M!LKの「イイじゃん」が大ヒットしてから、耳にする機会が増えた「トンチキソング」という言葉。「好きすぎて滅!」「爆裂愛してる」と、インパクト抜群の楽曲も続いています。
では、M!LKの成功でほかのアイドルのトンチキソングまで流行っているのでしょうか。結論からいうと、個性的な楽曲が注目されているのは確かですが、音楽界全体に同じ規模のヒットが広がっているとまでは言い切れません。
トンチキソングとは?M!LKのヒットで再注目
トンチキソングとは、意外性のある歌詞や突拍子もない展開、ユーモラスな演出が印象的な楽曲を指す俗称です。明確な音楽ジャンルではなく、ファンによって解釈も異なります。
M!LKの「イイじゃん」は、爽やかな雰囲気から一転する展開がSNSで話題に。さらに「好きすぎて滅!」や「爆裂愛してる」も支持を集め、2026年上半期のJOYSOUNDカラオケランキングでは「好きすぎて滅!」が総合2位、「爆裂愛してる」が2026年発売曲ランキング1位となりました。
一時的な動画の話題にとどまらず、実際に歌われるヒット曲になっているのが特徴です。
M!LKは突然路線変更したわけではない
実はM!LKは、2015年のデビュー曲「コーヒーが飲めません」の頃から、ユーモアを含む個性的な楽曲を歌ってきました。リーダーの吉田仁人さんもインタビューで、こうした楽曲がデビュー当初からの延長線上にあるという趣旨を語っています。
つまり、ヒットを狙って急に奇抜な曲を始めたのではなく、以前からの持ち味がSNS時代に合ったという見方ができます。
M!LK以外にも流行っている?注目の楽曲
Snow Man「カリスマックス」
Snow Manの「カリスマックス」は、パラパラの要素を取り入れた勢いのあるダンスナンバー。ユーモアと本格的なパフォーマンスを両立する点で、トンチキソングを好むファンにも通じる魅力があります。
ただし、公式にトンチキソングと分類されているわけではなく、M!LKのヒットに影響されて作られたとする根拠もありません。独立した人気曲として見るのが適切でしょう。
モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」
タイトルだけで思わず二度見するのが、モナキの「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」です。モナキは純烈の酒井一圭さんがプロデュースする4人組で、2026年4月8日にこの曲でメジャーデビューしました。
関西弁を並べたタイトルはコミカルですが、歌謡曲らしいメロディーや歌唱も聴きどころ。M!LKと同規模のヒットと断定はできないものの、個性的な楽曲が注目を集める一例です。
超特急も以前から個性的な表現を続けてきた
M!LKと同じスターダストプロモーション所属の超特急も、コミカルな演出と本格的なダンスを組み合わせたパフォーマンスで知られます。すべての曲がトンチキソングというわけではありませんが、真剣に遊び心を表現する文化は以前から存在していました。
トンチキソングは昔からあった?
実は、驚くような歌詞や独特の展開を持つアイドルソングは新しいものではありません。
少年隊が1986年に発売した「デカメロン伝説」は、その独特なフレーズが印象的な一曲。2010年発売のももいろクローバー「行くぜっ!怪盗少女」も、目まぐるしい展開と全力のパフォーマンスでアイドル音楽の自由さを示しました。
これらを当時からトンチキソングと呼んでいたわけではありません。現在の感覚で振り返ると共通する面白さが見えてくる、という位置づけです。
特に旧ジャニーズ系の楽曲については、トンチキソングはなぜジャニーズに多い?意味と代表曲でも詳しく紹介しています。
なぜ今人気?SNSと相性のよい理由
トンチキソングの強みは、曲の一部分だけでも印象を残せることです。突然変わる曲調、耳に残る言葉、真似したくなる振り付け。短い動画を見た人が「何この曲?」と気になり、フルバージョンへたどり着くきっかけになります。
ただし、変わった言葉を並べればヒットするわけではありません。歌やダンスを全力で披露するアーティストの魅力があってこそ、楽曲の面白さが生きてきます。
M!LKの成功は、長年続けてきたグループの個性と、短い動画で楽曲が広がる環境が重なった結果とも考えられます。
トンチキソングブームは今後も続く?
M!LKの「イイじゃん」から「好きすぎて滅!」「爆裂愛してる」へと続く人気は、個性的なアイドルソングの魅力を多くの人に届けました。
一方、Snow Manやモナキなどの楽曲をすべて同じブームの結果と見るのは早計です。もともと存在していた多彩なアイドル文化が、SNSを通じて新たな注目を浴びていると考えるほうが自然でしょう。
次に話題になるのは、もっと奇抜な一曲なのか、それとも思いがけないグループの楽曲なのか。予想できないところも、この音楽の楽しさなのかもしれません。