俳優・声優の土田大(つちだ・ひろし)さんは、どんな作品に出演していたのでしょうか。代表作は『忍者戦隊カクレンジャー』のサイゾウ/ニンジャブルー役と、映画『カーズ』シリーズの主人公ライトニング・マックィーンの日本語吹き替えです。
『進撃の巨人』のグリシャ・イェーガー役や『うさぎドロップ』の河地大吉役なども担当。特撮で姿を見ていた人も、アニメで声を聞いていた人も、実は同じ俳優に親しんでいたことになります。
2026年10月20日には、所属事務所が土田さんの訃報を発表しました。54歳でした。俳優から声優へと活躍の場を広げた経歴と、長く愛された役を振り返ります。
土田大さんの代表作は?カーズから進撃の巨人まで
土田さんの仕事を振り返ると、特撮のヒーローからディズニー映画の主人公、重厚なアニメの父親役まで、驚くほど役柄が幅広いことがわかります。
| 作品 | 役名 |
|---|---|
| 忍者戦隊カクレンジャー | サイゾウ/ニンジャブルー |
| カーズ シリーズ | ライトニング・マックィーン(日本語版) |
| 進撃の巨人 | グリシャ・イェーガー |
| うさぎドロップ | 河地大吉 |
| 新劇場版 頭文字D | 池谷浩一郎 |
| ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top | 沖田トレーナー |
| 機動戦士ガンダム 水星の魔女 | ナディム・サマヤ |
| ウルトラマンデッカー | HANE2(ハネジロー)の声 |
| 龍が如く シリーズ | 一輝 |
『カーズ』主人公マックィーンの日本語吹き替え
土田さんの声を知らず知らずのうちに聞いていた、という人も多いはずです。その代表例がディズニー&ピクサーの映画『カーズ』。赤いレーシングカー、ライトニング・マックィーンの日本語吹き替えを担当しました。
自信満々で少し生意気、それでいて仲間との出会いを通じて変わっていくマックィーン。勢いのあるせりふも、ふと見せる優しさも、土田さんの声とともに記憶に残っているのではないでしょうか。
『カーズ2』『カーズ/クロスロード』でも主人公の声を担当しています。子どもと一緒に映画を見ていた保護者世代にとっても、親しみ深い声でした。
『進撃の巨人』ではエレンの父・グリシャ役
一方、『進撃の巨人』で演じたグリシャ・イェーガーは、マックィーンとはまったく違う人物です。主人公エレンの父であり、物語の根幹に関わる重要な役どころでした。
明るく勢いのあるレーシングカーと、重い過去を背負う父親。この2役だけでも、土田さんの表現の幅がよくわかります。
『うさぎドロップ』では主人公の会社員役
2011年のアニメ『うさぎドロップ』では、主人公の河地大吉役を務めました。大吉は、祖父の葬儀で出会った少女りんを引き取り、突然子育てを始める独身会社員です。
特別な力を持つヒーローではなく、仕事と生活の間で戸惑う普通の大人。そんな人物を自然に演じているところにも、土田さんらしさが表れています。
『ウマ娘』『水星の魔女』『龍が如く』にも出演
近年も活躍は続き、『ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top』では沖田トレーナー、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』ではナディム・サマヤを演じました。
ゲーム『龍が如く』シリーズでは、ホストクラブ「スターダスト」の店長・一輝役を担当。訃報を受けて、シリーズの開発元であるRGGスタジオも追悼メッセージを発表しています。
特撮、アニメ、映画、ゲーム。好きな作品のジャンルが違っても、土田さんの声に出会っていた人は少なくなかったでしょう。
土田大さんの経歴!ニンジャブルーから声優へ
土田さんは1972年2月8日生まれ、東京都出身。俳優として注目されたのは、1994年から1995年にかけて放送された『忍者戦隊カクレンジャー』でした。
1994年『忍者戦隊カクレンジャー』で注目
『カクレンジャー』は、忍者の末裔である5人が妖怪と戦うスーパー戦隊シリーズ第18作。土田さんはサイゾウ/ニンジャブルー役として出演しました。
コミカルな場面も多い作品で、サイゾウは親しみやすいキャラクターの一人。1990年代にテレビの前で応援していた人には、土田さんといえば今でもニンジャブルーかもしれません。
その後は声優やナレーターとして活動を広げ、『NARUTO -ナルト-』『ONE PIECE』『とっとこハム太郎』など多くのアニメ作品にも参加しました。俳優としての経験を生かし、声だけでさまざまな人物を演じる仕事でも存在感を発揮していきます。
2024年には30年ぶりにサイゾウ役で復帰
2024年には『忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編』で、30年ぶりにサイゾウを演じました。かつてのレギュラーキャストが再び集まり、年月を重ねたヒーローたちの姿が描かれています。
長年声優として活躍してきた土田さんが、俳優として知られるきっかけになった役へ戻ってきたことは、往年のファンにとって特別な出来事だったはずです。
訃報を受け、東映特撮ファンクラブはこの続編を追悼のため期間限定で無料公開すると発表しました。東映特撮YouTube Officialでの公開期間は2026年10月23日23時59分までです。
土田大さんが54歳で死去、出演作に残る声と演技
所属する81プロデュースは2026年10月20日、土田さんが同月11日に心不全のため亡くなったことを発表しました。54歳でした。葬儀は遺族の意向により、親族のみで執り行われたとしています。
訃報を受け、『進撃の巨人』で共演した梶裕貴さんをはじめ、声優仲間や作品関係者から追悼の声が寄せられました。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の公式サイトも、ナディム・サマヤ役を演じた土田さんへの感謝と哀悼の意を表しています。
ニンジャブルーとして姿を見せ、マックィーンとして子どもたちを楽しませ、グリシャとして物語の重みを伝えた土田さん。作品によって声の印象が違うからこそ、出演作を改めて調べて驚いた人もいるでしょう。
一つの役だけでは語りきれない幅広さが、土田大さんの大きな魅力でした。残された作品の中で、その演技にこれからも触れることができます。