ダウンタウンへの批判が、以前より目につくようになりました。2026年10月には有料配信サービス「DOWNTOWN+」の1周年企画が発表され、浜田雅功さん出演のドラマ『ADブギ』も配信開始。一方、SNSには現在のダウンタウンの見せ方に疑問を投げかける声もあります。
ただ、批判の理由を「松本人志さんの騒動」だけで片づけると、見落とすものがあります。昔から好きだったからこそ物足りない。2人で笑わせてほしい。かつての「天才」というイメージを、今も前面に出す必要があるのか。そこには、ファンの複雑な思いも透けて見えます。
ダウンタウンへの批判はなぜ出る?「天才」のイメージが変わった
かつて権威を壊した2人が、今は権威として見られる
今回話題になったX投稿の一つには、ダウンタウンが今も「天才」の雰囲気を出そうとしているのではないか、という趣旨の批判がありました。投稿者は宮迫博之さんのように、がむしゃらに活動する姿勢を評価しています。
もちろん、これは一人の投稿者の見方であって、世論全体を代表するものではありません。それでも、ダウンタウンが置かれた立場の変化を考える手がかりにはなります。
1980年代から90年代にかけて、ダウンタウンの魅力は既存のお笑いの約束事を崩すところにありました。松本さんの予想外の発想と、浜田さんの容赦ないツッコミ。先輩や大物にも遠慮しない姿は、テレビの空気そのものを変えていきました。
ところが長く第一線に立つうちに、今度は2人が「お笑い界の大御所」と呼ばれる存在になりました。かつて権威を笑い飛ばした人が、後輩から尊敬され、周囲に気を遣われる側になる。これは長年成功した芸人ならではの難しさでしょう。
実績があることと、現在の企画が面白いことは別です。過去の功績を知っている人ほど「もっと驚かせてくれるはず」と期待するため、その期待に届かないときの反応も厳しくなるのかもしれません。
松本人志の活動再開に、今も賛否がある
もう一つの背景は、松本さんをめぐる週刊文春の報道です。2023年末に女性との会合をめぐる疑惑が報じられ、松本さんは2024年1月から芸能活動を休止しました。
松本さんは報道によって名誉を傷つけられたとして文藝春秋側を提訴しましたが、2024年11月に訴えを取り下げ、訴訟は終結。代理人を通じて、強制性の有無を直接示す物的証拠はないことなどを確認したと説明し、会合に参加した女性が不快な思いをしていたのであれば謝罪するというコメントを公表しています。
ここで大切なのは、訴訟の取り下げによって報道内容の真偽が裁判所に認定されたわけではない、という点です。
2025年11月に「DOWNTOWN+」で活動を再開した松本さんを歓迎する人がいる一方、説明や復帰のあり方に疑問を持つ人もいます。番組の面白さを評価することと、一連の経緯に納得することは、必ずしも同じではありません。
ファンが厳しいのは、ダウンタウンへの期待が大きいから?
「松本と浜田が並ぶ姿」を見たい
「DOWNTOWN+」は2025年11月1日に始まった有料配信サービスです。松本さんの新企画や過去作品などを届けてきましたが、長年のファンが特に期待しているのは、やはりダウンタウンの2人がそろう場面ではないでしょうか。
松本さんがひと言つぶやき、浜田さんがすかさず反応する。何気ない会話が笑いに変わる、あの距離感です。2人がそれぞれ活躍することと、コンビで新しい笑いを生み出すことには、別の魅力があります。
だからこそ、個々のコンテンツが増えても「2人の新作が見たい」という不満は残り得ます。これは単純なファン離れというより、好きだったものがまだ十分に戻ってきていない、という感覚に近いのかもしれません。
有料だからこそ、期待と評価がシビアになる
配信サービスでは、視聴者が自分のお金を払って見るかどうかを決めます。テレビで偶然見かける番組とは違い、「料金に見合う楽しさがあるか」を意識しやすい仕組みです。
「DOWNTOWN+」の会員数や売上が気になる人は、関連記事「ダウンタウンプラスの会員数は現在何万人?売上・収益と解約状況を調査」も参考にしてください。公開されている数字と、推測で語られがちな数字を整理しています。
もちろん、テレビ局の編成に縛られず新しい企画に挑戦できることを歓迎する声もあります。満足度は「懐かしい作品を楽しみたいのか」「松本さんの新しい笑いが見たいのか」「2人の共演が最優先なのか」で大きく変わりそうです。
宮迫博之と比較されるのはなぜ?
批判投稿に宮迫博之さんの名前が出たのも興味深いところです。宮迫さんはテレビの第一線を離れた後、YouTubeなどで活動を続けてきました。そこにも賛否はありますが、投稿者が評価しているのは、かつての肩書きだけに頼らず、自分の活動を積み重ねる姿なのでしょう。
今はスターが遠い存在であることより、試行錯誤する姿が見えることに親近感を抱く人もいます。完成された「天才」を見せるより、失敗を含めて挑戦する過程が支持される。そんな視聴者の価値観の違いが、今回の反応にも表れているのかもしれません。
ただし、ダウンタウンが挑戦していないという意味ではありません。有料配信への進出自体、新しい試みです。問われているのは、その挑戦が視聴者にどう伝わっているかでしょう。
宮迫さんの現在については「宮迫博之が地上波テレビに戻れない理由は?吉本との関係と本人の本音」でも詳しく取り上げています。
「DOWNTOWN+」2年目は批判を変えられるか
『ADブギ』配信と浜田雅功のバンドライブ
2026年10月16日、吉本興業は「DOWNTOWN+」1周年企画の第2弾を発表しました。浜田さん初の単独バンドライブの開催に加え、松本さんのコント『佐助 SASUKE』『Zassa ザッサー』や、浜田さん出演の懐かしいドラマが配信ラインアップに加わります。
10月19日には1991年のドラマ『ADブギ』の配信が始まり、10月26日には『AD・リターンズ』も予定されています。往年のファンにはうれしい企画でしょう。
ただし、『ADブギ』の配信そのものに批判が集中していると確認されたわけではありません。SNSで見られるダウンタウン全体への批判と、個別作品の評価は分けて考える必要があります。
求められるのは過去の再現より、今の2人にしかできない笑い
吉本興業は2年目の展開として、浜田さん出演の新コンテンツや、Netflixと同時配信する松本さんプロデュースの大型企画なども予告しています。
過去の人気番組をそのまま復活させることだけが正解ではないはずです。年齢も立場も変わった2人が、今だからこそ生み出せる笑いもあるでしょう。
一方で、2人がそろえばすべての批判が消えるとも限りません。活動再開への賛否と、コンテンツへの評価は別の問題だからです。
ダウンタウンへの厳しい声には、以前から反発していた人の意見もあれば、好きだったからこその失望や期待もあります。SNSの目立つ投稿だけで「ファンが大量に離れた」と断定するのは早計でしょう。
かつて、テレビの常識をひっくり返してきたダウンタウン。今必要なのは「天才だった」と思い出してもらうことではなく、新しい企画を見た人が思わず「やっぱり面白い」と口にする瞬間なのかもしれません。
その瞬間が2年目の「DOWNTOWN+」で生まれるのか。批判の数だけでなく、これから何を見せてくれるのかに注目したいところです。
