ビートルズが世界的な人気を獲得する直前、バンドを去ったドラマー、ピート・ベスト。
「あのまま残っていたら、人生はどう変わっていたのだろう」と気になる人物です。
2026年10月現在、ピート・ベストは84歳。2025年4月に演奏活動と公の場への出演から引退しました。一方、家族ゆかりのリバプールの建物は、ビートルズの歴史を体験できる宿泊施設として生まれ変わっています。
ビートルズを解雇された理由から、その後の仕事、家族との暮らし、印税の話まで振り返ります。
ピート・ベストの現在は?83歳で演奏活動を引退
ピート・ベストは1941年11月24日生まれ。2026年10月現在84歳です。
2025年4月5日、弟のローグ・ベストがXで、兄がライブ演奏と公の場への出演から引退すると発表しました。理由は「個人的な事情」と説明され、詳しい内容は公表されていません。
翌6日、本人も「I had a blast. Thank you.(最高に楽しかった。ありがとう)」と短い言葉でファンに感謝を伝えています。
I had a blast. Thank you. https://t.co/p9dRTpwBV1
— Pete Best (@BeatlesPeteBest) April 6, 2025
引退の理由を病気と決めつける根拠はありません。本人は長年「ザ・ピート・ベスト・バンド」で活動し、80代になってもステージに立っていました。
家族ゆかりの「カスバー」は宿泊施設に
近年の話題といえば、リバプールの「カスバー・コーヒー・クラブ」です。
ここは母モナ・ベストが自宅の地下に開いたクラブで、まだ有名になる前のジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンらが演奏した場所。ビートルズの原点の一つとして知られています。
2024年、ピートと弟ローグは、この歴史ある建物をビートルズにちなんだ宿泊施設として整備しました。宿泊客は、若き日のメンバーが集まった場所の雰囲気を味わえます。
本人の引退後の詳しい日常は多く語られていませんが、家族が守ってきた場所が今もビートルズの歴史を伝えているのは感慨深いですね。
ピート・ベストがビートルズをクビになった理由は?
ピートがビートルズに加わったのは1960年8月。ドイツ・ハンブルクでの公演を控え、ドラマーが必要になったことがきっかけでした。
ところが1962年8月16日、マネージャーのブライアン・エプスタインから解雇を告げられます。その後、ドラマーとして加入したのがリンゴ・スターでした。
同年10月、ビートルズは「ラヴ・ミー・ドゥ」でレコードデビュー。世界的なブームは、まさにその後にやってきます。
ドラムの実力だけが原因だった?
よく挙げられるのが、プロデューサーのジョージ・マーティンが録音時のドラム演奏に不満を持っていたという話です。
ただ、レコーディングで別のドラマーを起用したいという制作上の判断と、バンドからメンバーを外す判断は別のもの。メンバー同士の相性なども含め、解雇の背景には複数の要因があったと考えられています。
ピート自身も後年、解雇の本当の理由はいまだにわからないと話しています。
「ドラムが下手だったからクビになった」と一言で片づけられる話ではなさそうです。
ビートルズ脱退後は一般企業で働いていた
バンドを離れた後も、ピートはしばらく音楽活動を続けました。しかし、かつての仲間たちが世界的なスターになる一方、自身の活動は思うように進みません。
やがて音楽の第一線を離れ、製パン工場で働いた後、職業安定所などで長年勤務しました。
ビートルズの元ドラマーが、人々の仕事探しを支える仕事をしていたとは、少し意外ですよね。
私生活ではキャシーさんと結婚し、2人の娘に恵まれました。2020年のインタビューでも、家族や自分の歩んできた人生について前向きに語っています。
1988年に音楽へ復帰!日本公演も
1988年には弟ローグらとともに「ザ・ピート・ベスト・バンド」を結成し、音楽活動を本格的に再開しました。
海外ツアーを重ね、2008年にはアルバム「Haymans Green」を発表。ビートルズ時代の思い出を語るだけではなく、自分自身の音楽を続けてきたのです。
日本でも公演を行っており、ビートルズの初期を知る貴重な人物として多くのファンに親しまれてきました。
ピート・ベストはビートルズの印税をもらっている?
1995年発売のビートルズのアルバム「Anthology 1」には、ピートがドラムを演奏した初期の録音が収録されました。
これにより、ピートは自身の演奏に対する印税を受け取ることになります。
2020年のアイルランド紙「The Irish Times」のインタビューでは、印税について「100万に少し届かない程度」と語りました。ただし、発言中で通貨は明示されておらず、現在の資産額を表す数字でもありません。
解雇から30年以上がたって、ビートルズの初期メンバーとして残した演奏が改めて注目されたことになります。
元メンバーを恨んでいる?本人が語った本音
世界的なスターになる直前に解雇されたのですから、複雑な気持ちを抱いていても不思議ではありません。
実際、解雇を告げられた当時は大きなショックを受けたと振り返っています。
それでも2020年のインタビューでは、ポール・マッカートニーを許せるかという質問に、そもそも許すべきことはないという趣旨で答えました。
若かったメンバーたちは自分たちの将来を考えて決断したのであり、伝え方はもっと良くできたとしても、今さら責めるつもりはないという考えです。
元メンバーとの親交が復活したわけではありません。それでも、過去への恨みだけにとらわれず、自分の人生を築いてきた姿がうかがえます。
まとめ|ピート・ベストの現在とその後の人生
2026年10月現在、ピート・ベストは84歳。2025年4月に演奏活動と公の場への出演から引退しました。
ビートルズ脱退後は一般企業で働き、家庭を築き、1988年には音楽活動へ復帰。80代まで演奏を続けてきました。
家族ゆかりのカスバー・コーヒー・クラブも、今ではファンが訪ねられる特別な場所になっています。
もし1962年に解雇されていなかったら、彼の人生はまったく違っていたでしょう。
それでも、ビートルズを離れた後に積み重ねた年月にも、十分に語る価値があるのではないでしょうか。
