SHEIN・Temuはなぜ安い?有害物質の危険性と買ってはいけない商品

SHEIN(シーイン)やTemu(テム)を見ていると、「どうしてこんなに安いの?」と驚くことがあります。洋服も雑貨も数百円。しかし、有害物質の検出や工場の労働環境をめぐる報道を目にすると、安さの理由が気になります。

結論からいうと、両社の安さは中国の製造網、流通の効率化、売れ筋データの活用や価格競争などによるものです。ただし、安全性は商品ごとに違います。海外の検査では、玩具や充電器、アクセサリーに実際の問題が見つかりました。

何が確認され、どんな商品に注意すべきなのか。報道と消費者団体の検査結果を分けて見ていきます。

目次

SHEIN・Temuはなぜ安い?仕組みは同じではない

SHEINは小ロット生産で売れ残りを抑える

SHEINの特徴は、流行に合わせた商品を少量から投入し、売れ行きに応じて追加生産する仕組みです。大量に作って売れ残るリスクを抑えれば、値下げ処分などの負担も軽くなります。

2026年10月27日の週刊ポスト報道では、中国・広州市の小規模工場が分業する生産体制も紹介されました。デザイン、縫製、梱包などを担う事業者が集まることで、短期間に新商品を供給できるとされています。

Temuは多くの販売者が競争する通販サイト

Temuは、多数の販売者の商品を集めるマーケットプレイスです。似た商品が並ぶことで価格競争が生まれやすく、販促キャンペーンも安さにつながっています。

つまり、SHEINとTemuを「同じ会社の同じ工場の商品」と考えるのは正確ではありません。販売者や製造元が異なれば、品質管理の状況も変わります。

低賃金や労働環境の問題は?

週刊ポストはSHEIN関連の生産拠点について、低賃金や衛生状態などを取り上げました。安さの背景を考えるうえで、製造に携わる人たちの労働条件も無視できません。

ただし、報道で紹介された現場の状況を、SHEINの全委託工場やTemuの全販売者にそのまま当てはめることはできません。低価格の仕組みと個々の工場の労働実態は、分けて検証する必要があります。

SHEIN・Temuは危険?162商品の検査結果

安さ以上に気になるのが、商品の安全性でしょう。2025年、欧州の消費者団体が両サイトで購入した玩具・USB充電器・ネックレスの計162商品を調査しました。

その結果、162商品のうち112商品がEUの安全基準や表示要件などに適合しませんでした。サイト別ではTemuの検査品の65%、SHEINの検査品の73%が不適合でした。

とくに子ども向け玩具は、SHEINで購入した27点すべて、Temuで購入した27点のうち26点が不適合。外れやすい小部品による窒息の危険などが指摘されています。

USB充電器でも過熱などの問題が確認されました。ネックレスではSHEINで購入した一部の商品から高濃度のカドミウムが見つかり、あるペンダントは素材の85%以上がカドミウムだったと報告されています。

ただし、「約7割が不適合」=「全商品のおよそ7割に有害物質がある」ではありません。表示不備なども含むうえ、調査対象は特定の3カテゴリーです。サイト内の全商品に同じ割合を当てはめることはできません。

出典:Euroconsumersの検査報告

Temuに2億ユーロの制裁金!何が問題だった?

2026年5月28日、欧州委員会はTemuに対して2億ユーロの制裁金を科したと発表しました。

理由は、EUのデジタルサービス法に基づき、違法商品の流通によるリスクを十分に特定・分析・評価していなかったためです。欧州委員会は独自の調査でも、充電器や乳幼児向け玩具に安全上の問題を確認しています。

ここで注意したいのは、制裁の対象がプラットフォームのリスク評価義務への違反だということ。Temuの商品がすべて危険だと認定されたわけではありません。

出典:欧州委員会の公式発表

SHEIN・Temuで買ってはいけないものは?

両サイトで販売されるすべての商品が危険というわけではありません。ただし、万一の不具合が健康被害や事故につながるものは、特に慎重に選びたいところです。

子どもの玩具・ベビー用品

小さな子どもは玩具を口に入れることがあります。部品の脱落、窒息、化学物質などのリスクを考えると、製造者や対象年齢、安全基準への適合が確認できない商品は避けるのが無難です。

USB充電器・モバイルバッテリー

充電器などの電気製品は、発熱・感電・発火のリスクがあります。日本でPSE表示が必要な対象製品では、必要な表示や事業者情報を確認しましょう。PSEマークだけで事故が絶対に起きないと保証されるわけではありません。

アクセサリー・化粧品

肌に直接触れるネックレスや指輪は、素材や販売者の情報を確かめたい商品です。化粧品も成分表示や製造販売元などを確認し、情報が不十分な商品には注意しましょう。

収納用品やインテリア雑貨なら大丈夫?

電気を使わず、口に入れず、食品にも直接触れない雑貨は、用途によってはリスクを抑えて選びやすいでしょう。ただし、安全性が保証されるわけではありません。素材や寸法、販売者、レビューを確認することが大切です。

また、レビューの星の数だけで化学物質や電気安全性まで判断することはできません。安さと安全性は別のものとして考えたいですね。

まとめ|安さの理由と安全性は分けて考えよう

SHEINとTemuの激安価格には、効率的な生産・流通や販売者間の競争などの背景があります。一方、海外の検査で玩具、充電器、アクセサリーに問題が見つかったのも事実です。

「中国製だから危険」「安いものは全部危険」と決めつける必要はありません。しかし、子ども用品や電気製品などは、価格だけでなく、安全基準への適合や販売者情報を優先して選びたいところです。

数百円の節約が、思わぬ事故やトラブルにつながってしまっては、かえって高くつきます。買う前に少しだけ立ち止まって、商品情報を確認することが大切です。

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