南場智子オーナーの功績とは?ハマスタ改革とベイスターズ愛

横浜DeNAベイスターズの南場智子オーナーは、球場に足を運んで熱心に応援する姿で知られています。その功績は、応援だけにとどまりません。

大きな転換点は、2016年の横浜スタジアム運営会社の子会社化です。球団と球場の一体経営によって収益構造が変わり、球場への投資や観客サービスの充実が進みました。一方、南場さんは監督の采配に細かく介入しない姿勢でも知られます。球団経営の改革とベイスターズ愛を振り返ります。

目次

南場智子オーナーの最大の功績は横浜スタジアム改革

DeNAが2011年に球団の親会社となった当時、ベイスターズと本拠地・横浜スタジアムは別々の会社が運営していました。球団が観客を増やしても、球場に関する意思決定や収益の扱いには制約がありました。

そこで進められたのが、横浜スタジアムの運営会社を取得し、球団と球場を一体で経営する改革です。

2016年の友好的TOBで球団と球場が一体に

横浜DeNAベイスターズは2015年11月24日から株式会社横浜スタジアムの株式公開買付け(TOB)を実施。2016年1月20日に買付けを終え、1月28日に同社を子会社化しました。

これによって球場の設備投資やイベント運営、スポンサー営業などを、球団と球場が連携して進めやすくなりました。DeNA SPORTS GROUPも、この一体経営を長年の課題の解決と位置づけています。

ただし、南場さんが単独で買収交渉を進めたという意味ではありません。当時の池田純球団社長ら、球団・親会社・球場関係者による組織的な改革です。南場さんは2015年1月にオーナーへ就任しており、その在任中に重要な経営転換が実現しました。

2016年に黒字化、スポンサー収入にも変化

DeNA SPORTS GROUPの2023年の説明によれば、球団と球場が一体化した2016年から営業利益は黒字に転じました。2020年と2021年はコロナ禍の影響で赤字となりましたが、2022年に黒字へ回復しています。

一体経営で球場内の広告看板などを扱う自由度が増し、スポンサー営業も伸びたと説明されています。単に入場券を売るだけではなく、球場そのものを活用して収益を生む仕組みが強化されたのです。

観客動員の増加とハマスタ拡張への投資

DeNAによる球団取得後、ベイスターズの観客動員は大きく伸びました。DeNA SPORTS GROUPによると、2012年から2019年までの観客動員は2倍強に増加しています。

その背景には、球団のマーケティング、ファンサービス、イベント、選手の活躍など、さまざまな要素がありました。南場さん個人の成果というより、球団全体で積み重ねてきた改革の結果です。

満員の球場をさらに拡張

人気の高まりとともに課題となったのが、横浜スタジアムの座席数です。球団側は高い座席稼働率を踏まえ、ウィング席の新設など大規模な増築・改修を進めました。

球団と球場が一体経営になったからこそ、施設への投資と将来の収益を一緒に考えやすくなったといえます。ハマスタを単なる試合会場ではなく、横浜の人々が集まる場所へ育てる「コミュニティボールパーク」構想も進められました。

選手の育成環境にも投資

2019年には横須賀にファームの拠点「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」が整備されました。若手選手の練習や生活を支える環境への投資も、球団の長期的な強化につながる取り組みです。

観客が楽しむ施設と選手が成長する施設の両方を整えることが、ベイスターズの経営改革の特徴といえそうです。

「金は出す、球場に顔も出す、口は出さない」南場オーナーの姿勢

南場さんは2015年1月16日、春田真さんの後任としてベイスターズの取締役オーナーに就任しました。就任時には、チームをさらに強く、ファンがもっと楽しめる球団にしたいという思いを示しています。

2024年11月のテレビ朝日「報道ステーション」では、週に1回ほど球場に足を運び、選手の応援歌も歌えるほど熱心なファンであることが紹介されました。

状況は聞くが采配には介入しない

同番組では、三浦大輔監督から月に1回ほどチーム状況を聞きながら、具体的な指示は出さずに応援するという姿勢も紹介されています。

経営者として球団の方向性や投資を考える一方、野球の専門的な判断は現場に委ねる。いわゆる「金は出すが口は出さない」という言葉に近いスタイルです。

もっとも、まったく何も言わないわけではありません。2017年のラミレス監督続投発表では、より強いチームをつくって優勝してほしいと期待を伝えています。大きな目標を共有しつつ、日々の采配は尊重するという違いが重要です。

負けを恐れない応援へ変わった2024年

南場さんはベイスターズが負けると私生活にも影響するほど悔しくなるため、強い相手投手が登板する日は、負ける可能性を考えて心の準備をしていたそうです。

ところが2024年6月、萩原龍大チーム統括本部長と木村洋太球団社長から、そうした「心の保険」をかけず、最後まで勝利を信じてほしいと伝えられたと明かしています。

南場さんはこれをきっかけに、自分自身の応援姿勢が大きく変わったと語りました。経営トップでありながら、球団幹部の言葉を受け止めて自分を変えたエピソードです。

2024年の日本一と南場智子オーナーの現在

2024年、ベイスターズはセ・リーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズで福岡ソフトバンクホークスを破りました。1998年以来26年ぶりの日本一です。

DeNAが球団の親会社となってから初めての日本一でもありました。ただし、2024年はリーグ優勝ではありません。リーグ制覇は引き続き大きな目標です。

2026年10月時点の球団公式会社概要でも、南場さんは取締役オーナーとして掲載されています。

ハマスタの経営改革、収益力の向上、施設への投資は、南場さん一人ではなく、歴代の球団経営陣やスタッフが積み重ねてきた成果です。そして日本一を勝ち取ったのは、監督・コーチ・選手たちの力でした。

南場さんの大きな役割は、そうした挑戦を長く続けられる経営環境を支え、誰よりも熱心なファンの一人としてチームを応援してきたことにあるのでしょう。「金は出す、球場に顔も出す、口は出さない」というオーナー像が親しまれる理由も、そこにありそうです。

南場さん本人の応援スタイルを詳しく知りたい方は、2024年11月の「報道ステーション」出演を伝えるスポニチの記事も参考になります。

  • URLをコピーしました!
目次