Travis Japanの新曲「EGO」を見て、昔のジャニーズを思い出した人もいるのではないでしょうか。キレのあるターン、しなやかな腰の動き、視線まで計算されたような決めポーズ。どこか東山紀之さんや少年隊を思わせる華やかさがあります。
振り付けは誰が担当したのか。そして、男性アイドルグループが増えた今、あえて王道のアイドルらしさを見せることには意味があるのでしょうか。公式情報とTravis Japanの歩みをもとに考察します。
Travis Japan「EGO」の振付師は誰?
「EGO」は2026年10月12日に配信され、同日18時に公式ミュージックビデオが公開されました。松田元太さんが出演するテレビ朝日系ドラマ『はだかんぼうたち』の主題歌です。
気になる振付師ですが、10月24日時点で確認した公式の楽曲・MV発表には担当者の名前が掲載されていません。メンバーが振り付けに関わった可能性はありますが、誰が担当したのかは現段階で断定できません。
一方、11月18日発売予定の4枚目のアルバム『Jewelry Basket』は、メンバーの吉澤閑也さんがプロデュースを担当すると公式発表されています。ただし、アルバムのプロデュースと「EGO」の振り付けは別の仕事です。吉澤さんを同曲の振付師と紹介するのは正確ではありません。
公式MVで確かめたいターンと腰の動き
「EGO」のダンスを見て印象に残るのは、力強さだけではない体の使い方です。向きを切り替えるターン、腰から上半身へつながる動き、止まった瞬間のポーズ。激しく踊り続けるのではなく、動きの緩急で色気を見せています。
MVは砂の大地を舞台に7人が踊る映像として告知されました。楽曲そのものも、愛情の裏側にある欲望や孤独を描く大人のラブソング。こうした世界観が、ダンスの艶っぽさをさらに際立たせているように感じます。
東山紀之や少年隊を思わせるのはなぜ?
「EGO」の動きを見て連想するのが、少年隊、とりわけ東山紀之さんのダンスです。もちろん、制作陣が少年隊を参考にしたという発言を確認できたわけではありません。ここからはパフォーマンスを見たうえでの考察です。
ターンの切れ味と立ち姿の美しさ
少年隊のパフォーマンスには、ステップの正確さに加えて、立っているだけでも舞台映えする独特の美しさがありました。東山さんの鋭いターンや、動き終わった瞬間の姿勢を覚えている人も多いでしょう。
Travis Japanも、細かい動きをそろえる技術と、7人それぞれの見せ方を両立してきたグループです。「EGO」で感じる懐かしさは、特定の振りをコピーしているからではなく、姿勢やシルエットまで美しく見せる感覚が通じているからかもしれません。
腰の動きと視線で見せるアイドルの色気
もう一つは、腰や肩の使い方です。往年のジャニーズのステージには、キレのあるダンスの途中に、ふっと色気を漂わせる瞬間がありました。視線を送る、体をひねる、最後にポーズを決める。観客を魅了するショーとしての演出です。
「EGO」にも、単なるダンスの難しさだけでは測れない、見せ方のうまさがあります。どこか昭和から平成にかけての男性アイドルを思わせる一方で、動きは現代的。この組み合わせが新鮮です。
ちなみに、旧ジャニーズの音楽には、時代を超えて記憶に残る独特の表現が数多くあります。楽曲面の魅力についてはジャニーズにトンチキソングが多い理由を考察した記事でも紹介しています。
Travis Japanのルーツは世界レベルのダンスと日本のアイドル文化
Travis Japanは2012年、世界的振付師トラヴィス・ペインさんが関わったオーディションをきっかけに結成されました。グループ名にも、その名前が使われています。
2022年にはアメリカ・ロサンゼルスに留学し、ダンス大会や『America’s Got Talent』に挑戦。同年10月28日に「JUST DANCE!」で世界配信デビューしました。
海外でダンスを磨きながら、日本のアイドルとしての経験も積んできた7人。だからこそ、海外のスタイルを取り入れるだけでなく、日本のアイドルらしい華やかな表現を自分たちの武器にできるのでしょう。
「EGO」のダンスは、昔の振り付けをそのまま再現したというより、海外で培った技術と日本のショー文化が自然に重なったパフォーマンスとして見ると面白い作品です。
男性アイドル戦国時代に「王道ジャニーズ」は差別化になる?
現在はSTARTO所属グループだけでなく、さまざまな事務所の男性アイドルやK-POPグループが人気を集めています。ダンスの上手さを武器にするグループも珍しくありません。
そのなかで、あえてターンの美しさや腰の使い方、舞台的なポーズを際立たせることは、Travis Japanらしさにつながるのではないでしょうか。
注目したいのは、アルバム『Jewelry Basket』の公式コンセプトです。レコード会社は、Travis Japanが憧れ、リスペクトしてきた「王道アイドルエンターテインメント」を今の7人で表現する作品と説明しています。
アルバムのリード曲「POP STAR」は、キラキラとした多幸感を打ち出した王道アイドルソング。一方、2曲目の「EGO」は大人の恋愛を描いた艶やかなダンスナンバーです。明るい王道と大人の色気を、同じアルバムで見せようとしているところも興味深いですね。
しかも、アルバム全体をプロデュースするのは吉澤閑也さん。メンバー自身がグループの魅力をどう届けるか考える作品であることも、今回の方向性を読み解くヒントになりそうです。
K-POPとは違う魅力を磨くという選択
もちろん、K-POPと日本のアイドルを優劣で比べる必要はありません。ダンスの洗練や映像表現に強みを持つグループもあれば、舞台的な華やかさや観客との距離感を大切にするグループもあります。
Travis Japanはその両方を経験してきました。だからこそ、昔ながらのジャニーズらしい表現を取り入れても、懐古的なだけでは終わらない。高いダンス技術を持つ7人が見せることで、新しい魅力になるのだと思います。
ただし、「EGO」の振り付けが他グループとの差別化を目的に作られたという公式説明はありません。ここで述べたのは、楽曲やアルバムの方向性を踏まえた考察です。
まとめ|「EGO」は王道アイドルの魅力を今に伝える一曲
Travis Japanの「EGO」は、東山紀之さんや少年隊を思わせるターン、腰の動き、決めポーズが魅力的な一曲です。振付師は公式発表から特定できませんでしたが、アルバム全体は吉澤閑也さんがプロデュースしています。
何より興味深いのは、Travis Japanが新アルバムで「王道アイドルエンターテインメント」を掲げていること。海外で磨いた技術と日本のアイドル文化を重ね合わせる表現は、男性アイドルが多い今だからこそ個性になりそうです。
昔のジャニーズを見てきた人には懐かしく、若い世代には新鮮に映るかもしれない「EGO」。MVをもう一度見ると、7人のターンや立ち姿にも目がいくのではないでしょうか。
