似されることもありましたが、本人にとっては長年考えてきた大切な運動法です。
苦労して作り上げたものが、背景を理解されないまま笑いのネタとして消費される。それが悲しかったと振り返っています。
もっとも、テレビ出演を全面的に拒否しているわけではありません。ウォーキングを真剣に取り上げる番組には出演したいという考えも示しています。つまり「干された」と断定できる話ではなく、本人が仕事の見せ方にこだわった結果といえそうです。
『情熱大陸』出演後に申し込み2000人
全国的なブームのきっかけは、2004年放送のTBS系『情熱大陸』でした。
それまでは文化教室などを借り、1回20~30人ほどに指導していたそうです。ところが放送後には約2000人もの申し込みが殺到し、1年待ちになることもあったといいます。
番組撮影では、歩き方を地面から見上げるように撮ってほしいと要望するほど映像表現にもこだわったそうです。テレビ映えするキャラクターというだけではなく、見せ方まで自分で考える人だったのですね。
ヒット本はもともと「3mウォーキング」だった
2003年刊行の『1mウォーキング・ダイエット』にも意外な裏話があります。当初は「3mウォーキング・ダイエット」というタイトルで企画が進んでいました。
しかし出版直前、「3mより1mのほうが取り組みやすいのでは」と思い立ち、深夜に編集者へ電話して変更を頼んだのだとか。
単にタイトルを変えたのではなく、短い距離でも成立するように身体をひねる動作などを工夫したと説明しています。手軽に試せることが、当時のブームを後押ししたのかもしれません。
デューク更家の現在は?モナコで1回30万円の指導も
72歳になった2026年現在も、デューク更家さんはウォーキング指導者として活動しています。日本とモナコを拠点にし、海外イベントでもパフォーマンスを披露してきました。
2023年にはロンドンの日本文化イベント「Japan Matsuri」に出演。本人は、大勢の来場者の前で日本語によるウォーキングのパフォーマンスを行ったと振り返っています。
モナコの富裕層向けレッスンが驚きの金額
今回のインタビューで驚かされるのが、モナコでの仕事ぶりです。
現地では富裕層の自宅に招かれ、プールサイドなどでマンツーマン指導をしていたそうです。本人が語った当時の料金は、なんと1回約30万円。
ときにはワインやシャンパンを楽しみながらレッスンすることもあったといいます。日本の文化教室で大勢に教えていた頃とは、ずいぶん違う光景です。
ただし、この金額は本人が過去の経験として語ったもので、現在の料金や年収が判明したわけではありません。
華やかなモナコ生活にも苦労があった
モナコでの生活も、最初から順風満帆だったわけではないようです。
本人によれば、移り住んだ当初は差別的な視線を感じたり、レストランで冷たく扱われたりした経験があったといいます。
高級店でも最初は入口近くの席に案内され、何度も通い、スタッフとの関係を築くことで次第に待遇が変わっていったそうです。
現在では有名レストラン「チプリヤーニ」に電話すると席を用意してもらえるほどになったと本人は話しています。華やかな成功談の裏には、時間をかけた人付き合いもあったのでしょう。
公式ブログではウォーキングやインストラクター研修の様子も公開しています。
ウォーキング研究の原点は母親の死だった
明るくユーモラスな印象の強いデューク更家さんですが、ウォーキングを研究するようになった背景には、母親を亡くした経験がありました。
母親は医師から歩くように勧められたものの、頑張りすぎて膝を痛め、さらに階段で転倒して骨折。車椅子での生活になり、その後亡くなったそうです。
その経験から、ただ長く歩けばよいのではなく、もっと効果的な歩き方があるのではないかと考え始めたと語っています。
テレビではコミカルに見えたあの動きにも、家族を思う気持ちが込められていたのですね。
「1日1万歩」にこだわらない健康観
デューク更家さんは、歩数ばかりを重視する考え方にも疑問を持っています。
2026年のインタビューでは、誰もが1日1万歩を目指す必要はないという考えを示しました。歩きすぎて膝を痛めた母親の経験が、今の指導方針にもつながっているのでしょう。
また、本人はウォーキングだけで痩せるわけではないとも説明しています。歩くことと食生活の両方を考える必要があるという、健康ブームの立役者らしからぬ率直な発言も印象的です。
なお、運動の適量は年齢や体調によって異なります。歩数や独特の動きを無理に増やすのではなく、自分に合った方法で続けることが大切です。
72歳の現在も健康に気を配りながら活動
本人は今回のインタビューで、現在は大きな病気を抱えていないと話しています。
一方、過去には飲酒の影響で尿酸値が高くなり、足の痛みを抱えながら指導した経験もあったそうです。
健康を教える立場でも失敗はある。そうした経験を隠さず話すところにも、デューク更家さんの人柄が表れています。
まとめ
デューク更家さんがテレビから離れたのは、ウォーキングを単なる笑いのネタとして扱われることへの抵抗感があったためでした。
現在も日本とモナコを拠点に指導を続けており、テレビ出演が減ったからといって活動をやめたわけではありません。
何より印象的なのは、あの独特な歩き方が、母親の死をきっかけに考え始めた健康法だったということです。
かつてテレビで見て思わず笑ってしまった人も、その背景を知ると少し違った印象を持つのではないでしょうか。
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