ソニーが2026年10月16日、金メッキの最高級モデルを含む新型ウォークマン3機種を発表しました。海外では約93万円とも報じられましたが、日本での市場推定価格は最上位モデルで約65万5,000円です。発売日は11月27日で、すでに予約・先行展示が始まっています。
スマホで音楽を聴くのが当たり前の時代に、なぜここまで高額なウォークマンを発売するのでしょうか。金メッキの意味や3機種の違い、購入方法、今でも専用プレーヤーを選ぶ理由を整理しました。
新型ウォークマンはいつ発売?価格と購入できる場所
国内発売日は2026年11月27日(金)で、3機種とも同日発売予定です。ソニーが10月16日に発表した新製品は、WM1シリーズ2機種とZXシリーズ1機種です。
- NW-WM1ZM3:256GB・ゴールド/市場推定価格65万5,000円前後(税込)
- NW-WM1AM3:128GB・ブラック/市場推定価格34万7,000円前後(税込)
- NW-ZX900:64GB・ブラック/市場推定価格21万5,000円前後(税込)
いずれもオープン価格で、上記はソニーが示した市場推定価格です。販売店ごとの実売価格とは異なる場合があります。ソニーストアの商品ページでは、最上位モデル65万4,500円、中位モデル34万6,500円、ZX900は21万4,500円という税込価格も案内されています(10月16日時点)。
約93万円という海外報道は間違い?
最上位モデル「NW-WM1ZM3」は、米国では5,899ドルで発表されました。これを円換算したニュースが「約93万円」という見出しになっています。日本国内での市場推定価格は約65万5,000円なので、海外報道の円換算額をそのまま国内価格と考えないよう注意したいところです。
予約はどこでできる?試聴できる店舗は?
ソニーストアの公式オンラインショップで予約を受け付けています。また、ソニーストア銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神の直営店では、10月16日から先行展示を実施しています。試聴・体験の予約方法や開催状況は店舗の公式案内で確認できます。
さらに、最上位NW-WM1ZM3とオリジナルケースなどをセットにしたソニーストア限定パッケージは抽選販売が予定されています。応募期間は10月16日10時から10月25日23時59分までです。通常モデルの予約販売とは異なるため、詳細を確認してから申し込みましょう。
金メッキのウォークマンは何がすごい?値段が高い理由
金色のウォークマンと聞くと、見た目の豪華さにお金をかけた製品のようにも思えます。しかし、ソニーが強調するのは音質のために本体の素材、固定方法、電源回路まで見直したことです。
金メッキは単なる飾りではない
最上位の「NW-WM1ZM3」は、純度約99.99%の無酸素銅を削り出したメインシャーシを採用。リアシャーシも金メッキを施した切削無酸素銅に変更し、固定用のビスにも低抵抗の金メッキ処理を施しています。
狙いは、電気的な接続抵抗を抑えてグラウンドを安定させることです。ソニーはこれにより、力強い低音、広がりのある音場、伸びのある高音域につなげると説明しています。金メッキだけですべての音質が決まるわけではなく、回路や部品との組み合わせによる設計です。
なお、金メッキ無酸素銅のリアシャーシは最上位機だけの特徴ではありません。「NW-WM1AM3」にも採用され、コンパクトな「NW-ZX900」でも上位モデルの部品・技術が取り入れられています。3機種とも高級オーディオの考え方を持ち込んだシリーズです。
アンプや音の補正技術も進化
新型モデルにはソニー独自のフルデジタルアンプ「S-Master HX」が搭載され、新たに先読み型ノイズシェーパーを採用しています。DSDリマスタリングエンジンによる音源変換や、AIを活用して圧縮音源を補正する「DSEE Ultimate」も特徴です。
音源の情報が完全に復元されるわけではありませんが、音楽の細かな表現を楽しみたい人に向けた機能と言えるでしょう。ソニー公式の製品紹介では、電源や内部配線、デジタルグラウンドの構造まで詳しく説明されています。
3機種の違いは?
「NW-WM1ZM3」は素材にも徹底してこだわった最高級モデル。「NW-WM1AM3」はアルミ製メインシャーシを用いながら上位シリーズの設計を受け継ぎます。「NW-ZX900」は比較的コンパクトな筐体に上位機種の技術を取り込んだモデルです。
WM1シリーズ2機種は5.5インチ、ZX900は5インチのフルHDディスプレーを搭載。いずれもAndroid搭載で、Wi-Fi経由の音楽配信アプリを使うこともできます。音楽ファイルをためて聴くだけの昔のウォークマンとは違います。
ただし、価格差ほど音の違いを感じるかは、音源やイヤホン・ヘッドホン、聴く人の好みによります。最上位モデルが必ずしもすべての人に最適とは限りません。
開発者本人が解説する公式動画
ソニーは発表当日の10月16日19時から、設計者とソニーストアのサウンドマスターが新型ウォークマンを紹介する公式ライブ配信を実施しました。スペックだけでは分かりにくい、音づくりへのこだわりを知りたい人にはこちらも参考になります。
ウォークマンは今さら?スマホ全盛でも売る理由
ウォークマンの初代モデルが登場したのは1979年。当時は、好きな音楽を外へ持ち出して一人で聴けること自体が新しい体験でした。カセットテープからCD、MD、デジタル音源へと形を変えながら、音楽の楽しみ方を広げてきたブランドです。
ただ、今はスマホとワイヤレスイヤホンさえあれば、日常の音楽鑑賞で困ることはあまりありません。音楽配信サービスも手軽に使えます。多くの人にとって、専用プレーヤーをもう1台持つ必要性は小さくなっています。
高級ウォークマンは音楽を楽しむための趣味の道具
それでも、高品質な有線ヘッドホンを使い、曲の空気感や余韻までじっくり味わいたい人はいます。今回の新型ウォークマンは、そんなオーディオ愛好家を強く意識した製品です。
スマホは通信、写真、SNS、ゲームなど多くの用途を担います。一方、高級ウォークマンは音楽再生に特化して回路や筐体を作り込めるのが特徴です。WM1シリーズには4.4mmバランス接続用のヘッドホン端子なども備えています。
もちろん、スマホに外付けDACや高品質なイヤホンを組み合わせる方法もあり、専用機でなければ良い音が聴けないわけではありません。便利さを優先するならスマホで十分という人も多いはずです。
「65万円のウォークマン」は誰が買う?
想定されるのは、すでに高級ヘッドホンを持っている人、ハイレゾ音源を楽しんでいる人、オーディオ機器を聴き比べること自体が趣味の人などでしょう。高級レコードプレーヤーやアンプに投資する感覚に近いのかもしれません。
実際、オーディオ専門メディア「AV Watch」は発売発表に合わせて3機種の試聴レビューを掲載しています。こうした専門家の評価も参考になりますが、自分の好きな曲を使って試聴するのが一番分かりやすいはずです。
ソニーは同日、最上位ウォークマン向けに音を調整したテーラーメイドイヤホン「Just ear」の新モデルも12月上旬に発売予定と発表しています。本体だけでなく、聴く環境全体で音を追求する姿勢がうかがえます。
今回の新型ウォークマンは、かつて誰もが持ち歩いた音楽プレーヤーとはかなり違う存在です。誰にでも必要な製品ではないものの、音楽をじっくり聴きたい人のために専用機を進化させ続けていることには、ウォークマンらしさを感じます。
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