2025年11月に50歳を迎えたaikoさん。1998年のメジャーデビューから28年、今も恋愛ソングを歌い続けています。
「カブトムシ」「花火」「ボーイフレンド」を聴いていた頃から、ずっと変わらないように感じるaikoさん。でも、恋愛観まで昔のままなのでしょうか。
実は本人も、30代後半から40歳頃に「いつまで恋愛の曲を書いているのか」と言われた経験を明かしています。なぜ50歳になっても恋を歌うのか。その答えを本人の言葉と最新アルバムから探ります。
aikoが50歳でも恋愛ソングを歌い続ける理由
答えは、恋愛が今もaikoさんにとって新しい感情を発見できる題材だからです。
2022年のReal Soundのインタビューでは、恋愛するたびに新しい気持ちが生まれることが面白く、年齢を重ねても興味が薄れないと話しています。
恋をすると普段の自分では考えもしなかったことを考えたり、些細な一言で落ち込んだりする。そんな気持ちに年齢制限はありません。
「いつまで恋愛の曲を書くの?」と言われた過去
とはいえ、長年ずっと周囲が理解してくれたわけではありません。
同じインタビューでaikoさんは、30代後半から40歳頃には恋愛の曲をいつまで書くのかと言われていたものの、46歳頃にはほとんど言われなくなったと振り返っています。
恋愛ソングは若い人のもの、という固定観念があったのかもしれません。でも、結婚していても独身でも、人を好きになる気持ちや大切な人への思いは人生の中で続いていきます。
周囲の声に合わせてテーマを変えるより、自分の心が動くものを書き続ける。その姿勢がaikoさんらしさなのでしょう。
19歳で書いた恋愛ソングが原点
2022年のインタビューでは、19歳の頃に初めて書いた恋愛ソング「アイツを振り向かせる方法」についても語っています。
高校時代に付き合っていた相手との失恋がきっかけで生まれた曲で、のちに2000年発売のシングル「桜の時」に収録されました。
自分の心に残った恋の気持ちを曲にする。28年続く音楽活動の出発点にも、そんな等身大の感情がありました。
「カブトムシ」が古くならない理由は歌詞にもあった
1999年の「花火」「カブトムシ」、2000年の「ボーイフレンド」。aikoさんの代表曲は、発売から四半世紀以上たった今も聴かれています。
もちろんメロディーや歌声の魅力もありますが、歌詞にも見逃せない工夫があります。
「LINE」など時代を象徴する言葉をなるべく使わない
2022年のReal Soundのインタビューで、aikoさんは歌詞を書くときに携帯電話やLINEなど、その時代を象徴する言葉をなるべく使わないと説明しています。
例えば2009年の「milk」でも、携帯電話を直接名指しせず、光景を通して表現しています。
流行のサービス名を入れると、その時代らしいリアルさが生まれます。一方で、年月がたつと懐かしさが先に立つこともあります。
aikoさんの歌詞は、特定の時代の恋愛事情よりも、その場にいる人の気持ちや景色が浮かぶところが特徴です。昔の曲を今聴いても自分の経験に重ねやすいのは、こうした言葉選びも関係していそうです。
昔の歌を今のaiko自身が照れくさく感じることも
意外なのは、aikoさん自身が昔の曲と今の自分とのギャップを感じていることです。
2022年には、2000年のアルバム「桜の木の下」に収録された「Power of Love」を例に、今なら書けないと思う表現があると話していました。
ただし、歌に込めた好きという気持ち自体は今も変わっていないそうです。
つまり、恋愛の熱量はそのままでも、言葉にする方法は年齢とともに変化しているということ。28年間ずっと同じことをしているようで、実は少しずつ進化しているのです。
結婚後も変わらない?50歳のaikoが歌う恋愛
aikoさんは2021年12月、すでに結婚していたことをライブで報告しました。
結婚したら失恋や片思いの歌はどうなるのだろう、と気になった人もいるかもしれません。
でも、曲の主人公が必ずしも歌手本人の現在の恋愛状況を表しているとは限りません。過去の記憶、想像、今感じること。いろいろな感情が創作の材料になります。
恋愛観は10代と40代で確実に違う
2024年のBARKSのインタビューで、aikoさんは10代と40代では恋愛観が確実に違うと語っています。
若い頃には受け入れられなかった相手の一面を、大人になった今はかわいいと思えることもあるそうです。
恋愛への興味は変わらなくても、好きになる理由や相手を見る目は変わる。だからこそ、同じ恋愛というテーマでも新しい曲を書き続けられるのでしょう。
2026年の最新アルバムでは50歳ならではの言葉も
2026年10月21日には、17枚目のアルバム「最後に熱い日々を狂わしき想いで」を発売しました。
「シネマ」「カプセル」「Cry High Fly」「あなたの花の色」など全13曲を収録。デビュー28年目の今も、新曲を生み出し続けています。
Billboard JAPANのインタビューでは、「あなたの花の色」の歌詞について、年齢を重ねたから浮かんできた言葉かもしれないと話しています。
50歳になって自分自身と向き合うことが以前より楽しくなってきたという言葉も印象的です。
昔の自分に戻ろうとするのではなく、今の年齢だから見える景色を楽しんでいる。そんな姿勢が、現在の楽曲にも表れているのではないでしょうか。
さらに2026年10月25日公開のReal Soundのインタビューでも、新しい感情との出会いを大切にする姿勢が伝わってきます。
まとめ:aikoの恋愛ソングは変わらないのではなく進化している
aikoさんが50歳でも恋愛ソングを歌い続けるのは、若い頃の自分を演じているからではありません。恋愛に興味を持ち続け、今の自分が感じることを歌にしているからです。
「カブトムシ」を聴いていた20代の頃と、50歳の今。恋愛観も歌詞の表現も変わってきました。それでも人を好きになる気持ちをまっすぐ見つめる姿勢は変わりません。
そして聴き手の私たちも年齢を重ねています。昔は片思いの歌として聴いていた曲が、今では別の思い出と重なることもあるでしょう。
aikoさんの歌が長く愛されるのは、曲と一緒に聴き手も人生を重ねられるからなのかもしれません。
