巨人の浅野翔吾選手は、なぜドラフト1位の期待に応えきれていないのでしょうか。
2026年までの一軍通算成績は102試合、打率.222、7本塁打。一方で二軍では高い打率を残しており、「打てない選手」と単純に片づけられないのが実情です。打撃フォームや守備の課題、繰り返すケガ、同期の森下翔太選手との差まで、数字と関係者の発言から振り返ります。
浅野翔吾が伸び悩む理由は?一軍と二軍の成績に大きな差
2022年のドラフトで巨人と阪神が競合し、巨人に1位指名された浅野選手。高松商業時代には長打力と俊足で注目され、将来の中心選手として期待されました。
しかし、一軍での出場試合数は2024年の40試合が最多。2025年は29試合、2026年は9試合にとどまっています。
| 年度 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 出塁率 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 24 | .250 | 1 | .268 |
| 2024 | 40 | .240 | 3 | .282 |
| 2025 | 29 | .187 | 2 | .244 |
| 2026 | 9 | .185 | 1 | .214 |
出典:NPB公式・浅野翔吾年度別成績(2026年終了時点)
一軍通算310打席という数字も見逃せません。結果を出さなければ出番は増えず、出番が少なければ一軍投手への対応を試す機会も減る。若手には難しい循環です。
ところが2026年7月時点、二軍では47試合で打率.333、4本塁打、OPS.906と好調でした。二軍では打てるのに一軍では打率.185。この差こそ、浅野選手を考えるうえで重要なポイントです。
元コーチが指摘した「打撃フォーム」の問題
2026年8月のデイリースポーツでは、巨人などで打撃指導に携わった内田順三氏が、浅野選手は一軍に上がるたびに打撃フォームが違うと指摘しています。フォームを試行錯誤していることがうかがえる一方、安定した形をつかむ難しさも浮かび上がります。
さらに6月のweb Sportivaでは、巨人OBの篠塚和典氏が、長打を狙う意識が強すぎると指摘。状況に応じてバットを短く持ち、ミートを優先する工夫も必要ではないかと提案しました。
どちらも専門家による見解であり、打撃不振の原因が一つに特定されたわけではありません。それでも、持ち味の長打力を生かしながら確実性を高めることが課題だと読み取れます。
打撃だけでなく送球にも課題があった
実は守備面にも取り組むべきテーマがありました。2026年1月の日刊スポーツによると、浅野選手は前年秋から送球技術を見直し、自主練習でも重点的に取り組んでいました。
外野手は打てば必ず出場できるわけではありません。送球への不安を減らし、守備で信頼を得ることも一軍定着の条件になります。浅野選手自身は当時、送球時の怖さが薄れてきたと話していました。
ケガが続いた4年間!右膝半月板手術と復帰の見通し
技術面と並んで大きいのがコンディションの問題です。2025年には右手首を負傷し、2026年の春季キャンプでは右ふくらはぎの肉離れで出遅れました。
そして2026年8月4日、二軍のDeNA戦で途中交代。その後右膝痛で故障班に入り、8月27日に「右膝内側半月板縫合術」を受けたと巨人が発表しました。
半月板は膝関節にある組織で、縫合術は損傷部分を縫い合わせる手術です。ただし、復帰までの期間は損傷や術後の状態によって異なるため、一般的な目安だけで浅野選手の復帰時期を決めつけることはできません。
10月21日のスポーツ報知では、手術後は松葉づえを使う時期もあったものの、歩行や軽い打撃練習ができるまで回復したと伝えられています。一方、実戦復帰や一軍復帰の具体的な日付は明らかになっていません。
打撃だけでなく走塁や外野守備もこなせる状態に戻す必要があります。焦らず回復させることが、2027年以降の活躍にもつながるはずです。
同期の森下翔太との差はなぜ開いた?2027年に必要なこと
2022年ドラフト1位の外野手として、阪神の森下翔太選手と比較されることもあります。2026年の一軍成績を見ると、確かに大きな差があります。
| 2026年 | 浅野翔吾 | 森下翔太 |
|---|---|---|
| 試合 | 9 | 143 |
| 打率 | .185 | .292 |
| 本塁打 | 1 | 35 |
| 打点 | 1 | 84 |
ただし、浅野選手は高卒、森下選手は中央大学を経た大卒で、プロ入り時点の年齢は約4歳違います。同じ入団年でも成長段階が違うため、数字だけで選手としての将来性を比較するのは公平ではありません。
興味深いのは、浅野選手が森下選手を単に遠くから見ていたわけではないこと。2025年末には森下選手らが通うトレーニング施設を訪れ、試合での打席の考え方などを聞いたと報じられています。ライバルから学ぼうとする姿勢も見せていたのです。
2026年にも決勝ホームランを放っていた
苦しいシーズンにも明るい場面はありました。6月20日の中日戦では、浅野選手が決勝のソロ本塁打を記録。チームを1対0の勝利に導きました。
一軍で通用する長打力を見せた一方、安定して打席に立ち続けるまでには至りませんでした。だからこそ、復帰後は一度の活躍だけでなく、継続して結果を出すことが大切になります。
2026年10月21日のスポーツ報知で浅野選手は、プロ5年目に向けて結果を残さなければならないという危機感を語っています。ただし、本人の危機感と球団による戦力外の判断は別の話です。現時点で戦力外が決まったという情報はありません。
2027年に向けては、まず右膝の回復が第一。そのうえで打撃の確実性と守備を磨き、一軍で継続して起用される状態をつくれるかが焦点です。
まとめ:浅野翔吾はまだ復活できる?
浅野翔吾選手が伸び悩んでいる背景には、一軍と二軍での成績差、打撃フォームの試行錯誤、送球の課題、そして相次ぐケガがありました。どれか一つが唯一の原因とは言い切れません。
2026年には二軍で高い打率を残し、一軍でも決勝本塁打を放っています。能力を示す場面は確かにありました。
2026年10月現在は21歳。高卒5年目を迎える2027年が重要な年になるのは間違いありませんが、可能性がなくなったと判断するには早すぎます。まずは右膝を治し、再び一軍で持ち味の打撃を見せてほしいところです。