Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんと、Mr.Childrenの桜井和寿さん。どちらも高音が印象的なボーカリストですが、聴き比べると歌声の表情はかなり違います。
大森さんは透明感のある高音と目まぐるしく変わる声色。桜井さんは少しかすれた声と、言葉を語りかけるような歌い方が魅力です。
しかも桜井さんは2026年3月のテレビ番組で、大森さんのような声を出してみたいと語っていました。2人の歌唱法の違いを、実際の楽曲を手がかりに見ていきましょう。
大森元貴と桜井和寿の歌唱法は何が違う?
一番の違いは、高音の「聴こえ方」と言葉の届け方です。
大森さんは高い音域でも声の質感を細かく変え、柔らかい響きから鋭い響きまで行き来します。桜井さんは声のざらつきや語尾の揺れを生かし、サビに向かって感情があふれるように歌います。
ただし、これは楽曲から受ける聴感上の特徴。2人がどの筋肉をどう使っているかを、音源だけで決めつけることはできません。
大森元貴の高音はなぜ軽やかに聴こえる?
地声と裏声の境目を感じさせない声色
大森さんの歌声で驚かされるのは、高い音が出ることだけではありません。強く張るような声から、息を含んだ柔らかい声まで、ひとつの曲の中で表情が変わります。
こうした歌い方を説明する際によく登場するのが「ミックスボイス」と「ファルセット」です。ミックスボイスは地声と裏声の間を滑らかにつなぐような発声を指すことが多く、ファルセットは柔らかい裏声の響きを表す言葉として使われます。
ただ、ミックスボイスの定義は指導者によっても異なります。大森さん自身の発声を、特定の技法だけで説明しきれるわけではありません。
「ライラック」は高音だけでなくリズムも難しい
「ライラック」は、大森さんの歌唱の忙しさがよく分かる曲です。テンポよく言葉を運びながら、音程が細かく動き、サビでは高い音域が続きます。
カラオケで挑戦すると、音程に気を取られてリズムが遅れたり、息継ぎの場所に迷ったりしがち。さらっと歌っているように聴こえるところが、実は難しいのです。
「Soranji」は繊細さと力強さの対比
一方の「Soranji」では、静かに言葉を置くような場面から、感情を大きく広げる場面へと歌声が変化します。
同じ大森さんでも「ライラック」とは印象がまるで違います。声の高さ以上に、楽曲ごとの表現の幅が魅力だと感じます。
桜井和寿の歌声はなぜ心に残る?
ハスキーな響きと、語りかけるような歌い方
桜井さんの声には、少しざらっとした独特の響きがあります。「Tomorrow never knows」や「名もなき詩」を聴くと、出だしから桜井さんだと分かる人も多いのではないでしょうか。
特徴的なのは、歌詞をきれいに並べるだけではなく、話しかけるように言葉を届けるところ。音の伸ばし方や語尾の揺らし方にも、その曲ならではの感情がにじみます。
ハスキーな声だから喉を傷めている、というわけではありません。声質の印象と実際の声帯の健康状態は別の話です。
「HANABI」「Sign」で聴きたい感情の変化
「HANABI」は、抑えた歌い出しからサビで大きく広がる歌声が印象的。「Sign」では、柔らかいフレーズの中にも桜井さんらしい切実さが感じられます。
音程を合わせて歌うことと、桜井さんらしいニュアンスを再現することは別の難しさがあります。カラオケで歌ってみると、その差を実感するかもしれません。
桜井和寿は大森元貴の歌声を研究していた
2026年3月22日放送のMBS・TBS系「日曜日の初耳学」で、桜井さんは今も歌唱を研究し、練習を続けていると明かしました。
その中で名前を挙げたのが、B’zの稲葉浩志さん、ONE OK ROCKのTakaさん、そしてMrs. GREEN APPLEの大森元貴さんです。
優れた歌声を聴くと、自分もあんな声を出してみたいと思うのだそう。さらに、吉田拓郎さんのように言葉が伝わるボーカリストにも憧れると語っています。
高い歌唱能力への憧れと、歌詞を届けることへのこだわり。その両方を大切にしているのが、いかにも桜井さんらしいところです。
この発言は、桜井さんが大森さんと同じ発声法を使っているという意味ではありません。世代の違うボーカリストの声からも学ぼうとしている、という話です。
桜井さんが大森さんを挙げた経緯や、ほかのアーティストからの評価は、ミセスを桜井和寿も研究!大物歌手が驚いた大森元貴の才能でも紹介しています。
ハイラリンクスとは?高音が出やすく喉に優しいの?
大森さんの高音をめぐって、SNSでは「ハイラリンクス」という言葉も見かけます。
ハイラリンクスは、喉頭が比較的高い位置にある状態を指す言葉です。喉頭の位置は、歌う音程や母音、声の響かせ方などによって変わります。
ただし、喉頭が高いから必ず高音が楽に出る、あるいは喉への負担が少ない、という単純な話ではありません。声帯の使い方や呼気、周囲の筋肉の緊張なども関係します。
また、大森さんが実際にどの程度喉頭を上げているのかは、公開音源から正確に測れるものではありません。
歌声をまねするときも、喉を無理に持ち上げたり、痛みを我慢して高音を出したりするのは避けたいですね。
カラオケで難しいのは大森元貴と桜井和寿のどっち?
大森さんの曲は、高音の連続に加え、細かい音程の移動、速い言葉、声色の切り替えが難所です。「ライラック」では特にリズムと息の配分が重要になります。
桜井さんの曲は、音程だけでなく言葉の置き方が難しいタイプ。「HANABI」ではサビの高音、「名もなき詩」では言葉の多いフレーズと勢いの両立が求められます。
どちらが難しいかは歌う人の音域や得意な声質次第。原曲キーが苦しいときはキーを下げ、自分の声で自然に歌えるところから始めるのがおすすめです。
まとめ|高音の美しさも、言葉の伝わり方も違う
大森元貴さんは、幅広い声色と滑らかな高音の変化。桜井和寿さんは、独特の声質と歌詞に感情を乗せる表現が印象的です。
そして桜井さんは、大森さんのような声を出してみたいと語るほど、今も歌唱を研究しています。
「ライラック」と「HANABI」、「Soranji」と「Sign」を聴き比べると、2人がそれぞれの方法で曲の世界を届けていることが、いっそう感じられそうです。
