脳梗塞から仕事復帰したサンドウィッチマンの伊達みきおさんが、入院中のおかゆを一口も食べなかったと明かし、SNSで議論になっています。
「嫌いだから」という理由でおかゆを残し、翌日から普通の白飯に変更してもらったという話ですが、脳梗塞の患者さんに出される食事には、医学的な理由がある場合もあります。
では、伊達さんの行動は問題だったのでしょうか。おかゆが出される理由や誤嚥(ごえん)のリスク、今回の発言から分かることを整理します。
伊達みきおがおかゆを拒否したのはなぜ?
伊達さんは2026年10月31日、ニッポン放送「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー サタデー」に出演。脳梗塞による療養から仕事復帰し、入院生活についても振り返りました。
11月2日の日刊スポーツによると、病院食のおかゆが苦手で、2日続けて出されたものの一口も食べなかったそうです。
伊達さんは、脳の病気なのになぜおかゆを食べるのか、歯で噛めるのに、と疑問を口にしました。その後、翌日から普通の白飯に戻ったといいます。
さらに、ご飯の量が少ないと看護師に伝えたところ、翌日から100グラム増えたというエピソードも披露しました。
一方で、病院食そのものには「おいしい」と話し、ホッケが出たことや減塩されていたことにも触れています。食事全体に不満を抱いていたという話ではありません。
脳梗塞でおかゆが出るのはなぜ?
脳梗塞になると、手足の麻痺や言葉の障害だけでなく、食べ物を飲み込む機能が低下することがあります。
食べ物や飲み物が誤って気管に入ることを「誤嚥」といい、誤嚥性肺炎などの原因になる場合があります。
そのため病院では、飲み込む機能や全身状態に応じて、食事の硬さ、まとまりやすさ、水分のとろみなどを調整することがあります。
ただし、脳梗塞になった人全員におかゆが必要というわけではありません。おかゆが提供される理由も、飲み込みへの配慮だけとは限らず、患者さんの状態によって異なります。
伊達さんにおかゆが出された具体的な理由は公表されていません。誤嚥予防が目的だったと決めつけるのは避けたいところです。
「歯で噛める」と「安全に飲み込める」は別
今回の発言で注目されたのが、伊達さんが歯で噛めることを理由に挙げた点です。
実は、噛むことと飲み込むことは別の働きです。歯が健康で食べ物を噛めても、喉の動きや飲み込むタイミングに問題があれば、誤嚥することがあります。
そのため、医療現場では噛めるかどうかだけで食事の安全性を判断するわけではありません。
もちろん、これは一般的な医学の話です。伊達さん本人に嚥下障害があったと確認されたわけではありません。
普通のおかゆなら誤嚥しにくい?
意外かもしれませんが、おかゆなら必ず安全というわけでもありません。
普通のおかゆは米粒と水分が分かれることがあり、飲み込む機能が低下している人には適さない場合もあります。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食分類2021」では、離水を抑えたおかゆや、ペースト状、ゼリー状など、食べる人の機能に合わせた形態が示されています。
つまり「おかゆか白飯か」だけでは、安全性は判断できないのです。どのような形態の食事が出されていたのかも、今回の報道からは分かっていません。
伊達みきおのおかゆ拒否は問題だった?
SNSでは、病院側が安全を考えて食事を調整していたのではないか、と心配する声が上がっています。
確かに、飲み込む機能に問題がある患者さんが、必要な食事制限を自己判断で変えることには危険が伴います。
ただ、今回の話で明らかになっているのは、伊達さんがおかゆを食べず、希望を伝えた翌日から白飯になったということまでです。
医師や看護師などがどのように状態を確認したのか、そもそも普通食を食べても問題のない状態だったのかは分かりません。
病院の判断を無視して食事を強引に変更させた、と断定する根拠はありません。
また、苦手な食事を残すことと、医学的に必要な制限を拒否することも別の話です。食べられないものがあるときにスタッフへ相談し、栄養や安全性を考えながら調整すること自体は不自然ではありません。
ご飯を100グラム増やしたのは大丈夫?
おかゆだけでなく、ご飯を100グラム増やしてもらったという発言も注目されています。
脳梗塞の再発予防では、血圧管理や適切な食生活が大切です。ただし、白飯を100グラム増やしたという事実だけで、健康管理に問題があったとは判断できません。
必要なエネルギー量は体格、活動量、栄養状態などによって異なります。病院でどのような栄養管理が行われていたのかも公表されていません。
伊達さんは復帰後、ラーメンのスープを飲み干さないようにするなど、塩分の取りすぎに気をつけているとも話しています。
伊達みきおの現在は?脳梗塞から仕事復帰
伊達さんは2026年8月末、北海道でのロケ中に脳梗塞を発症。釧路の病院で約2週間治療を受け、その後は東京の病院でリハビリを続けてきました。
10月31日のラジオ出演で仕事に復帰し、脳梗塞は比較的軽度だったと説明。手足の麻痺は残らなかった一方、発音しづらくなる「構音障害」があることを明かしています。
復帰後の取材では、言葉の回復具合について自身の感覚で「7割5分ぐらい」と語り、今後もリハビリを続けながら仕事をしていく考えを示しました。
入院中のおかゆの話は笑いを交えたエピソードでしたが、体調の回復に向けて努力を続けていることも伝わってきます。
まとめ:病院食を変更した理由までは分かっていない
伊達みきおさんのおかゆ拒否が話題になった背景には、脳梗塞の患者さんにとって食事が安全管理の一部でもあるという事情があります。
噛めることと安全に飲み込めることは違い、おかゆにも患者さんの状態に合わせたさまざまな形態があります。
一方、伊達さんにおかゆが提供された理由や、白飯への変更に至る医療側の判断は公表されていません。
本人や病院のどちらかを責めるよりも、病院食には栄養だけでなく安全面での役割もあると知るきっかけにしたいところです。
まずは伊達さんが無事に仕事へ戻り、再びラジオで笑いを届けてくれたことを喜びたいですね。
