交番で突然「ショウリンジ!」と叫び、その様子をSNSに投稿する。そんな奇妙な迷惑行為が、2026年10月に各地で問題になっています。
動画には「少林寺レーシング」という名前まで付いていますが、そもそも何を意味するのでしょうか。少林寺拳法と関係があるのか、誰が始めたのかも気になります。
10月23日には大阪府警が7~16歳の少年少女43人を検挙・補導したことが判明。名前の由来と騒動の経緯を、報道をもとに整理しました。
ショウリンジとは?少林寺レーシングで何をする?
「ショウリンジ」は、交番や110番通報で警察官を挑発する際に使われている掛け声です。こうした迷惑行為を撮影した動画が、TikTokなどで「少林寺レーシング」と呼ばれ広がっています。
名前だけ見ると武道やレースの話にも思えますが、実態はまったく別。公衆電話から110番して「ショウリンジじゃ」と叫んで切る、交番に入り込んで騒ぐ、といった行動です。
中には交番のポスターを破ったり、爆竹を投げ込んだり、ガラス戸を壊したりするケースまでありました。単に掛け声を言うだけの流行では済まなくなっています。
少林寺レーシングの元ネタや由来は?誰が始めた?
いちばん不思議なのは、なぜ「ショウリンジ」なのかということ。取材に応じた犯罪ジャーナリストも、掛け声の由来や意味は不明だと説明しています。
大阪発祥説とバイクグループの噂
報道では、大阪が発祥とする説が紹介されています。大阪の非行グループがバイクで危険な走行をする動画を配信していた際のSNSアカウント名が由来ではないか、という見方もあります。
ただ、最初の投稿者や命名者が明らかになったわけではありません。「大阪の誰かが考えた」と断定するのは早そうです。
一部の動画配信者が始めたとする報道もありますが、発端となった動画の投稿時期や、各地の行為とのつながりははっきりしていません。
少林寺拳法との関係は?
「少林寺」という名前から中国の少林寺や日本の少林寺拳法を連想する人もいるでしょう。しかし、今回の迷惑行為との関連を裏付ける報道はありません。
また、なぜ「レーシング」が付くのかも確定していません。掛け声の意味、グループ名との関係、名称が広まった順番は、それぞれ分けて考える必要があります。
昔の「ポリオニ」に似ている?
今回の騒動と比較されているのが「ポリオニ」。ポリスと鬼ごっこを組み合わせた言葉で、警察官を挑発して逃げる行為を指します。
警察をからかうという点は似ていますが、少林寺レーシングで目立つのは撮影と拡散です。警察官の反応を撮り、短い動画にして見せる。そこに現代のSNSらしさがあります。
ショウリンジで大阪の43人が検挙・補導!何が起きた?
大阪府警は10月23日、関連する迷惑行為について7~16歳の少年少女43人を検挙・補導したと明らかにしました。うち32人は13歳以下だったと時事通信が報じています。
ここで注意したいのは、43人全員が逮捕されたわけではないということ。検挙と補導を合わせた人数です。
大阪府内では9月中旬から10月21日までに約250件の関連行為が確認され、そのうち約200件が110番へのいたずら電話でした。
交番のガラス戸を蹴って壊したとして、建造物損壊容疑で逮捕された14歳の男子中学生もいます。報道によると、SNSの動画を見て警察官をからかうのが面白そうだと思った、という趣旨の説明をしていました。
兵庫や岡山にも広がった
問題は大阪だけではありません。兵庫県警も10月20日までに小学生から18歳までの25人を検挙・補導しました。
兵庫では交番にジュースをまき散らす行為もあり、少年らからは「遊び感覚でやった」「うまく動画が撮れなくて2回侵入した」といった説明があったそうです。
岡山県警も類似する110番通報を40件以上把握していると共同通信が報じています。各地で同じ掛け声が使われていることから、SNS動画を見た模倣が広がっている様子がうかがえます。
なぜショウリンジが流行?SNSで模倣が広がる理由
少年少女が警察に説明した理由には「ネットではやっているから」「友達を笑わせるため」といったものがありました。
大がかりな準備をしなくても、掛け声を叫ぶ短い動画なら真似しやすい。友達に見せたり投稿したりするうちに、悪ふざけがエスカレートした可能性があります。
ただし、動画では数秒の騒ぎに見えても、現実には110番回線や警察官の業務に影響します。緊急の通報が必要な人への対応を遅らせるおそれもあり、警察は厳しく注意を呼びかけています。
再生数や笑いを狙ったつもりが、逮捕や補導につながる。今回の騒動でいちばん見過ごせないのは、そんな距離感の危うさではないでしょうか。
まとめ
「ショウリンジ」とは、交番や110番で警察を挑発する迷惑行為に使われる掛け声で、SNS上では「少林寺レーシング」と呼ばれています。
大阪発祥説やバイク関連のアカウント名が元ネタという説はあるものの、誰が始めたのか、なぜこの言葉になったのかはまだ謎のままです。
一方、実際の被害は明らかになっています。大阪では43人が検挙・補導され、兵庫や岡山でも関連行為が相次ぎました。
意味の分からない掛け声が全国へ広がったことも驚きですが、それを真似するために警察の仕事を妨げる人が出てしまったことこそ、今回の騒動の本質なのかもしれません。
