少女漫画雑誌の「三強」として名前が挙がる『りぼん』『なかよし』『ちゃお』。Xでも「りぼん、なかよしと並ぶもう一誌は?」という投稿がきっかけで、子どもの頃の愛読誌を思い出す声が見られます。
2026年に入っても3誌は発行されており、確認できる2026年1〜3月の印刷部数ではりぼんが92,500部でトップ、ちゃお72,500部、なかよし20,350部の順です。かつては200万部を超える雑誌もありました。全盛期の作品と、順位が入れ替わった経緯を振り返ります。
りぼん・なかよし・ちゃおは現在どうなっている?最新の発行部数
3誌はいずれも月刊の少女漫画雑誌です。出版社と創刊年は、りぼんが集英社・1955年、なかよしが講談社・1954年、ちゃおが小学館・1977年。もっとも歴史が長いのは『なかよし』です。
日本雑誌協会が公表する2026年1〜3月の、1号あたり平均印刷部数は次のとおりです。
- 1位:りぼん/92,500部
- 2位:ちゃお/72,500部
- 3位:なかよし/20,350部
2025年10〜12月の同データでは、りぼん100,000部、ちゃお75,000部、なかよし22,000部でした。直近で確認できる期ではいずれも減少しています。
注意したいのは、これは販売部数ではなく印刷部数ということ。電子版の読者数も含まないため、数字だけで作品の人気すべてを比較することはできません。なお、記事作成時点で日本雑誌協会の個別掲載ページには2026年4〜6月分の数字が表示されていないため、ここでは確認できる1〜3月分を採用しています。
りぼん・なかよし・ちゃおの全盛期と代表作品
りぼん|90年代に255万部を記録した黄金期
『りぼん』の象徴的な記録は1994年の255万部です。90年代には、学校や恋愛、友情を描く作品とアニメ化作品が並び、多くの読者に親しまれました。
- 『ちびまる子ちゃん』/さくらももこ
- 『姫ちゃんのリボン』/水沢めぐみ
- 『ママレード・ボーイ』/吉住渉
- 『天使なんかじゃない』/矢沢あい
- 『赤ずきんチャチャ』/彩花みん
- 『こどものおもちゃ』/小花美穂
- 『神風怪盗ジャンヌ』/種村有菜
- 『GALS!』/藤井みほな
『ちびまる子ちゃん』のテレビアニメは1990年に放送開始。『姫ちゃんのリボン』『ママレード・ボーイ』『こどものおもちゃ』などもアニメ化されました。作品を読んでいた世代にとって、雑誌の表紙や付録も懐かしい記憶の一つでしょう。
2025年には創刊70周年を迎えました。かつての人気作も周年企画などを通じて親しまれています。
なかよし|セーラームーンと魔法少女作品が人気
『なかよし』の1990年代を語るうえで欠かせないのが『美少女戦士セーラームーン』。漫画は1991年末に発売された1992年2月号から連載され、テレビアニメは1992年に始まりました。
- 『きんぎょ注意報!』/猫部ねこ
- 『美少女戦士セーラームーン』/武内直子
- 『魔法騎士レイアース』/CLAMP
- 『怪盗セイント・テール』/立川恵
- 『あずきちゃん』/秋元康・木村千歌
- 『カードキャプターさくら』/CLAMP
- 『東京ミュウミュウ』/征海美亜ほか
- 『しゅごキャラ!』/PEACH-PIT
『セーラームーン』や『カードキャプターさくら』に代表される、変身、魔法、仲間との友情などの要素が印象的です。一方、『あずきちゃん』のような身近な日常や恋愛を描く作品もありました。
2024年には創刊70周年を迎え、2026年には『しゅごキャラ!』20周年を記念した誌面企画も実施。往年の作品を現在の読者に届ける取り組みが続いています。
ちゃお|2000年代に躍進した後発の雑誌
3誌の中では創刊が遅い『ちゃお』ですが、2000年代に勢いを増し、発行部数で先行2誌を上回りました。
- 『こっちむいて!みい子』/おのえりこ
- 『水色時代』/やぶうち優
- 『ミルモでポン!』/篠塚ひろむ
- 『きらりん☆レボリューション』/中原杏
- 『極上!!めちゃモテ委員長』/にしむらともこ
- 『12歳。』/まいた菜穂
『ミルモでポン!』や『きらりん☆レボリューション』はアニメ化され、漫画以外にも人気が広がりました。『きらりん☆レボリューション』では、アニメの主人公役を務めた久住小春の音楽活動との連動も印象的です。
作品だけでなく、文房具や小物といった付録、トレンド情報、イベントなどを組み合わせてきたことも雑誌の特徴として挙げられます。
ちゃおがりぼんとなかよしを逆転したのはなぜ?
1990年代の圧倒的な『りぼん』人気から、2000年代の『ちゃお』優勢へ。逆転は一度に起こったのではなく、少しずつ読者の支持が変わっていった結果と考えられます。
1992年の『ぴょんぴょん』統合と付録の工夫
『ちゃお』は1992年、同じ小学館の少女漫画雑誌『ぴょんぴょん』を統合しました。その後、付録の強化や小学生向けの企画を充実させていきます。
当時の少女漫画雑誌には、レターセット、シール、メモ帳などの付録も大きな魅力がありました。好きな漫画の続きと同じくらい、付録を楽しみにしていたという人も多かったのではないでしょうか。
読者調査では2001年にトップ、2002年には100万部突破
Real Soundが過去の出版データを振り返った記事によると、2001年の学校読書調査では小学4・5年生女子の「読んでいる雑誌」で『ちゃお』が『りぼん』を抜いてトップに。2002年には発行部数100万部を突破したと紹介されています。
ただし、読者調査の順位と発行部数の順位は異なる指標です。逆転の時期を一つの日付に断定するのではなく、2000年代初めに支持を広げていった流れとして捉えるのが適切でしょう。
付録だけが成功の理由とは言い切れません。アニメ化作品、テレビ番組などを通じた認知の広がり、想定読者に合った作品づくりなど、複数の要素が重なった可能性があります。
発行部数が減っても3誌は続く|紙の雑誌以外に広がる楽しみ方
2026年の印刷部数は、90年代のピークとは大きく異なります。背景には少子化や、漫画を読む場所が紙の雑誌だけではなくなったことなどが考えられます。ただし、要因別の影響を今回の部数データだけで証明することはできません。
現在は単行本や電子コミック、動画配信、アニメ、イベント、グッズなど、作品に触れる方法が多様になりました。紙の雑誌の数字が減ったことと、少女漫画作品が親しまれなくなったことは同じではありません。
ちなみに『花とゆめ』『LaLa』『マーガレット』なども長く親しまれている少女漫画誌です。「りぼん・なかよし・ちゃおの三強」は、とくに小中学生向けの月刊誌を振り返る際の呼び方と考えると分かりやすいでしょう。
90年代の漫画・アニメが生まれた時代背景に関心がある方は、ルーズソックスと90年代の人気漫画文化を振り返る記事もあわせてどうぞ。また、当時子どもたちに流行したものについては、90年代のおもちゃ特集でも紹介しています。
愛読していた雑誌は人それぞれでも、友達と漫画の話をしたり、付録を使ったりした記憶には共通するものがありそうです。『りぼん』『なかよし』『ちゃお』が今も続いていることを知ると、久しぶりに本屋で表紙を見比べたくなりますね。
