韓国のコーヒーはなぜ大きくて安い?人気チェーンと独特のカフェ文化

韓国旅行で驚くものの一つが、街を歩く人たちの手にある大きなアイスコーヒー。日本なら特大サイズに見えるカップが、韓国ではごく普通に売られています。しかも値段は手頃。いったい、どうしてなのでしょうか。

答えは、テイクアウトに特化した店づくりと、低価格チェーンの激しい競争にあります。さらに韓国では、昼食後や仕事の合間にコーヒーを買うことが日常の習慣。大きくて安い一杯には、韓国ならではの暮らし方が表れているのです。

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韓国のコーヒーが大きくて安い理由

席を減らして、持ち帰りに特化

韓国の格安チェーンには、ゆっくり座るカフェというより、さっと買って出るコーヒースタンドに近い店が目立ちます。

小さな店舗にセルフ注文機やモバイルオーダーを組み合わせれば、広い客席を維持する費用を抑えられます。もちろん立地や人件費にも左右されますが、効率よく数を売る仕組みが安さを支えているのです。

隣にもカフェ。価格競争が激しい

韓国では低価格コーヒーチェーンが急成長し、黄色い看板のメガMGCコーヒーやコンポーズコーヒー、ペクスダバンなどが街のあちこちにあります。

消費者にとっては選び放題ですが、店側は大変。価格だけでなく、量や新商品、注文の手軽さでも競争しなければなりません。

一方で、原材料費や賃料の上昇もあり、安さを維持することが簡単とは限りません。「韓国なら何でも安い」というより、低価格に特化した業態が発達したと考えるのが正確でしょう。

大きいカップ=濃いコーヒーが大量、ではない

人気のアイスアメリカーノは、エスプレッソに水と氷を加えた飲み物。大きなカップでも、その容量がすべて抽出したコーヒーというわけではありません。

氷を含むカップ容量と実際の飲料量は別物です。大容量だから必ずカフェインも多いとは限らず、濃さやショット数は商品ごとに異なります。

韓国の人気コーヒーチェーンは?6ブランドを比較

メガMGCコーヒー|黄色い看板と特大アメリカーノ

大容量コーヒーの代表格が「MEGA MGC COFFEE」。約700mlクラスのアイスアメリカーノを売りにする、韓国の低価格チェーンです。

安さと量で存在感を高め、日本進出への関心も集まっています。ただし2026年10月18日時点で、日本国内の店舗開業は確認できていません。

コンポーズコーヒー|BTSのVでも話題

「COMPOSE COFFEE」も韓国の定番。手頃なアメリカーノに加え、ラテや甘いドリンクも豊富です。

BTSのVを広告モデルに起用したことでも知られ、低価格チェーンでもブランドイメージを大切にしている点が面白いところ。日本の実店舗は確認できていません。

ペクスダバン|甘い「元祖コーヒー」が名物

料理研究家・実業家のペク・ジョンウォン氏が手がける「PAIK’S COFFEE(ペクスダバン)」は、黄色い看板が目印です。

甘い昔ながらの味を思わせる「元祖コーヒー」や、アイスティーにエスプレッソを加えた「アシャッチュ」など、韓国らしいメニューも充実しています。

2026年8月6日に東京・新橋、同月18日に神田へ出店。韓国の味が日本のオフィス街でも楽しめるようになりました。

マンモスコーヒー|940mlで400円の衝撃

日本でもその大きさを実感できるのが「Mammoth Coffee」。2025年1月に東京・虎ノ門へ初上陸しました。

東京駅ヤエチカ店では、2026年9月時点でアメリカーノが400mlで190円、940mlで400円(税込)。ほぼ1リットルのカップが400円という価格は、やはり目を引きます。

モバイルオーダーやセルフレジを取り入れ、通勤前や移動中に買いやすいのも特徴。2026年秋には新大久保、原宿、渋谷、水道橋への新規出店計画も報じられています。

ザ・ベンティ|大容量に甘いドリンクも

「THE VENTI」は名前の通り、大きなサイズを打ち出す韓国のチェーン。コーヒーに限らず、フルーツ系やデザート感覚のドリンクもそろえています。

日本での店舗開業は確認できていませんが、韓国の低価格カフェの選択肢を語るうえでは外せないブランドです。

JM COFFEE|安さではなく、豆と空間で勝負

実は韓国のカフェは、巨大で安い店ばかりではありません。1999年に釜山で生まれた「JM COFFEE」は、豆の選定や焙煎にこだわるスペシャルティコーヒーブランドです。

2026年8月14日に有楽町イトシアへ日本初店舗をオープン。手軽なテイクアウトの「EXPRESS ZONE」と、ハンドドリップなどをじっくり楽しむ「EXPERIENCE ZONE」を備えています。

安く飲む日もあれば、こだわりの一杯にお金をかける日もある。韓国のカフェ文化は、意外なほど幅広いのです。

真冬でもアイス?韓国独特のコーヒー文化

「オルジュガ」は凍えてもアイスアメリカーノ

韓国ではアイスアメリカーノを「アア」と略します。さらに「オルジュガ(얼죽아)」という言葉もあります。

「凍え死んでもアイスアメリカーノ」という意味で、寒い日でもアイスを選ぶ人を表す言い回しです。

ソウルの冬は氷点下になることもあるのに、それでもアイス。もちろん全員がそうではありませんが、好みの強さが伝わってくる言葉ですよね。

昼食後の一杯がコミュニケーションに

韓国では同僚と昼食を済ませたあと、コーヒーを買いに行く光景もおなじみです。

職場へ戻るまでの短い時間に話をする。飲み物を買う行為そのものが、ちょっとした交流の機会になっています。

毎日のことだから、数百円の違いも積み重なります。手頃なテイクアウトコーヒーが広まった背景には、こうした繰り返しの需要があると考えられます。

「パルリパルリ」と昔ながらの甘いコーヒー

韓国には「パルリパルリ(早く早く)」という、スピードを重視する暮らしぶりを表す言葉があります。

短時間で注文できるアイスアメリカーノは、忙しい都市生活と相性のよい飲み物。ただし、この言葉だけで韓国人の好みを説明できるわけではありません。

そもそも韓国には、砂糖やクリーマー入りの甘いインスタント・ミックスコーヒーを楽しむ歴史もあります。ブラックのアメリカーノ一辺倒ではなく、甘い元祖コーヒーも今なお人気です。

休日はおしゃれな大型カフェへ

平日は格安のテイクアウト、休日はゆったりした大型カフェ。そんな使い分けができるのも韓国らしさです。

空間やインテリア、デザート、写真映えを重視する店もあり、カフェそのものが出かける目的になります。

「安くて大きいコーヒー」と「特別な時間を過ごすカフェ」。両方が発達しているところに、韓国のコーヒー文化の面白さがあります。

日本でも韓国式コーヒーは定着する?

マンモスコーヒーやペクスダバンの進出を見ると、日本でも大容量・低価格というスタイルが広がりそうです。

とはいえ、日本にはコンビニコーヒーやドトール、マクドナルドといった強力な選択肢があります。韓国での成功が、そのまま日本での成功につながるとは限りません。

それでも「940mlで400円」という数字には、つい二度見してしまう迫力があります。これからは量だけでなく、味や注文のしやすさ、韓国ならではのメニューが支持を左右しそうです。

韓国の巨大なアイスアメリカーノは、単なる流行ではなく、日常の飲み方に合わせて進化してきた商品。次に黄色い看板や大きなカップを見かけたら、そんな背景も思い出してみてください。

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