サザンオールスターズのベース・関口和之さんが代表を務める楽器販売会社に、東京国税局が約5億8650万円の申告漏れを指摘していたことが分かりました。
「5.8億円も脱税したの?」「楽器販売でそんなに儲けていたの?」と驚く金額ですが、5.8億円の売上を隠していたという話ではありません。また、関口さん個人の所得も今回の指摘の対象外です。
一方で関口さんを調べると、サザン以外にもウクレレ関連の事業を展開し、「桃太郎電鉄」シリーズの音楽を30年以上担当してきた意外な経歴があります。申告漏れの原因と経緯、関口さんのサザン以外の仕事まで整理します。
関口和之の会社が5.8億円申告漏れ|原因は?
FNNプライムオンラインが2026年10月4日に報じたところによると、東京国税局から申告漏れを指摘されたのは、関口和之さんが代表を務める楽器販売会社です。
対象となったのは2023年9月までの3年間で、申告漏れは約5億8650万円。過少申告加算税などを含めた追徴課税は約5300万円だったと報じられています。
ここで注意したいのは、「5億8650万円を脱税した」という意味ではないことです。
報道によると、関口さんの会社は顧問税理士が経営するグループ会社との取引で取得した株式を、価値が下がった状態で売却したとして損失を計上。その損失を会社の利益から差し引き、課税対象となる所得を少なく申告していました。
ところが実際には株式の売買代金のやり取りがなく、帳簿上で処理されていたといいます。同じ顧問税理士の顧客数十社でも同様の帳簿上の取引が行われていたことなどから、東京国税局は経済的合理性がなく、実態がない取引だったと判断したとみられています。
申告漏れ発覚までの経緯・時系列
- 2023年9月までの3年間:問題となった申告の対象期間
- 会社が株式取引による損失を計上し、課税対象となる利益を圧縮
- 2024年11月ごろ:東京国税局が税務調査を開始
- 株式の売買代金のやり取りがないことなどから、損失を認めず
- 約5億8650万円の申告漏れを指摘
- 過少申告加算税などを含め約5300万円を追徴課税
- 会社側は修正申告し、延滞税を含めて納税
- 税務調査後、顧問税理士との契約を解除
- 2026年10月4日:FNNが一連の経緯を報道
税理士のせい?関口和之本人は知っていた?
今回の件について、関口さん側は意図的に税金を少なくしたとの認識を否定しています。
代理人弁護士はFNNの取材に、取引は税理士側の指導で行われたもので、税負担を軽減する具体的な方法を把握しておらず、不当に納税額を減少させるものとの認識は会社にも関口さんにもなかったと説明しています。
ただし、「すべて税理士が悪かった」と断定することもできません。税理士側の代理人は、株式売却について税務上の損失を作る目的ではなく、別の経済的目的があったと説明しています。
関口さん側は東京国税局の認定には異論を示さず、修正申告を行って延滞税を含めて納税済みです。今回報じられているのは会社の申告漏れで、関口さん個人の所得は指摘の対象ではありません。現時点で「関口和之さんが意図的に5.8億円を脱税した」と受け取るのは正確ではありません。
関口和之のプロフィール|サザンだけではない経歴
関口和之さんは1955年12月21日生まれ、新潟県出身。サザンオールスターズではベースを担当しています。
サザンオールスターズは1978年6月25日、「勝手にシンドバッド」でデビュー。その後「いとしのエリー」など数々のヒット曲を生み出してきました。
関口さんには「サザンのベーシスト」というイメージが強いものの、活動はそれだけではありません。1986年にはソロアルバム「砂金」をリリース。その後はウクレレを軸に独自の音楽活動を広げ、2022年にもウクレレアルバム「FREE-UKES」を発売しています。
関口和之は何で稼いでいる?ウクレレ事業も30年
今回「楽器販売会社」という言葉を見て、何を販売している会社なのか気になった人も多いでしょう。
関口さんは実業家としての顔もあり、代表取締役を務める「有限会社のほほん」はウクレレショップ「PoePoe(ポエポエ)」を運営しています。
PoePoeの前身となる「のほほんベアーズ」は1996年4月に東京・祐天寺でオープン。当初はテディベアとウクレレを販売する店として始まり、1998年からPoePoeの名称になりました。2026年にはスタートから30周年を迎えています。
有限会社のほほんの公式サイトによると、事業はウクレレ販売だけではありません。
- ウクレレを中心とした楽器の小売販売
- 楽器や関連商品の輸入・販売
- 通信販売
- 各種教室の運営・管理
- イベントの企画・運営
- オリジナルブランド商品の企画・製造・卸売・小売
ただし、FNNは今回申告漏れを指摘された会社について「関口さんが代表を務める楽器販売会社」と報じているものの、会社名までは公表していません。
有限会社のほほんは関口さんが代表を務め、楽器販売を行う会社として確認できますが、今回の申告漏れを指摘された会社と同一法人であるとは現時点で断定できません。
また、5億8650万円は会社の売上高でも関口さん個人の収入でもありません。否認された損失によって増えた課税所得に関する数字であり、「ウクレレで5.8億円稼いだ」という意味でもありません。
実は桃鉄の作曲家!莫大な印税を稼いでいる?
関口和之さんの「サザン以外の仕事」で意外なのが、人気ゲーム「桃太郎電鉄」シリーズです。
実は関口さんは、桃鉄の音楽を30年以上にわたって手がけてきた作曲家でもあります。
関口さんは2022年に出演したラジオ番組で、桃鉄の音楽を30年以上担当していると説明。桃鉄より前のRPG「桃太郎伝説」の時代から音楽制作に参加しており、これまで何曲書いたのか分からないほどだと振り返っています。
2020年発売のNintendo Switch「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」では、関口さんとヒャダインこと前山田健一さんが作曲者として公式にクレジットされています。同作は400万本を超える大ヒットとなりました。
さらに2023年発売の「桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~」、2025年発売の「桃太郎電鉄2 ~あなたの町も きっとある~」でも、関口和之さん、ヒャダインさん、樹原孝之介さんが作曲者として公式に掲載されています。
KONAMIは2026年6月、桃太郎電鉄シリーズの累計販売本数が2026年3月末時点で2010万本に達し、2000万本を突破したと発表しています。
桃鉄作曲で「莫大な印税」?実際いくら?
これだけ長く人気シリーズを担当しているとなると、「関口さんには桃鉄から莫大な印税が入っているのでは?」と気になるところです。
しかし、関口さんが桃鉄から受け取っている具体的な報酬額は公表されていません。
ゲーム音楽は契約によって、制作時の報酬や著作権使用料など条件が異なります。関口さんとゲーム会社側の契約内容が公開されていない以上、ゲームの販売本数から「印税○億円」などと計算することはできません。
そのため「桃鉄で莫大な印税を稼いだ」と断定することはできません。ただ、30年以上にわたり桃太郎シリーズの音楽を担当していることから、サザン以外にも非常に長く続く仕事を持っていることは確かです。
サザン以外にも複数の仕事を持つ関口和之
こうして整理すると、関口さんにはサザン以外にも複数の活動があります。
- サザンオールスターズのベーシスト
- ソロミュージシャン
- ウクレレを軸とした音楽活動
- ウクレレショップなどの事業
- 楽器の輸入・販売
- スクールやイベント運営
- 「桃太郎電鉄」などゲーム音楽の作曲
「サザンのメンバー」という印象があまりに強いため目立ちませんが、30年続くウクレレ関連事業や30年以上にわたる桃鉄の作曲など、活動の幅はかなり広いことが分かります。
ただし、それぞれの事業の売上や関口さん個人の収入、桃鉄から得ている報酬額は公表されていません。今回の5億8650万円という申告漏れ額から「関口さんが5.8億円稼いでいた」と判断することもできません。
今回の報道では金額の大きさに目が行きますが、会社側はすでに修正申告し、延滞税を含め納税を済ませています。関口さん側は不当に納税額を減らすとの認識はなかったと説明しており、今後さらに詳細が明らかになるのかも注目されます。
