「世界最強レベル」という宣伝で知られる空気清浄機、エアドッグ(Airdog)。本当に効果があるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
しかも、10万円を超えるモデルが多いのに、家電量販店ではあまり見かけず、高島屋などの百貨店で販売されています。なぜなのでしょう。
結論からいうと、エアドッグには空気中の微粒子を除去する性能を示す試験結果があります。ただし、他社の空気清浄機より必ず優れているとはいえません。また、販売先は公式サイトと高島屋だけではありません。
エアドッグは本当に効く?TPAフィルターの仕組み
エアドッグの特徴は「TPAフィルター」という電気集じん方式です。
空気中の粒子を帯電させ、集じん部に吸着させます。一般的なHEPAフィルターのように繊維状のフィルターで捕まえる方式とは仕組みが違いますが、電気集じん自体は以前から利用されている技術です。
メーカーが紹介する試験では、X5Dと清浄能力が同等とされるX5sを用い、30立方メートルの試験空間で0.0146マイクロメートルの粒子を42分で99.9%以上除去したとしています。
数字だけ見ると驚きますが、これは試験空間での結果。家庭のリビングで同じ時間・同じ割合で除去できるという意味ではありません。
「小さな粒子を取れる」だけでは比較できない
空気清浄機選びで大切なのは、粒子の小ささだけではありません。どれだけ多くの空気を処理できるか、つまり清浄空気供給量(CADR)も重要です。
エアドッグX5Dの公式ページには「30分間で65平方メートル分のキレイな空気を供給」と記載されています。ただし、これは一定の試験規格に基づく数値を換算したもので、部屋の汚れが30分で完全になくなるという意味ではありません。
「世界最強レベル」という表現だけで、シャープやダイキンなどの全製品より優れていると判断するのは早計でしょう。
花粉・ウイルス・ニオイにも効果がある?
花粉やハウスダストなど、空中に浮かぶ粒子を減らすことは期待できます。ただし、床や寝具に付着した花粉は掃除も必要です。
ウイルスを含む浮遊粒子も空気清浄の対象になり得ますが、空気清浄機だけで感染を防げるわけではありません。換気やその他の感染対策との併用が基本です。
また、粒子を取る能力と、生活臭やガス状の化学物質を除去する能力は別です。ニオイ対策が目的なら脱臭性能も個別に確認しましょう。
フィルター交換不要でも手入れは必要
エアドッグは集じんフィルターを洗って繰り返し使える点も売りにしています。
交換用集じんフィルターの費用を抑えられるのは魅力ですが、定期的に取り外して洗浄し、十分に乾燥させる手間があります。すべての部品が永久に交換不要というわけでもありません。
電気集じん方式で気になるオゾンについては、メーカーはオゾン除去フィルターを搭載していると説明しています。安全性を判断する際は、実際の排出濃度や試験条件を確認することが大切です。
エアドッグはなぜ高島屋で売っている?販売店の謎
「公式と高島屋でしか売っていない」という印象がありますが、これは正確ではありません。
エアドッグの公式店舗一覧には、高島屋以外にも大丸、松坂屋、三越、そごう、東武百貨店などが掲載されています。百貨店以外の取扱業者も存在します。
さらに、公式サイトのほか、公式のネット通販店舗でも購入できます。購入する際は店舗名だけでなく、正規販売店かどうかを確かめたいところです。
なぜ家電量販店ではあまり見かけない?
一般的な家電量販店では、複数メーカーの製品が並び、値引きやポイント還元も含めて比較できます。
一方、エアドッグは高価格帯の製品が中心。百貨店の売場なら、価格だけでなく、特徴や手入れ方法を説明しながら販売しやすい面があります。
販売先を選ぶことがブランドイメージや価格管理につながる可能性もありますが、メーカーが「値崩れを防ぐために量販店で売らない」と説明した事実は確認できません。販売戦略については、あくまで考えられる理由と区別する必要があります。
また、高島屋の独占販売でもありません。百貨店で売っていること自体が、他社より高性能である証拠になるわけでもないのです。
正規品と並行輸入品の違いに注意
エアドッグ公式は、並行輸入品について、日本向けの電圧や表示、説明書が異なる場合があり、保証対象外になると注意喚起しています。
高額な商品だからこそ、購入価格だけでなく国内保証と修理対応も確認したいですね。
10万円超えの価値はある?購入前に比べたいポイント
公式販売ページで確認できるX3Dは11万9,900円、X5Dは14万9,600円(税込)の掲載例があります。販売ページや時期、色によって価格が異なる場合があるため、購入時に再確認してください。
これだけ高いと「普通の空気清浄機とは別格なのでは」と期待してしまいます。
しかし、価格には製品の機能だけでなく、製造・流通・販売などさまざまな費用が関係します。エアドッグの価格のうち、技術開発や広告にどの程度かかっているかは公開情報から判断できません。
X5Dには空気の状態を表示するAQIセンサーやCO2センサーも搭載されています。ただし、CO2濃度を測れることと、二酸化炭素を除去できることは別です。CO2の数値が高いときは換気が必要になります。
買ってから後悔しないためには?
購入前には、同じ部屋の広さを想定した清浄能力、運転音、消費電力、脱臭性能、メンテナンスの手間を比べてみましょう。
集じんフィルターを洗って長く使いたい人には、エアドッグの仕組みが魅力になるでしょう。反対に、初期費用を抑えたい人や水洗いが面倒な人には、HEPAフィルター方式も有力な選択肢です。
なお、エアドッグには公式レンタルサービスもあります。いきなり購入するのが不安なら、利用条件や最低利用期間を確認したうえで試す方法もあります。
動画で見ると手入れのイメージがつかみやすい
エアドッグ公式サイトでは、木村拓哉さんのYouTube番組「木村さ~~ん!」で実際に購入した様子を紹介しています。製品についての疑問やお手入れ方法が話題になっており、購入前の参考になります。
ただし、購入動画は性能を科学的に比較した試験ではありません。商品の使い勝手を知るための参考として見るのがよさそうです。
まとめ|エアドッグは効果が期待できるが「最強」とは限らない
エアドッグは電気集じん技術を使い、空気中の微粒子を減らす効果を示す試験結果がある空気清浄機です。
一方、他社の同価格帯・同クラス製品より必ず高性能とはいえず、ウイルス対策や脱臭も万能ではありません。
高島屋だけでなく複数の百貨店や正規販売店で扱われていますが、販売経路を選んでいる詳しい理由は公表資料だけでは断定できません。
値段や宣伝文句だけで決めず、清浄能力と維持費、手入れのしやすさを比較して選ぶのがよさそうです。
参考情報
Airdog公式・X5D製品情報
Airdog公式・店舗一覧
Airdog公式・お手入れとサポート
米国EPA・家庭用空気清浄機ガイド
