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映画『負けへんで』の実話モデル山岸忍とは?逮捕から無罪判決の真相

2026年11月13日公開予定の映画『負けへんで』は、不動産会社プレサンスコーポレーションの創業社長・山岸忍さんが逮捕され、のちに無罪が確定した事件を題材にしています。

山岸さんは2019年12月に業務上横領の共犯として逮捕・起訴され、248日間勾留されました。しかし2021年10月、大阪地裁が無罪を言い渡し、判決は確定しました。なぜ逮捕されたのか、無罪になった理由とその後の裁判まで整理します。

目次

映画『負けへんで』のモデル・山岸忍とは?

山岸忍さんは、大阪を拠点にマンション開発・販売を手がけるプレサンスコーポレーションを創業し、上場企業へ育てた実業家です。2019年の逮捕当時は同社社長でしたが、事件を受けて退任しました。

映画は山岸さんの著書『負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部』を原作とし、内野聖陽さんが山岸さんをモデルにした不動産会社社長を演じます。実在の人物や会社の名称は映画用に変更されており、劇中の細部がすべて史実とは限りません。

なぜ逮捕された?明浄学院をめぐる事件の経緯

事件の舞台となったのは、学校法人明浄学院の土地取引です。学校法人が受け取った土地売買の手付金21億円が、関係者によって不正に流用されたとして業務上横領事件に発展しました。

山岸さんは学校法人の移転・再建に関係する資金と認識して個人資金18億円を貸し付けていましたが、検察側は、資金が学校法人の経営権取得などに使われる計画を知りながら関与したと主張しました。

一方、山岸さんは横領計画を知らなかったとして一貫して否認しました。裁判で問われた中心的な問題は、山岸さんが資金の不正流用を認識し、関係者と共謀していたといえるかどうかでした。

逮捕は2019年12月16日。山岸さんは248日間勾留され、経営の第一線から離れました。学校法人の公表資料によると、2020年には山岸さんが21億円の返還請求権を買い取り、学校法人へ同額を支払っています。この対応は横領への関与を認めたという意味ではありません。

無罪判決の理由は?取り調べの問題も浮上

2021年10月28日、大阪地裁は山岸さんに無罪を言い渡しました。検察側が控訴せず、無罪判決は確定しています。

裁判では、山岸さんの関与を示すとされた元部下の供述の信用性が重要な争点となりました。取り調べの録音・録画からは、検察官による厳しい追及の様子も明らかになりました。

大阪地裁は供述が形成された経緯などを踏まえて信用性を慎重に検討し、山岸さんが横領計画を知っていたと認めるには合理的な疑いが残ると判断しました。無罪の理由を単純に「取り調べが厳しかったから」とするのは正確ではありません。犯罪への関与を立証する証拠が十分ではなかったことが重要です。

無罪確定後、取り調べを担当した田渕大輔検事の刑事責任を問う裁判も始まりました。2026年10月6日の公判で田渕検事側は無罪を主張しています。検事自身の刑事責任については、2026年10月8日時点で結論が出ていません。

山岸忍の現在は?国への損害賠償請求も

山岸さんは無罪確定後も、プレサンスコーポレーションの社長には復帰していません。現在の仕事全般については、公表情報だけで断定できませんが、事件をめぐる司法手続きには引き続き関わっています。

山岸さんは国に約7億7000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。2025年3月、大阪地裁は請求を棄却。刑事事件で無罪となったことと、逮捕・起訴が国家賠償法上違法であるかは別の判断であり、捜査に問題が指摘される部分があっても国の賠償責任までは認められませんでした。

山岸さん側は控訴し、2026年9月17日に大阪高裁で控訴審の口頭弁論が開かれました。国の賠償責任に関する中間判決は2027年1月27日に予定されています。したがって、無罪確定後も事件をめぐる法的な争いは続いています。

映画『負けへんで』と実話の違いは?

映画は実際の事件を基にした作品ですが、登場人物の名前や物語の構成には脚色があります。山岸さん本人の体験を知りたい場合は、原作の著書や刑事裁判の報道を併せて確認することが大切です。

この事件の特徴は、上場企業の現職社長が逮捕され、長期勾留と社長退任を経た後に無罪が確定したことです。一方、無罪になったからといって失った時間や立場が自動的に回復するわけではありません。

映画公開を機に注目されるのは、逮捕の衝撃だけでなく、証拠の評価や取り調べのあり方、そして無罪確定後も続く山岸さんの闘いでしょう。今後の裁判の結果にも注目したいところです。

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