きぬた歯科の看板はなぜ多い?広告費と報ステ騒動の真相

首都高や幹線道路で、ピンクや黄色の背景に院長の顔が大きく写った「きぬた歯科」の看板。なぜ八王子の歯科医院が、あれほど遠くまで広告を出しているのでしょうか。

理由は意外にも堅実です。患者の来院経路を調べたところ、当時はネット広告とほぼ同じ集客効果を、看板なら約16分の1の費用で得られたのです。そこから看板を増やし、今ではSNSでも話題になる存在になりました。

2026年10月には「報道ステーション」に看板の一部が映ったことをめぐる投稿も注目されています。看板を増やしたきっかけから年間広告費、最近の話題まで見ていきます。

目次

きぬた歯科の看板はなぜ多い?ネット広告から転換した理由

きぬた歯科は東京都八王子市、西八王子駅前にある歯科医院です。院長はきぬた泰和(きぬた・やすかず)さん。看板の数に反して、首都圏に何十もの分院を構えているわけではありません。

大きな転機は2012年。インプラント治療の事故を扱ったテレビ報道の影響で患者が減ったと、院長はマイナビ転職のインタビューで振り返っています。

そこで過去の来院アンケートを分析。ネット広告と看板広告では来院につながった人数がほぼ同じだったのに、看板にかけていた費用はネットの16分の1程度だったそうです。これは当時の同院の実績であり、どの医院でも同じ結果になるという意味ではありません。

それまで力を入れていたネット広告から、看板に予算を振り向ける決断をしました。派手な見た目とは裏腹に、出発点は数字に基づく広告の見直しだったのです。

看板は何枚ある?八王子から伊勢まで広がった

2023年の自動車メディアの取材では、院長は当時の設置数を約270か所と説明。一方、2024年の報道では340か所以上、2025年のABEMA TIMESでも300枚以上と紹介されています。時期によって数は変わりますが、数百枚規模であることは共通しています。

設置エリアは東京近郊にとどまらず、栃木県や三重県伊勢方面にも及びます。「八王子の歯医者なのに、どうしてここに?」と感じる場所にあるのも、記憶に残る理由でしょう。

広告費は年間いくら?顔写真と派手な色の狙い

2024年の日刊SPA!で院長らは、看板広告に年間約2億円をかけていると説明しました。同年の「月曜から夜ふかし」では年間3億円という数字も紹介されています。2025年のABEMA TIMESでは広告費約2億5000万円、売上約18億円と報じられました。

取材時期や広告費の対象範囲が異なるため、これらを同じ年度の確定額として比較することはできません。それでも、数億円規模の広告投資を続けていることが分かります。

なぜ院長の顔があんなに大きい?

看板の特徴は、歯の写真よりも院長の顔と医院名を前面に出していること。車で通り過ぎる一瞬でも印象に残りやすく、同じ顔を繰り返し見るうちに名前を覚えてしまいます。

院長は2024年のマイナビ転職の取材で、他院の似た看板を見た人が、きぬた歯科の広告だと思って来院する例まであると話しています。真似されるほど認知が広がったという、少し不思議な現象です。

さらに銚子電鉄の「ぬれせんべい」とのコラボ看板など、広告そのものを楽しめる企画も登場しました。看板が写真に撮られ、SNSに投稿されれば、実際にその道を通らない人にも名前が届きます。

報道ステーションへの不満投稿は何があった?

2026年10月には、テレビ朝日系「報道ステーション」で映った設備をめぐり、きぬた歯科のX投稿が話題になりました。

話題の中心は、きぬた歯科の広告と組み合わせた気温表示の設備。番組の映像に設備は映ったものの、医院名が十分に映らなかったとして、公式アカウントが不満を示したとネット上で伝えられています。特注設備に約400万円をかけたという話も広まりました。

ただし、放送映像の編集意図まで分かるわけではありません。テレビ局が故意に医院名を隠した、と決めつけるのは早計です。

むしろ興味深いのは、看板の名前が画面に映らなかったこと自体が話題になった点。看板が広告としてだけでなく、SNSで語られる「ネタ」にもなっていることがよく分かります。

看板を出すだけでなく、話題になることにも価値がある

通常の看板広告は、現地を通った人に見てもらうものです。しかし、きぬた歯科の看板は「見つけた」「こんな場所にもあった」と写真が共有されることがあります。

院長自身も2024年の日刊SPA!で、看板をネットと結びつく広告手段として捉えていました。道路上の広告が、SNSを通じて別の場所の人にも届く。これはきぬた歯科の大きな強みといえそうです。

まとめ|派手な看板の裏には集客データと遊び心があった

きぬた歯科が看板を大量に出すようになったきっかけは、ネット広告より費用対効果が高いと分かったことでした。顔を大きく載せ、何度も目に入る場所に設置することで、医院名を覚えてもらう戦略です。

今では広告そのものがSNSで話題になり、思わぬところまで名前が広がっています。報道ステーションをめぐる一件も、その象徴のような出来事でした。

「またきぬた歯科の看板だ」と思った時点で、すでに広告の狙いに乗っているのかもしれません。

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