紅茶と緑茶、健康のために飲むならどちらがいいのでしょうか。2026年10月21日に発表された約48万6000人の研究では、紅茶の方が緑茶よりも、血管の病気のリスク低下と一貫した関連が見られました。
一方で「やけどするほど熱いお茶」を飲む人には、逆にリスクが高い傾向も。お茶は種類だけでなく、温度や濃さ、飲む量にも注目した方がよさそうです。
ただし、紅茶が緑茶より優れていると証明されたわけではありません。研究の数字と、毎日の生活に取り入れる際の注意点を整理します。
紅茶と緑茶はどっちが健康にいい?48万人の研究結果
結論からいうと、今回の研究では紅茶の方が、より多くの血管疾患でリスク低下との関連が見られました。しかし緑茶にも良い傾向があり、健康のために無理に飲み替える必要はありません。
研究は中国の「China Kadoorie Biobank」に参加した成人48万5934人を対象に実施されました。平均約9.05年間の追跡で、血管疾患の発症は1万4863件確認されています。
週3日以上お茶を飲む習慣のある人は、飲む頻度が低い人と比べ、血管疾患のリスクが約11%低いという関連が見られました。年齢や喫煙、運動など複数の条件を考慮した分析です。
ここでいう「11%低い」は相対的なリスクの差です。お茶を飲めば誰でも病気になる確率が11ポイント下がる、という意味ではありません。
紅茶が緑茶より良い結果だった理由は?
紅茶も緑茶も、原料は同じチャノキの葉です。緑茶は茶葉の酸化を抑えて作るのに対し、紅茶は酸化を進めるため、含まれるポリフェノールの種類や割合が異なります。
緑茶にはカテキン類、紅茶にはテアフラビン類などが含まれています。これらの成分は血管の働きとの関係が研究されていますが、今回の調査で紅茶が良い結果だった理由を特定できたわけではありません。
そもそも紅茶を好む人と緑茶を好む人では、食生活や収入、運動習慣なども違うかもしれません。英国の研究者は、紅茶に関する目立った結果は今後の検証が必要だと指摘しています。
つまり、緑茶派の人が急いで紅茶派になる必要はないのです。
熱いお茶は危険?血管疾患リスク16%上昇の意味
今回の研究でもう一つ話題になったのが、お茶の温度です。「やけどするほど熱いお茶」を好む人は、日常的にお茶を飲まない人に比べ、血管疾患のリスクが約16%高いという関連が見られました。
お茶を飲む習慣全体ではリスクが低い傾向だったのに、熱すぎるお茶では反対の結果になったのです。
何度以上が危険なの?
ただし、研究者が実際に飲み物の温度を測ったわけではありません。参加者に「やけどするほど熱い」など、普段の飲み方を申告してもらった調査です。
そのため、この研究だけで「何度以上なら心臓に悪い」と決めることはできません。熱いお茶が直接病気を引き起こすと証明されたわけでもありません。
非常に熱い飲み物を繰り返し飲む習慣については、以前から食道がんとの関連も指摘されています。急いで熱々のお茶を飲むより、無理なく口に含める温度まで冷ますのがよさそうです。
濃いお茶ほど健康にいいわけではない
お茶の濃さについては、適度な濃さのものが低いリスクと関連していました。
健康に良さそうだからといって、茶葉を大量に使えば効果が増すとはいえません。濃いお茶はカフェインの摂取量が増えることもあるため、無理に濃くする必要はないでしょう。
お茶は1日何杯が適量?6〜8杯を目指すべき?
研究では、週1回以上お茶を飲む人のうち、1日約6〜8杯の人で血管疾患の推定リスクが最も低い傾向でした。
とはいえ、毎日8杯を目標にするのは早計です。カップの大きさは統一されておらず、お茶を飲む量も自己申告。論文の著者や英国心臓財団の専門家は、6〜8杯を推奨量として解釈しないよう注意しています。
紅茶や緑茶のカフェインにも注意
紅茶にも緑茶にもカフェインが含まれます。紅茶約240mlに含まれるカフェインは一般に30〜50mg程度ですが、茶葉や抽出方法によって変わります。
カフェインの取りすぎは、眠れない、動悸がするなどの不調につながる場合があります。コーヒーやエナジードリンクも飲む人は、合計の摂取量に気をつけたいところです。
妊娠中の人やカフェインに敏感な人、持病がある人は特に注意が必要です。
砂糖入りの紅茶やミルクティーでもいい?
紅茶が健康に良いと聞くと、甘いミルクティーでも同じなのか気になりますよね。
今回の研究は、砂糖や牛乳を加えた場合の効果を詳しく比較したものではありません。ただし、砂糖をたくさん入れれば糖分やカロリーも増えます。日常的に飲むなら無糖を基本にするとよさそうです。
もちろん、たまに甘いミルクティーを楽しむことまで我慢する必要はありません。
結局どう飲むのがいい?研究から考える5つのポイント
今回の結果を日常生活に当てはめるなら、次のような飲み方が無理のない選択です。
- 紅茶と緑茶は好きな方を選ぶ
- やけどするほど熱いお茶は冷まして飲む
- 無理に濃くしたり大量に飲んだりしない
- 普段は無糖のお茶を選ぶ
- ほかの飲み物も含めカフェイン量を意識する
研究では、お茶を習慣的に飲み、喫煙せず、身体活動量が多い人たちで最も低いリスクが見られました。
ただし、これは中国で実施された観察研究です。日本人にも同じ数字が当てはまるとは限らず、お茶を飲むことで病気を予防できると証明されたものでもありません。
心臓や血管の健康を考えるなら、お茶の種類以上に、禁煙、運動、血圧やコレステロールの管理などが大切です。
緑茶が好きなら緑茶を、紅茶が好きなら紅茶を。熱すぎない温度で、無理なく楽しむのが一番続けやすい飲み方かもしれません。