TBS系の大型特番「オールスター感謝祭」といえば、豪華芸能人によるクイズや赤坂5丁目ミニマラソンなどでおなじみです。一方、長時間の生放送だけに、過去には予想外のハプニングも何度も起きてきました。
東京03をめぐる騒動、次長課長・河本準一さんの骨折、クイズシステムの故障、音声スタッフの転倒、そして2025年の江頭2:50さんの騒動まで。中には今では考えにくい出来事もあります。
1991年秋に始まった「オールスター感謝祭」は、2026年10月10日の放送で70回目。長い歴史の中で起きた主なハプニングを振り返ります。
オールスター感謝祭で本当に起きた歴代ハプニング
「オールスター感謝祭」のハプニングとして語られる出来事には、本当の事故や機材トラブルもあれば、番組の演出として仕掛けられたものもあります。
まずは、実際に生放送中に起きたことが確認できる出来事から見ていきます。
4択クイズの機械が本番開始直後に故障
番組の根幹ともいえる4択クイズのシステムが、本番で突然動かなくなったことがあります。
長年MCを務める島崎和歌子さんは2021年のインタビューで、リハーサルでは問題なく動いていた機械が、放送が始まると突然故障したと振り返っています。
クイズを進められないため、人間と馬が競走する企画の競馬場やミニマラソンのコースと中継をつなぎ、その間にスタッフが対応。プロデューサーらが走り回る事態になったそうです。
現在の感謝祭からは想像しにくいですが、巨大な生放送番組だけに、機械が止まれば番組全体が止まりかねません。まさに生放送ならではのトラブルでした。
島崎和歌子が放送開始に気づかず雑談
島崎さん自身にも忘れられないハプニングがあります。
同じインタビューで明かしているのが、すでに生放送が始まっていることに気づかず雑談してしまった出来事です。
隣にいたカメラマンから放送が始まっていることを知らされ、モニターを見ると、驚いている自分の姿までそのまま映っていたといいます。
収録番組なら編集できますが、「オールスター感謝祭」は生放送。一度放送されたものは取り消せません。長年番組を支えてきた島崎さんにとっても、生放送の怖さを実感した出来事だったようです。
2008年・次長課長の河本準一が「ぬるぬる相撲」で肋骨骨折
笑いでは済まない事故も起きています。
2008年3月29日の放送では、次長課長の河本準一さんが名物企画「ぬるぬる相撲」に参加。ローションを塗った土俵で相撲を取っていた際、胸を強打しました。
番組終了後に病院で手当てを受けましたが、その後も痛みが引かず、別の病院で診察を受けたところ右肋骨の骨折で全治1カ月と判明しています。
TBSも当時、安全面を考慮してリハーサルを行っていたものの、改めて安全面を確認して番組制作にあたるとのコメントを発表しました。
「ぬるぬる相撲」は感謝祭らしい体当たり企画として人気でしたが、実際に出演者が骨折する事故も起きていたのです。
2009年・島田紳助と東京03をめぐる騒動
「オールスター感謝祭」の歴史を振り返るうえで、現在まで語られることが多いのが2009年秋の東京03をめぐる騒動です。
当時MCだった島田紳助さんが、生放送中に東京03の3人に詰め寄るような場面が映り込みました。
東京03は後に、当日紳助さんへ事前に挨拶をしていなかったことが発端だったと説明しています。
ただし、当時の状況については後年さまざまな情報が加わっており、ネット上で語られる細かなやり取りまで、すべて公式に確認されているわけではありません。
2019年には角田晃広さんがテレビ東京系「ゴッドタン」で、2009年の感謝祭での出来事を自らネタにする場面もありました。
放送から長い年月がたっても記憶されている、感謝祭史でも特に有名な騒動といえるでしょう。
演出なのかハプニングなのか分からない名場面も
感謝祭には、本当の事故とは違い、番組側が仕掛けた演出によってスタジオが混乱することもあります。
その代表格がビートたけしさんでした。
2011年・ビートたけしが登場し無茶なクイズを出題
2011年秋は、それまで司会を務めていた島田紳助さんの芸能界引退後、初めて放送された「オールスター感謝祭」でした。
男性MCは今田耕司さん、田村淳さん、東野幸治さんによるリレー形式。その放送途中に登場したのがビートたけしさんです。
たけしさんは通常の感謝祭とはひと味違う独自のクイズを出題。正解そのものがなかったり、結果として全員が復活したりと、クイズ番組のルールを逆手に取った展開でスタジオをかき回しました。
その後も、たけしさんによる“乱入”は感謝祭の名物の一つになっていきます。
突然現れて番組をめちゃくちゃにしているように見えるためハプニング感はありますが、こちらは実際の放送事故とは分けて考えた方がよさそうです。
近年のオールスター感謝祭でもハプニングは続いている
番組制作の安全対策や生放送の技術が進んでも、予想外の出来事を完全になくすことはできません。
2024年・音声スタッフが階段で転倒
2024年春には、出演者ではなくスタッフにハプニングが起きました。
今田耕司さんが森香澄さんへ突然話を振ったところ、森さんにマイクを向けようと急いだ音声スタッフが階段でつまずきました。
今田さんによると2度つまずいたようで、スタジオは騒然。島崎さんも心配する様子を見せました。
幸いスタッフはOKサインを出しましたが、その一連の流れに島崎さんが笑いのツボに入り、ハンカチで涙を拭くほどに。今田さんも「仕込みじゃないです!」と説明する、生放送らしい場面になりました。
2025年・江頭2:50の出演シーンが配信版からカット
近年で特に大きな騒動となったのが、2025年3月29日の「オールスター感謝祭2025春」です。
江頭2:50さんが番組後半の企画に登場すると、解答席にいた永野芽郁さんのもとへ向かうなどしてスタジオが混乱。永野さんが涙目になる場面もありました。
その後、TVerなどの配信では江頭さんの出演部分がカットされました。
さらに番組公式側は、「番組として適切ではない点があったと判断」して配信しなかったと説明。出演者や視聴者に対して謝罪しています。
江頭さんの登場そのものは事前に告知されていたため、出演自体が突然の乱入だったわけではありません。ただ、生放送中の展開について番組側が後に謝罪し、配信を見送る事態にまで発展しました。
なぜオールスター感謝祭はハプニングまで記憶に残る?
ここまでさまざまな出来事が起きてきた背景には、「オールスター感謝祭」という番組の特殊な作りもありそうです。
大勢の芸能人が一つのスタジオに集まり、クイズだけでなく、マラソンや体を張ったゲーム、中継企画まで同時進行します。
しかも基本は長時間の生放送です。
機械の故障が起きても、出演者が予想外の行動をしても、スタッフが転んでも、その瞬間がそのまま放送される可能性があります。
一方で、ビートたけしさんのように、あえて「何が起きるか分からない」空気を作る出演者もいました。
予定通り進まないことまで含めて楽しむ雰囲気が、感謝祭独特の魅力になってきたとも考えられそうです。
1991年秋のスタートから35年。2026年10月10日の「オールスター感謝祭’26秋」は、ついに放送70回記念SPとして放送されます。
クイズシステムの故障から出演者の骨折、東京03騒動、スタッフの転倒まで振り返ると、番組の歴史は生放送ならではの予想外の出来事の歴史でもありました。
もちろん事故や出演者が不快な思いをする事態はない方がいいもの。それでも、台本だけでは作れない瞬間が生まれるのも生放送です。70回目の感謝祭では、どんな名場面が生まれるのかにも注目です。
