「Yes!高須クリニック」。ドバイの高層ビル群を背景に、ヘリコプターに乗る高須克弥院長。あのCMは、いったいいつ撮影されたものなのでしょうか。
実は、ドバイを舞台にしたCMは一種類ではありません。高須クリニックの公式サイトには2007年の郷ひろみさん出演作も掲載され、2020年、2022年、2023年にも新しい作品が公開されています。
そして意外なのが、もともとドバイに病院を開くための広告だったということ。ところが進出は実現しませんでした。CMだけが長く親しまれることになった経緯を、院長本人の発言と公式記録からたどります。
高須クリニックのCMはなぜドバイ?実は病院進出のためだった
高須院長は2015年の女子SPA!の取材で、ドバイに美容医療の特区を設け、世界中から美容外科医を集める計画があったと語っています。自分もその一人として参加する予定だったそうです。
そのため、ドバイ進出を世界に知らせるCMを準備。現地で開院した後には各国で放送する想定だったため、英語のせりふが使われたと説明しています。
「なぜ日本のクリニックなのにドバイ?」という長年の疑問には、ちゃんと理由があったのです。あの派手な映像は、単なる豪華さの演出ではなく、海外展開を見据えた広告でした。
ドバイに病院はできた?進出計画が頓挫した二つの事情
結論として、高須院長が構想した高須クリニックのドバイ院は実現していません。ただし、その理由は一つにまとめない方が正確です。
2009年の経済危機で美容特区構想が白紙に
2015年の女子SPA!で、高須院長は2009年のドバイの経済危機によって美容特区の話が白紙になったと説明しています。
当時のドバイは高層ビルや大型開発で急成長していましたが、世界金融危機の影響を受け、不動産市場が大きく揺らぎました。
高須院長の説明によれば、計画されていた美容医療の拠点づくりも、この流れの中で実現しなかったのです。
2025年には過去の税法違反事件との関係も証言
一方、2025年11月のスポニチの取材では、別の事情も語られています。
高須院長によると、過去の所得税法違反事件が現地での事業展開に影響し、再び進出を試みた際にもドバイ側から問題視されたというのです。
報道では、1990年の事件について、院長本人は脱税に関与していなかったものの、クリニックの代表者として両罰規定による罪に問われたと説明されています。
ただし、現地当局の判断を示す公的資料まで確認できたわけではありません。ここは高須院長自身が語った進出断念の経緯として受け止める必要があります。
2015年に語られた経済危機と、2025年に語られた法的な問題。両方の証言を踏まえると、ドバイ進出が実現しなかった背景には、時期や局面の異なる事情があったことが分かります。
ドバイCMはいつ撮影された?2007年から続くシリーズ
高須クリニックの公式CM一覧には、郷ひろみさん出演の「ドバイ『砂漠』編」「ドバイ『休日』編」が2007年の作品として掲載されています。
つまり、ドバイを舞台にしたCMシリーズは少なくとも2007年までさかのぼります。ただし、作品に記された年と実際の撮影日は同じとは限りません。
その後もドバイ編は作られ、公式ニュースでは2020年3月10日に「newドバイ篇」、2022年8月2日に「ドバイ×銀座×高須クリニック篇」、2023年6月14日に「ドバイ2023篇」の公開が確認できます。
したがって、今見ている映像を「20年近く前に撮影したもの」と決めつけるのは早計です。バージョンごとに制作時期が異なり、公開日だけでは正確な撮影日までは分かりません。
実際のCMを見比べたい方は、高須クリニック公式のテレビCM動画一覧から「ドバイ2023篇」や過去のドバイ編を視聴できます。
ヘリコプターは本当に飛ばしている?
2025年のスポニチのインタビューでは、高須院長が、当時の最新CMに登場する黒いヘリコプターはドバイの空軍からチャーターしたものだと語っています。
さらに、そのバージョンについては実写であり、自身で操縦したと説明しました。
ただし、過去のドバイCMすべてが同じ撮影方法だったと確認されたわけではありません。CGや合成の有無も、作品ごとに分けて考えるべきでしょう。
進出できなかったのに、なぜCMは続いている?
本来の目的だった海外進出は実現しなかったのに、ドバイCMはその後も作られ続けました。
高須院長は過去の取材で、進出計画がなくなった後も、制作済みのCMを日本で放送することにしたと説明しています。
結果として、ヘリコプター、摩天楼、サングラス姿の院長という組み合わせは、高須クリニックを象徴する映像になりました。
しかも、CMでは美容整形の料金や施術内容を細かく説明しません。2025年のスポニチの取材では、高須院長が、価格を前面に出す宣伝は自身の美学に合わないという考えを示しています。
もちろん、ドバイCMが売上にどれほど貢献したかは公表データから判断できません。それでも、何年も前の映像を思い出せるほど印象が残っていること自体、広告として興味深い現象です。
もともとは海外の患者を呼び込むための広告。それが、計画の頓挫を経て日本で長く親しまれるCMになったというのは、なかなか数奇な話ではないでしょうか。
まとめ
高須クリニックのドバイCMは、現地に病院を開設する構想を背景に制作されました。しかし、美容特区構想は経済危機で白紙になり、高須院長はその後の進出でも過去の税法違反事件が障害になったと語っています。
CMシリーズは少なくとも2007年までさかのぼり、2023年にも新作が公開されています。正確な撮影日はバージョンによって異なり、公開年からだけでは断定できません。
あの「Yes!」の裏側には、実現しなかった海外進出計画があったのです。
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