MENU

POLO BCSとラルフローレンは別物?誕生の歴史や値段の違いを比較

POLO BCSとラルフローレンの違いを比較

バースデイなどで見かける「POLO」の子供服。胸元にポロ競技のプレイヤーを思わせる刺繍があり、「ラルフローレンと同じブランド?」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、POLO BCSとPolo Ralph Lauren(ポロ ラルフ ローレン)は別ブランドです。しかも日本のPoloは1968年、ラルフ・ローレンのPoloは1967年に始まっており、誕生はわずか1年違い。それぞれ異なる商品カテゴリーからスタートしていました。

目次

POLO BCSとラルフローレンはまったく別のブランド

POLO BCSは「ラルフローレンの廉価版」ではありません。

POLO BCSの正式名称は「POLO British Country Spirit」。ポロ・ビーシーエス株式会社が展開する日本生まれのブランドです。

公式サイトによると、そのルーツは1869年に奈良で始まった大和絣の製造・販売までさかのぼります。1913年にはニット業へ転換し、1968年に公冠販売の子供服として「Polo」ブランドがスタートしました。

一方、Polo Ralph Laurenはアメリカのデザイナー、ラルフ・ローレンが生み出したブランドです。現在はどちらも「POLO」という名前やポロ競技をイメージさせるデザインがありますが、運営会社も成り立ちも異なります。

実は誕生は1年違い!2つのPOLOはどう生まれた?

「ラルフローレンが昔からあり、後から日本に似たPOLOが登場した」と思ってしまいそうですが、実際にはそう単純ではありません。

日本のPoloは1968年に子供服として誕生

日本のPoloは1968年、公冠販売の子供服ブランドとしてスタートしました。

POLO BCS公式によると、英国文化を象徴するポロ競技が持つ伝統や気品、挑戦、激しさ、優雅さなどに着想を得て、ポロ競技のスピリットと英国トラッドのファッション性を融合したブランドとして歩んできました。

最初から「POLO BCS」という名前だったわけではありません。1980年には日本国内における「POLO」の商標登録が確定し、1980年代後半に「POLO/BCS(British Country Spirit)」へリニューアル。その後、1989年にはPOLOと関連商標を管理・運営するポロ・ビーシーエス株式会社が設立されています。

ラルフローレンは1967年にネクタイから始まった

一方のラルフ・ローレンは、意外にもポロシャツから始まったブランドではありません。

1967年、ラルフ・ローレンが「Polo」というブランド名でネクタイのラインを発売したことが出発点です。当時の流行に逆行するような幅広のネクタイで、上質な生地を使った商品でした。

1968年には初のメンズフルコレクションを発表。1971年には、現在ではおなじみとなったポロプレイヤーの「ポニー」刺繍がレディースシャツの袖口に初登場しています。

つまり、ラルフ・ローレンのPoloが1967年、日本のPoloが1968年。ほぼ同時期にアメリカと日本で、それぞれ別のブランドとして始まっていました。

同じPOLOでもスタート時の商品カテゴリーが違った

誕生時期は近いものの、最初に販売していた商品を見ると大きな違いがあります。

  • 日本のPolo:トラッドテイストの子供服
  • ラルフ・ローレンのPolo:ネクタイから始まり、メンズウェアへ展開

少なくともスタート時点では、主力としていた商品カテゴリーが異なっていたことが分かります。

ラルフ ローレンが日本へ本格上陸したのは1976年。西武百貨店との提携によって西武池袋店にPoloショップをオープンしました。日本のPoloが子供服としてスタートしてから8年後です。

その後、両ブランドとも展開する商品カテゴリーを広げたため、現在だけを見ると似た商品もあります。しかし歴史をさかのぼると、最初から同じ商品カテゴリーで真正面から競争していたブランドだったとは言いにくいでしょう。

なぜPOLO BCSとラルフローレンは似て見える?

大きな理由は、両ブランドとも「Polo」という名称を使い、ポロ競技やトラッドスタイルから着想を得ていることです。

そもそもポロはブランド名だけを意味する言葉ではなく、馬に乗った選手がマレットでボールを打ち合う歴史あるスポーツの名称です。

POLO BCSはポロ競技が持つ英国的な伝統や気品などをブランドの重要な要素としています。ラルフ ローレンも「Polo」の名前を掲げ、1971年から馬に乗ったポロプレイヤーの刺繍を使用してきました。

そのため「POLO」という文字だけでなく、トラッドな服や馬上のプレイヤーをイメージさせるモチーフなど、知らない人には近い印象を与える要素があります。ただし、POLO BCSのプレイヤー刺繍とPolo Ralph Laurenのポニーロゴは同じものではありません。

POLO BCSはラルフローレンの偽物ではない

名前やデザインの印象が近いことから、「POLO BCSはラルフローレンの偽物なの?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。

しかし、POLO BCSをラルフローレンの偽物と考えるのは誤りです。

POLO BCS公式は、自社について1968年にトラッドテイストの子供服として始まった「日本生まれの自社オリジナルブランド」と説明しています。また、ポロ・ビーシーエス株式会社は日本の衣料品分野における「POLO」や関連する登録商標を保有し、ブランド運営や商品企画、ライセンス管理などを行っています。

歴史を見てもラルフ・ローレンのPoloが1967年、日本のPoloが1968年です。「近年になってラルフローレン風の商品を作るために生まれたブランド」という理解は、実際の歴史とは異なります。

値段はどれくらい違う?現在は価格帯にも大きな差

現在の両ブランドを見比べると、分かりやすい違いのひとつが価格です。

2026年10月時点で、POLO BCS公式オンラインストアではベビー向けのプレイヤー刺繍ロンTが1,650円、裏毛スウェットが2,090円、長袖シャツが2,530円などで販売されています。

一方、Polo Ralph Laurenではベビー向けのソフトコットンポロシャツが11,000円、Poloベアのポロシャツが14,300円などとなっており、現在の価格帯にはかなり差があります。

POLO BCSは全国の一般量販店を中心に、スーツ量販店やファッション専門店、スポーツ量販店などでも商品を展開しています。現在の販売チャネルやブランドの立ち位置にも違いがあることが分かります。

1990年代は高校生もラルフのニットを着ていた

1980~90年代の日本で青春時代を過ごした人なら、ラルフローレンに現在とは少し違う印象を持っているかもしれません。

1990年代にはラルフ ローレンが日本の若者のファッションにも深く浸透していました。

「GQ JAPAN」も当時を振り返り、渋カジ世代がラルフ ローレンのボタンダウンシャツや紺ブレなどに熱狂し、コギャルやギャルはコットンのベストやカーディガンを制服の上に重ねていたと紹介しています。

制服のシャツにVネックニットやカーディガンを合わせ、胸元からポニーの刺繍が見えるスタイルを覚えている人も多いでしょう。

当時の商品価格と現在の商品価格を単純比較できる資料は限られるため、「昔のラルフは安かった」とまでは断定できません。ただ、少なくとも1990年代の日本では、高校生を含む若者のリアルなファッションに入り込んでいたブランドだったことは確認できます。

約60年の歴史を見ると2つのPOLOの違いが分かる

2つのPOLOの歩みを時系列で並べると、関係が分かりやすくなります。

  • 1967年:ラルフ・ローレンが「Polo」のネクタイを発売
  • 1968年:日本で子供服ブランド「Polo」がスタート
  • 1971年:ラルフ ローレンのポニー刺繍が登場
  • 1976年:Polo Ralph Laurenが日本上陸
  • 1980年:日本のPoloの国内商標登録が確定
  • 1980年代後半:日本のPoloが「POLO/BCS」へリニューアル
  • 1989年:ポロ・ビーシーエス株式会社設立
  • 1990年代:Polo Ralph Laurenが日本の若者ファッションにも広く浸透

現在の商品だけを見ると「なぜこんなに似たPOLOがあるの?」と不思議に感じますが、歴史をたどると見え方が変わります。

片方が最近になって登場したわけではなく、アメリカと日本でほぼ同時期に、それぞれ異なる商品カテゴリーから始まったブランドでした。

現在は価格帯にも大きな違いがありますが、どちらが本物でどちらが偽物という関係ではありません。1960年代から続く2つの「POLO」が、それぞれ違う道を歩んできたと考えるのが分かりやすそうです。

そして1990年代に制服の上からラルフのニットやカーディガンを着ていた世代にとっては、今回の比較は少し懐かしい記憶までよみがえらせてくれる話なのかもしれません。

  • URLをコピーしました!
目次