天気予報は無料なのに売上244億円!ウェザーニューズは誰から稼ぐ?

天気予報はスマホで無料で見られる。それなのに「ウェザーニュース」を運営するウェザーニューズは、2026年5月期に売上高244億7900万円を記録しました。

いったい誰がお金を払っているのでしょうか。答えは、広告主や有料会員だけではありません。船会社や航空会社など、天候によって事業のコストや安全性が左右される企業も大切な顧客です。

目次

無料の天気予報で稼げる理由は?

ウェザーニューズの収益を理解するポイントは、無料アプリの広告、有料会員の月額料金、企業向け気象サービスの契約料です。

無料アプリには広告を掲載できます。気温や天候、花粉情報に応じた広告を配信できるため、例えば暑い日の飲料や寒い日の鍋料理など、生活場面に合う宣伝が可能です。無料で天気を見る人も、広告を通じて収益を支えているわけです。

一方、詳しい予報や追加機能を求める利用者には有料サービスを提供しています。無料で使える入口を広く設け、必要な人に追加機能を販売する形です。

ただし、年間売上の大半が無料アプリの広告収入というわけではありません。事業の大きな特徴は、法人向けサービスにもあります。

船や飛行機はなぜ天気予報にお金を払う?

普段の天気予報なら、雨が降るかどうかを知れば十分という人も多いでしょう。しかし海を渡る船では、波や風の状況によって航路や燃料消費、安全性が変わります。

ウェザーニューズは海運会社に気象・海象情報を使った航路選定などの支援を提供しています。悪天候を避け、効率的な運航を考えるための情報には、企業がお金を払う価値があります。

航空会社も同様です。雷雨や強風は運航判断に関わり、遅延や欠航にもつながります。鉄道、物流、建設現場などでも、天候を事前に把握することは安全対策や業務計画に欠かせません。

2026年5月期の継続売上を事業領域別に見ると、海運関連が約63億2400万円、航空関連が約15億2300万円、陸上関連が約71億1100万円、インターネット関連が約85億9400万円でした。これらに単発売上約9億2500万円を加えたものが、年間売上の全体像です。

海運・航空・陸上関連の継続売上は合計約149億5800万円。テレビやスマホで見る天気予報のイメージだけでは分からない、法人向け事業の大きさが見えてきます。

なお、インターネット関連の売上は広告収入だけを示す数字ではありません。事業領域別の数字をそのまま「アプリの広告収入」と読むのは誤りです。

ウェザーニュースLiVEも収益につながる?

YouTubeなどで配信される「ウェザーニュースLiVE」は、気象情報だけでなくキャスターのトークや視聴者との交流でも知られています。

こうした無料配信は、天気に関心を持つ人との接点を広げる役割があります。企業とのタイアップや番組内での商品紹介など、広告媒体として活用できるのも特徴です。

ただし、番組単独の広告収入やタイアップ収入が年間いくらなのかは、確認できる決算資料で独立した金額として示されていません。「YouTubeだけで何億円稼いでいる」といった推測は避けたいところです。

ウェザーニュース公式YouTubeチャンネル

売上244億円の会社は今も成長している?

2026年5月期の連結売上高は244億7900万円、営業利益は52億4400万円。営業利益率は約21.4%でした。気象情報を継続的に提供する契約が多く、ストック型の売上が大きな割合を占めています。

ただし、最新の四半期決算は増収減益です。2026年10月8日に発表された2027年5月期第1四半期の売上高は63億3800万円で前年同期比5.5%増。一方、営業利益は8億9200万円で2.2%減でした。

通期の会社予想は売上高258億円、営業利益54億円です。売上の成長がそのまま毎期の利益増につながるとは限りませんが、会社は引き続き増収を見込んでいます。

無料の天気予報の裏側には、広告を見る利用者、詳しい情報を買う有料会員、そして気象情報を事業に役立てる企業という複数の顧客がいます。

私たちが明日の傘を考える一方で、船会社は航路を、航空会社は運航を、建設会社は現場の安全を考えている。同じ「天気」でも、使い方が変われば情報の価値も大きく変わるのです。

参考:ウェザーニューズ公式サイト、2027年5月期第1四半期決算短信、ウェザーニュース広告サービス

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