ブックオフはなぜ過去最高売上?本より売れる商品と復活の理由を解説

「本を売るならブックオフ」のCMで知られるBOOKOFF(ブックオフ)。ところが現在、国内直営店で最も売上構成比が高いのは本ではなく、トレーディングカードやホビー商品です。

ブックオフグループの2026年5月期売上高は過去最高の約1,301億円。さらに2026年10月発表の最新四半期決算でも増収増益となりました。

なぜ本やCDのデジタル化が進む時代に業績を伸ばせたのでしょうか。売れている商品、店舗の変化、TSUTAYAとの違いを整理します。

目次

ブックオフは本以外で何が売れている?1位はトレカ・ホビー

2026年5月期の国内直営店における商品別売上構成比では、トレーディングカード・ホビーが23.4%でトップ。書籍の21.3%を上回りました。

  • トレカ・ホビー:23.4%
  • 書籍:21.3%
  • 音楽・映像・ゲーム:20.7%
  • アパレル:11.9%
  • 貴金属・時計・ブランドバッグ:9.6%
  • 家電・携帯電話:5.0%
  • スポーツ・アウトドア用品:3.6%
  • その他:4.6%

これはグループ全体ではなく、国内直営店の商品別構成比です。端数処理のため合計は100%と一致しない場合があります。

トレカ・ホビーの売上は前年比17.1%増。一方、書籍も前年比3.7%増であり、「本が売れなくなったから急いで別商品に切り替えた」という単純な構図ではありません。従来の中古本販売を続けながら、新たな商品が成長しているのです。

トレカを売る店から遊べる店へ

ポケモンカードなどのトレカは、対戦する人だけでなく、コレクションを楽しむ人にも需要があります。ブックオフはカードの買い取り・販売に加え、対戦スペースを設ける店舗づくりも進めています。

2026年10月10日には、千葉県松戸市にトレカ専門店「Japan TCG Center キテミテマツド店」がオープン。ブックオフグループの同業態として9店舗目で、10月14日の公式発表では32席の対戦スペースを設けたと説明されています。

買い物だけでなく対戦や交流を目的に来店する機会が生まれることは、従来の書籍売り場とは異なる強みと考えられます。

ブックオフが過去最高売上を記録した3つの理由

ブックオフグループは2026年5月期に連結売上高約1,301億円、経常利益約47億円を記録しました。前年比では売上高が9.2%増、経常利益が20.9%増で、いずれも過去最高です。

①大型店で本以外の商品を広く扱うようになった

「BOOKOFF SUPER BAZAAR」などの大型店では、書籍だけでなく衣料品、家電、おもちゃ、スポーツ用品など多様な中古品を扱っています。

2026年5月期には大型総合リユース店を中心に国内11店舗を新規出店。既存店でもトレカ・ホビー売り場の拡充などを進めました。

以前は「読み終わった本を売りに行く店」という印象が強かったものの、現在は家の不用品をまとめて売買できる場所へと変化しています。家族連れなど幅広い客層が利用しやすいことも特徴です。

②ブランド品や貴金属など高額商品も強化

ブックオフグループは、時計・ブランドバッグ・貴金属などを買い取るプレミアムサービス事業も展開しています。「hugall(ハグオール)」や「Rehello by BOOKOFF」など、従来の中古本売り場とは異なる窓口も設けています。

単価の高い商品を扱うことで取引額を大きくできる可能性があります。ただし、売上単価が高いことと利益率が高いことは同じではありません。相場や査定、在庫管理も重要になります。

③海外でも日本の中古品を販売

海外ではアメリカの「BOOKOFF」、マレーシアなどの「Jalan Jalan Japan」を展開しています。国内で培った中古品の売買ノウハウを海外にも広げているのです。

本・CDだけに依存せず、国内の総合リユース、高額品買い取り、海外事業という複数の柱を育ててきたことが、売上拡大の背景にあります。

TSUTAYAとブックオフは何が違う?事業転換の方向性を比較

本やCD・DVDを扱ってきた会社という点で、ブックオフはTSUTAYAと比較されがちです。ただし、TSUTAYAはレンタル・販売、ブックオフは中古品の買い取り・販売が中心で、もともとのビジネスモデルは異なります。

動画配信や音楽ストリーミングが普及したことで、DVD・CDのレンタル需要を取り巻く環境は変わりました。TSUTAYAは書店とカフェを組み合わせた店舗など、サービスの転換を進めています。

一方、ブックオフが強化したのは、トレカ、衣料品、ブランドバッグ、スポーツ用品といった「実物を所有し、売買すること」に価値がある商品です。映像や音楽のように配信サービスだけで代替しにくい点は、両社の事業の違いを考えるヒントになります。

ただし、これだけでTSUTAYAの業績とブックオフの業績の明暗が決まったとは断定できません。店舗戦略や各社の事業範囲も異なるためです。

ゲオのセカンドストリートとも共通点

ゲームや映像ソフトの取り扱いで知られるゲオグループも、衣料品や家具などを扱う「セカンドストリート」を展開しています。両社に共通するのは、かつての主力商品だけにとどまらず、総合リユースへ事業を広げていることです。

2026年10月の最新決算でも増収増益!今後の成長は?

2026年10月13日に発表された2027年5月期第1四半期(2026年6~8月)決算でも、好調が続いています。

  • 連結売上高:326億2,000万円(前年同期比10.5%増)
  • 経常利益:9億5,900万円(前年同期比63.5%増)

年間売上が過去最高だった2026年5月期に続き、新年度の第1四半期も増収増益でした。ただし、四半期だけの数字で今後1年間の成長が確定したわけではありません。

ブックオフグループは国内ブックオフ事業、海外事業、プレミアムサービス事業の拡大を進めています。2026年2月には伊藤忠商事との資本業務提携も発表しました。

今後はトレカ人気の持続や中古品の仕入れ状況、高額商品の相場、海外店舗の採算などが注目点となりそうです。

「本を売るならブックオフ」というイメージは今もおなじみですが、実際には本以外の商品が大きな柱になっています。本の売上も維持・拡大しながら、トレカや衣料品、ブランド品まで守備範囲を広げてきたことが、過去最高売上につながったといえそうです。

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