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アンパンマンの素人YouTubeはなぜ大量にある?広告収益と著作権を調査

YouTubeを子どもに見せていると、アンパンマンやばいきんまんなどのおもちゃを手で動かし、声を当てて遊ぶ「ごっこ遊び動画」が出てくることがあります。

テレビアニメの公式動画ではなく、人物もほとんど登場しない素人制作の動画です。「子ども向けYouTubeは広告が付かないのに、なぜこんなに作られているの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、子ども向け動画でも広告収入を得ることは可能です。ただし一般向け動画とは広告の仕組みが異なり、反復的・大量生産型のコンテンツは収益化対象外になり得ます。

さらにアンパンマンのおもちゃを使った非公式動画には、YouTubeの収益化とは別に著作権などの権利問題もあります。

目次

アンパンマンの素人YouTubeはなぜ大量にある?

よく見かけるのが、アンパンマン、ばいきんまん、ドキンちゃんなどのおもちゃやぬいぐるみを使った動画です。

たとえば「アンパンマンがお買い物をする」「ばいきんまんが病院に行く」「みんなで食事をする」といった簡単なストーリーを作り、撮影者がキャラクターを手で動かしながら声を当てます。

こうした動画が作られてきた理由の一つとして考えられるのが、顔出しをせず、比較的シンプルな環境で制作できることです。

  • 出演者の顔出しが必要ない
  • 自宅でも撮影できる
  • 大掛かりなロケを必要としない
  • おもちゃと撮影機材があれば制作できる
  • 買い物、病院、食事などテーマを変えて継続しやすい

幼児が気に入った動画を繰り返し視聴することもあるため、再生回数を積み重ねる可能性があるジャンルでもあります。

ただし、個々の投稿者がどのような目的で制作しているのかは外部からは分かりません。広告収益を得ているチャンネルもあり得ますが、すべての投稿者が収益目的だと断定することはできません。

子ども向けYouTubeは広告が付かないわけではない

ここで誤解しやすいのが、「子ども向けに設定すると広告が一切付かない」という点です。

実際には、子ども向け動画でも広告が表示される場合があります。

YouTubeでは、子ども向けとして設定されたコンテンツについて、ユーザーデータを利用したパーソナライズド広告を掲載していません。一方で、視聴中のコンテンツなどに基づくコンテンツターゲット広告は表示される場合があります。

つまり、「子ども向け動画=広告収入ゼロ」ではありません。

YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加し、収益化の条件やポリシーを満たしているチャンネルなら、子ども向けコンテンツでも広告収益を得られる可能性があります。

そのため、顔を出さずにおもちゃを動かしているように見えるチャンネルでも、継続的に動画を制作する経済的な理由はあり得ます。

ただし、個々のチャンネルが実際に収益化されているか、どの程度の収益があるのかは公開情報だけでは確認できないケースが多いため、特定のチャンネルについて「広告目的」と決めつけることはできません。

同じような動画の大量投稿は収益化対象外になり得る

では、アンパンマンなどのおもちゃを使い、似た内容の動画を大量に投稿すれば収益化できるのでしょうか。

YouTubeの収益化ポリシーでは、オリジナルで「authentic(真正性のある)」コンテンツであることが求められており、大量生産されたものや反復的なものは収益化対象外になり得ます。

2025年7月15日には、従来の「repetitious content(繰り返しの多いコンテンツ)」に関するポリシーについて、反復的または大量生産されたコンテンツも含まれることをより明確にする更新が行われました。

重要なのは、2025年から突然すべての量産動画が禁止されたわけではないことです。YouTubeは、このタイプのコンテンツは以前から既存ポリシーの下で収益化対象外だったと説明しています。

現在のYouTube公式ヘルプでは、収益化できない例として、教育的価値や解説、物語性が乏しく変化の少ない反復コンテンツのほか、「キャラクターが何度も同じ状況に置かれ、同じ結果になる動画」も挙げられています。

逆に、同じキャラクターを使うシリーズでも、動画ごとに異なるストーリー、焦点、コンセプトがあり、内容が実質的に異なっていれば収益化可能な例として示されています。

つまり問題になるのは「人形を動かす動画」という形式そのものではなく、動画ごとに独自の創作性や娯楽・教育上の価値があるかどうかです。

子ども・家族向け動画には品質に関する原則もある

YouTubeは子ども・家族向けコンテンツについて品質に関する原則も設けています。

過度に商業的な内容、教育的に見せながら実際には教育的価値が乏しい内容、理解しにくい動画などは低品質と判断される可能性があります。

低品質な「子ども向け」コンテンツを強く重視しているチャンネルはYPPから停止される可能性があり、個々の動画についても広告掲載が制限される場合があります。

そのため現在は、「おもちゃを使った似た動画を大量に作れば、それだけで収益につながる」とは言えません。

アンパンマンのおもちゃを使えば著作権は大丈夫?

もう一つ気になるのが、「自分で購入したアンパンマンのおもちゃなら自由にYouTube動画で使えるのか」という問題です。

アンパンマン公式ポータルサイトでは、「それいけ!アンパンマン」の商品化・プロモーション使用などに関する権利について、日本テレビ音楽、やなせスタジオ、フレーベル館、トムス・エンタテインメント、日本テレビ放送網などの権利者に帰属すると案内しています。

また、著作権法で認められている場合を除き、権利者の許諾を得ずに著作物を使用・複製・転載・改変などすることはできないとしています。

そのため、正規品のおもちゃを購入したことと、キャラクターの著作物を自由に商用利用できる権利を得ることは同じではありません。

ただし、おもちゃが動画に映っただけで直ちに著作権侵害になると一律に判断できるわけでもありません。具体的な動画の内容やキャラクターの使い方、元の著作物をどのように利用しているかなどによって法的な評価は変わり得ます。

フレーベル館には同社の出版物に関する著作物利用の案内がありますが、出版物以外の「それいけ!アンパンマン」の利用については別の問い合わせ先が案内されています。

少なくとも、YouTube上に動画が公開されたままであることと、権利者から正式な許諾を受けていることは別と考えておいた方がよいでしょう。

なぜ子どもは素人のアンパンマン動画を何度も見る?

親からすると「公式アニメがあるのに、なぜおもちゃを動かしている動画を見たがるの?」と不思議に感じることもあります。

おもちゃを手で動かす様子は、子どもが普段している「ごっこ遊び」に近いものです。買い物、病院、食事、お風呂など、幼児にとって身近な場面を題材にしやすいことも特徴でしょう。

YouTubeも、質の高い子ども・家族向けコンテンツの原則として、創造性や遊び、想像力を促す内容などを挙げています。

つまり、人形を使ったごっこ遊び動画という形式そのものが問題なのではありません。オリジナルのストーリーを持つ人形劇には、子ども向けコンテンツとして成立する要素があります。

一方、アンパンマンなど他者が権利を持つ人気キャラクターを使用する場合は、YouTubeの収益化ルールとは別に権利関係を考える必要があります。

「子ども向けは広告が付かないのに、なぜ大量に投稿されているの?」という疑問については、そもそも子ども向け動画でも広告が完全に禁止されているわけではないことが大きなポイントです。

ただし、反復的・大量生産型コンテンツは以前から収益化対象外になり得て、2025年にはそのルールがより明確化されました。さらに人気キャラクターを利用する場合には別途権利の問題もあります。見た目以上に、現在のキッズYouTubeにはさまざまなルールが関わっています。

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