X JAPANのYOSHIKIさんの弟・林光樹さんは、2022年にエクスタシーレコードの再始動を発表しました。2023年にはクラウドファンディングで約3,060万円を集めましたが、その後はどうなったのでしょうか。
2026年現在の活動や会社の実績、再始動した理由、YOSHIKIさんとの関係、当時のミュージシャンたちの反応まで、確認できる情報を整理しました。
YOSHIKIの弟・林光樹は現在何をしている?
林光樹さんは、2026年現在も株式会社エクスタシーレコードの代表取締役として公式サイトに名前が掲載されています。
元俳優で、2000年のドラマ「やまとなでしこ」などに出演。その後はYOSHIKIさんの所属事務所で長年マネジメント業務に携わってきた人物です。
2022年にレコード会社の再始動を発表して以降は、会社経営のほか、自身のYouTubeやSNSでも発信を続けています。ただし、近年の音楽事業の具体的な成果は公開情報からは限られています。
2023年に約3,060万円を集めて再始動
林さんが注目されたのは、2022年12月に始まったクラウドファンディングでした。目標金額は3,000万円。2023年1月31日の終了直前に目標を達成し、最終的に3,060万円を集めました。
再始動にあたって掲げた主な計画は、次の3つです。
- 過去に所属したアーティストの音源を世界配信する
- 新人アーティストを発掘・育成する
- 音楽イベント「EXTASY UNLIMITED」を開催する
かつてXやLUNA SEAなどを送り出したレーベルの復活だけに、期待したファンもいたことでしょう。一方、集まった3,060万円は事業のための支援金であり、会社の利益や林さん個人の収入を意味するものではありません。
なお、2023年4月には返礼品に関する進捗報告が掲載されていますが、全支援者への発送完了までは確認できませんでした。未発送だったと断定できる情報もありません。
実際にどんな活動をした?
再始動後、具体的な動きが確認できるのは主に2023年です。新レーベル「EXTASY BEYOND」を立ち上げ、ちぃたん☆KISS〜愛のROCK BAND〜を第一弾アーティストとして発表しました。
続いて2023年4月には、姉妹によるツインボーカルユニット「S.I.S」の活動開始を発表しています。
また、2023年5月4日には東京・なかのZERO大ホールで「EXTASY UNLIMITED 2023〜温故知新〜Vol.00」を開催しました。ちぃたん☆KISSなどが出演し、再始動後の活動として実際にライブイベントを実現しています。開催後にはライブ写真を交えた報道もありました。
ただし、観客動員数やイベントの収支については公表情報を確認できませんでした。
2024〜2026年の業績や収入源は?
2024年以降も林さん個人によるYouTubeやSNSでの発信は確認できます。一方、会社の公式サイトでは、NEWS欄の掲載記事が2023年7月で止まっています。
2024〜2026年の新たな所属アーティスト、音源発売、主催イベントなどについては、確認した公式情報だけでは継続的な実績を把握できませんでした。
なお、会社が2023年に発表した「S.I.S」と、後年に日本コロムビアから作品を発売している「sis」は、名前が似ていますが、同一グループと確認できないため混同には注意が必要です。
売上高や利益、林さんの役員報酬も公表情報では確認できません。つまり、会社が現在も存在していることは確認できるものの、音楽事業がどの程度の規模で続いているのかは不明です。活動実績が見えにくいことと、事業を行っていないことは同じではありません。
エクスタシーレコードはなぜ再始動した?母親から引き継いだ経緯
そもそもエクスタシーレコードは、YOSHIKIさんが1986年に立ち上げたインディーズレーベルです。Xの「オルガスム」やアルバム「VANISHING VISION」を発売し、LUNA SEA、LADIESROOMなど数々のロックバンドと関わってきました。
1988年から1992年には所属アーティストが集まる「EXTASY SUMMIT」も開催。日本のヴィジュアル系ロックの歴史を語るうえで欠かせない存在となりました。
ただ、YOSHIKIさんの活動拠点が海外へ移ったことなどもあり、2002〜2003年ごろからインディーズレーベルとしては事実上の活動休止状態になります。
母親はどんな会社を経営していた?
意外なのは、会社の前身が音楽とは異なる事業だったことです。2023年のENCOUNTの取材によると、林家の母・林千惠子さんは1972年に呉服店を立ち上げていました。その会社が後に商号を変更し、エクスタシーレコードの運営に使われるようになったと説明されています。
つまり、もともと母親が創業した会社と、YOSHIKIさんが1986年に始めた音楽レーベルには、それぞれの歴史があるのです。母親は長年会社を支え、2022年5月に亡くなりました。
なお、林さんは母親の生前から会社の役員として関わっており、共同代表を務めていたと説明しています。母親の死後に初めて会社経営に関わったわけではありません。
ただし、音楽レーベルが活動を休止していた時期に、会社が具体的にどのような事業で収益を得ていたのかは確認できません。
母親の遺志で再始動したという説明は本当?
林さんは2022年11月のスポニチの取材で、母親から会社を任されたことや、SNSでファンから復活を望む声が寄せられたことを再始動の理由として語っています。
また、2023年1月のENCOUNTのインタビューでは、母親からエクスタシーレコードについて「頼むよ」と言われていたと証言しました。母親の死後に大きな喪失感を抱え、SNSで過去のエクスタシーレコードについて発信し始めた経緯も説明しています。
本人の説明では、母親から託された会社を守り、ファンの声を受けて新たな活動を始めたという流れです。
ただし、母親が「会社を存続させてほしい」と考えていたのか、「積極的に音楽事業を再開してほしい」と望んでいたのかは、区別する必要があります。母親本人が新規アーティストの育成や音楽フェスの開催まで希望していたことを示す独立した資料は、確認できませんでした。
そのため、再始動の具体的な事業計画まで母親の意思だったと断定することはできません。
YOSHIKIと弟・林光樹の関係は?再始動に兄は関わっていた?
林さんは2003年ごろからYOSHIKIさんの事務所スタッフとして働き、兄の活動を裏方から支えてきました。長年仕事をともにしてきた兄弟ですが、エクスタシーレコードの再始動については、少し事情が異なります。
再始動時にYOSHIKIから返答がなかった
2022年12月17日、林さんはクラウドファンディングの公式活動報告で、YOSHIKIさんとの関係について説明しています。
それによると、株式会社エクスタシーレコードには「林佳樹」という本名でYOSHIKIさんが取締役として登記されている一方、アーティストとしての協力を依頼したものの、当時は返答を得られていなかったとのことです。
ここで重要なのは、会社の取締役として登記されていることと、再始動プロジェクトにアーティストとして参加することは別だという点です。
林さん側の説明からは、少なくとも2022年12月時点でYOSHIKIさんの積極的な参加が決まっていなかったことが分かります。ただし、YOSHIKIさんが再始動に反対していたとまでは確認できません。
2026年現在、兄弟は不仲なのか
林さんはYOSHIKIさんや家族に関する内容をSNSなどで発信しています。一方で、2026年現在の兄弟間の具体的な仕事上の関係や、エクスタシーレコードへのYOSHIKIさんの関与状況は明らかになっていません。
かつてのようにマネジメント業務をともにしているのかも確認できませんでした。兄弟の間に距離があるように見える場面はありますが、それだけで絶縁や決定的な不仲を断定することはできません。
元所属バンドや関係者は再始動をどう見ていた?
エクスタシーレコードの再始動に対しては、歓迎する声だけでなく、かつてのレーベルを知るミュージシャンから慎重な反応も出ていました。
LADIESROOMのGEORGEはタイミングに疑問
特に注目されたのが、LADIESROOMのベーシスト・GEORGEさんの発言です。GEORGEさんはXの初期からYOSHIKIさんと交流があり、エクスタシーレコードにも深い関わりを持つ人物です。
2022年12月16日の投稿を引用した当時の記録によると、GEORGEさんはYOSHIKIさんが世界に向けて活動している時期の再始動について、「なんか今じゃない気がする」と発信していました。
さらに、YOSHIKIさんが困っているのではないかと推測する趣旨の発言もあったとされています。これは再始動のタイミングに疑問を示した発言と受け取れますが、原投稿の現在の公開状態は確認できておらず、YOSHIKIさん本人の意思を代弁したものとも限りません。
当時の関係者全員が反対していたわけではない
一方、林さんは2023年の取材で、昔の関係者から連絡が来たり、協力を申し出る人がいたりしたことを明かしています。
クラウドファンディングの活動報告でも、厳しい意見が寄せられた一方、多くの支援に励まされたと説明されていました。当時のレーベルを知る人々の間でも、受け止め方は一様ではなかったようです。
ただ、再始動をめぐっては創業者のYOSHIKIさんの参加が明確でなかったこともあり、昔のエクスタシーレコードと新しい事業をどのようにつなげていくのかが、一つの課題だったと考えられます。
林光樹さんが母親の死をきっかけにエクスタシーレコードを再始動し、新人アーティストの発表やイベント開催に取り組んだことは確認できます。一方で、約3,060万円を集めたプロジェクトがその後どこまで発展したのか、2026年現在の事業実績には不明な点が残ります。
かつて多くのバンドを世に送り出したレーベルだからこそ、過去の名前だけではなく、新たな音楽やアーティストを生み出す活動にも期待したいところです。
