プロ野球選手の年俸は、契約更改が終わったら一括で振り込まれるのでしょうか。それとも会社員のように毎月給料日があるのでしょうか。
結論からいうと、年俸を12分割して毎月口座に振り込む例があります。ただし、全選手に共通の給料日が決まっているわけではありません。野球協約では、支払いの期間・方法・期日は球団と選手の契約で決めるとされています。
プロ野球選手の年俸はいつ振り込まれる?給料日は何日?
プロ野球選手にも、毎月決まった日に報酬が支払われる契約があります。興味深いのが、元ヤクルトの古田敦也さんの契約です。
裁判所が公開した判決資料には、古田さんの2004年度の選手契約が引用されており、年俸相当額を1月から12月まで「毎月27日」に支払うと記載されています。つまり、実際に給料日が27日と決められた契約が存在したわけです。
一方、日本プロ野球選手会が公開している育成選手の統一契約書には、報酬を各月に分割し、毎月25日までに指定口座へ振り込む規定があります。古田さんの事例とは日付が違います。
したがって「プロ野球の給料日は毎月25日」などと一律に言い切るのは正確ではありません。契約内容によって違うと考えるのが適切です。
年俸は12分割の月給制?一括払いではないの?
元横浜の投手・野村弘樹さんは、2018年の『週刊ベースボールONLINE』のインタビューで、年俸は12か月に分けて口座に振り込まれると説明しています。一括で受け取ろうとしてもできなかったという、選手経験者ならではの話です。
ただし、野球協約そのものが全球団・全選手の「12分割」を義務づけているわけではありません。協約第87条は、報酬の支払期間、支払方法、支払期日を球団と選手の間で約定し、統一契約書に記載するよう定めています。
ニュースで「年俸1億円」と報じられても、1億円が契約更改の当日に丸ごと入金される、という意味ではないのです。
年俸1億円の選手は毎月いくらもらえる?
仮に年俸を12回均等に分ける契約なら、月々の支払額は次のようになります。
| 年俸 | 月額(12分割) |
|---|---|
| 420万円 | 35万円 |
| 1,200万円 | 100万円 |
| 3,000万円 | 250万円 |
| 6,000万円 | 500万円 |
| 1億円 | 約833万円 |
| 3億円 | 2,500万円 |
| 5億円 | 約4,167万円 |
もちろん、これは税金などを差し引く前の単純計算です。実際の振込額とは異なります。なお、支配下選手の最低保障年俸は野球協約で420万円と定められています。
試合のない12月や1月にも給料は出る?
ここは少し意外なポイントです。野球協約第87条では、統一契約書に表示する報酬の対象期間を毎年2月1日から11月30日までの10か月間としています。
「では、12月と1月は無給なの?」と思うかもしれませんが、報酬の対象となる稼働期間と、実際にお金を振り込む期間は別の話。古田さんの2004年度契約のように、1月から12月まで支払うケースがあります。
つまり、オフシーズンに振り込みがあるからといって、12月や1月の試合出場に対して別途給料が発生しているわけではありません。決められた年間報酬を分割して受け取っていると理解するとわかりやすいでしょう。
年俸から税金は引かれる?手取りはどれくらい?
年俸1億円と聞くと、毎月約833万円を自由に使えるように思えます。しかし、報道される年俸と手取り額は同じではありません。
選手には所得税や住民税などの税負担があり、実際の納税額は所得区分、必要経費、控除、ほかの収入などによって変わります。プロ野球選手は一般的な会社員と同じ給与所得者とは限らず、報酬の税務処理を単純に会社員の給与明細に当てはめることもできません。
そのため「年俸1億円なら手取りは必ず何千万円」と一律には計算できません。月々の入金額と、最終的に税金を納めた後に残る金額も区別する必要があります。
契約金や出来高払いも毎月振り込まれる?
ドラフトで入団する選手に支払われる契約金は、通常の年俸とは別のお金です。野村弘樹さんは、契約金についても口座振込だったと話しています。ただし、振込時期や分割の有無は個々の契約内容を確認する必要があります。
また、登板数、投球回、出場試合数などの条件を達成した場合に追加報酬を受け取る「出来高払い」の契約もあります。こちらも年俸の毎月の支払いとは別に考えるべきものです。
ドラフト指名時の契約金については、プロ野球ドラフトの契約金はいくら?1位から育成までの金額と税金でも詳しく解説しています。
育成選手も毎月給料をもらえる?
育成選手も球団と契約を結び、報酬を受け取ります。日本プロ野球選手会が公開している育成選手統一契約書では、毎月25日までに指定口座へ振り込む形が示されています。
ただし、支配下選手と育成選手では契約上の扱いや最低保障額などに違いがあります。育成契約の仕組みや支配下登録への道については、育成ドラフトとは?支配下との違い・育成5位の評価と成功選手も参考にしてください。
シーズン途中で移籍・退団したら年俸はどうなる?
年俸は年間契約だから、途中で何があっても全額が無条件で支払われる――というわけではありません。契約の開始時期、解除、移籍、契約上の減額規定などによって扱いは変わります。
例えば、統一契約書には2月1日より後に契約を締結した場合の報酬調整についての規定があります。実際の金額を判断するには、契約条件や適用される規則を確認する必要があります。
まとめ:プロ野球選手にも毎月の給料日がある
プロ野球選手の年俸は、12分割で毎月振り込まれる例があり、元選手の証言からもその支払い方が確認できます。古田敦也さんの2004年度契約では毎月27日、公開されている育成選手統一契約書では毎月25日という具体的な記載がありました。
ただし、野球協約は全球団共通の給料日や12分割を定めているわけではありません。年俸の支払い方法は契約次第。さらに、ニュースで見る年俸はそのまま手取り額になるわけでもないのです。
億単位の契約更改がニュースになるプロ野球ですが、お金の受け取り方には、意外と身近な「毎月の振り込み」という一面があるんですね。