コンビニやスーパーでは缶が当たり前のチューハイですが、SNSで「ペットボトルのチューハイを見つけた」という投稿が注目されています。
写っているのは宝酒造の「タカラcanチューハイ〈レモン〉500MLペット」。一見すると珍しい商品ですが、宝酒造の公式サイトに掲載されている商品です。
では、どこで売っているのでしょうか。また、コーラなどの炭酸飲料ではPETが一般的なのに、なぜチューハイでは少数派なのでしょうか。販売状況やほかの商品も含めて整理します。
ペットボトルのチューハイは本当に売っている
SNSに投稿されていたのは、宝酒造の「タカラcanチューハイ〈レモン〉500MLペット」です。
商品名には「can」と入っていますが、宝酒造の商品情報には容器がPETと明記されています。
- 商品名:タカラcanチューハイ〈レモン〉500MLペット
- 容量:500ml
- アルコール度数:8%
- 容器:PET
- 参考小売価格:296円(税抜)
- 賞味期限:270日
特徴はキャップを閉め直せること。宝酒造も「リキャップ可能な500mlペットボトル」と案内しており、飲み切れないときにふたを閉められるのは缶にはないメリットです。
実は昔から存在していた
最近登場した新商品と思うかもしれませんが、PETタイプは少なくとも2009年には存在していました。
宝酒造が2009年に発表した「タカラcanチューハイ」の商品概要では、250ml・350ml・500mlのアルミ缶に加え、500ml PET、600ml瓶、1.5L PETもラインアップされていました。
つまり、SNSで突然登場した商品ではなく、以前から販売されてきた商品です。「タカラcanチューハイ」自体も1984年発売のロングセラーです。
ペットボトルのチューハイはどこで売ってる?
2026年10月時点で宝酒造の商品ページに掲載されているほか、酒類を扱う通販サイトなどでも500ml PETの取り扱いが確認できます。
一方、宝酒造の商品ページでは「全国のコンビニで販売」といった具体的な店舗までは案内されていません。店舗や地域によって取り扱い状況が異なる可能性があります。
店頭で探す場合は、商品名に加えてJANコード4904670451710を伝えて酒販店などに確認すると探しやすいでしょう。
ほかにもペットボトルのチューハイはある?
焼酎や日本酒まで広げれば、PET容器のお酒自体は珍しくありません。しかし、今回の商品と同じような「500ml程度・炭酸入り・そのまま飲めるチューハイ」に絞ると選択肢はかなり限られます。
一方、アサヒビールには「チューハイハイリキプレーン40度」の1.8L PETがあります。2025年に首都圏で先行発売され、2026年3月31日から全国発売されました。
ただし、こちらはそのまま飲む商品ではありません。飲食店などで炭酸水と1対5で割って提供するチューハイ原液です。同じPET入りの「チューハイ」でも、宝酒造の商品とは用途が異なります。
そのため、一般の人が店で買ってそのまま飲める500ml前後のPETチューハイは、現在でもかなり珍しい存在といえそうです。
なぜペットボトルのチューハイは少ない?
「PETでは炭酸を入れられないから」という単純な理由ではありません。コーラやサイダーを見れば分かる通り、炭酸飲料用のPETボトルは広く使われています。
普及しにくい背景の一つとして考えられるのが、長期間にわたって中身の品質を保つためのガスバリア性です。
三菱ガス化学は、一般的なPETについて液体を通さなくても酸素や二酸化炭素などの気体を通す性質があると説明しています。また三菱重工も、PETは金属やガラスに比べて酸素や二酸化炭素に対するバリア性が低く、酸素の侵入や炭酸ガスの損失が内容物の品質に影響すると説明しています。
もちろん、現在は炭酸飲料に対応するPETボトルやガスバリア技術があるため、技術的にチューハイをPETに入れられないわけではありません。
なお、「PETのガスバリア性が原因でチューハイが普及しなかった」と酒類メーカーが公式に説明している資料は今回確認できませんでした。そのため、これだけが理由と断定することはできません。
缶が定着していることも背景か
チューハイやハイボールなどのRTD商品では、350mlや500mlの缶が広く定着しています。
メーカーの商品開発や店舗の酒類売り場も缶を中心に構成されているため、あえてPETの商品を増やすメリットが大きくないことも背景として考えられます。ただし、これもメーカーがPET商品を増やさない理由として公式に説明したものではなく、市場状況からの考察です。
PETならではのメリットもある
一方、PETには缶にはない強みがあります。最大の特徴は、やはりキャップを閉め直せることです。
500mlのチューハイを一度に飲み切らない場合にもふたを閉められます。宝酒造がPET版の商品特徴として「リキャップ可能」を挙げているのも、この容器ならではです。
「canなのにPET」は珍しい存在
「タカラcanチューハイ〈レモン〉500MLペット」は、宝酒造の商品情報に掲載されている正規の商品です。しかも少なくとも2009年には500ml PETがラインアップされており、意外に長い歴史があります。
さらにアサヒビールにもPET入りのチューハイ原液がありますが、500ml前後で炭酸入り、そのまま飲めるタイプとなると珍しい存在です。
炭酸飲料では見慣れたPETボトルなのに、チューハイでは缶が圧倒的に身近。「canチューハイなのに缶じゃない」という商品名も含め、店頭で見つけると誰かに教えたくなる一本です。