裁判傍聴芸人として知られる阿曽山大噴火さんが、国指定の難病「多系統萎縮症(たけいとういしゅくしょう)」と診断されたことを公表しました。
最初の異変は約2年前、ラジオで話しているときの小さな違和感でした。その後、歩き方や文字を書く動作にも影響が出始めたといいます。
いったいどんな病気なのか。診断までに時間がかかった理由や、現在の症状、裁判傍聴の仕事への影響を整理します。
阿曽山大噴火の難病「多系統萎縮症」とは?
多系統萎縮症は、脳の神経細胞が徐々に障害され、運動や自律神経の働きに影響が出る進行性の病気です。国の指定難病に含まれています。
歩行時のふらつき、話しにくさ、手足の動かしにくさなどが現れるほか、立ちくらみや排尿の問題が起きる人もいます。ただし、症状の現れ方や進行速度には個人差があります。
病気には「αシヌクレイン」というタンパク質の異常な蓄積が関係すると考えられています。現在のところ、病気そのものを治す根本的な治療法は確立していません。
一方で、症状に応じた治療やリハビリによって、生活上の困難を軽減することは目指せます。病気の一般的な経過を、そのまま阿曽山さんの今後に当てはめることはできません。
最初の異変から診断まで約2年、何があった?
ラジオで「少し噛みやすい」と感じた
本人が異変に気づいたのは2024年ごろ。CBCラジオ『北野誠のズバリ』に電話出演しているとき、以前より言葉を噛みやすくなったと感じたそうです。
周囲から指摘されるほどではなかったものの、本人には話しづらい感覚があり、脳神経外科でMRI検査を受けました。しかし、当時は原因がわからず、具体的な対処には至りませんでした。
病院を転々とし、専門機関で検査
2026年1月、自治体の健康診断で話しづらさを再び相談。紹介された医療機関で検査を受けても病名は判明せず、脳神経内科を受診することになりました。
そこで多系統萎縮症の可能性を指摘され、東京大学医学部附属病院へ。さらに専門の研究機関を紹介され、9月1日に検査を受けたと、10月19日のORICON NEWSのインタビューで語っています。
阿曽山さんが強く望んでいたのは、病名を知ること以上に、話すことや歩くことを維持するためのリハビリでした。原因がわからない状態が続き、どう対処すればよいのかも定まらなかったのです。
10月7日にXで病気を公表
2026年10月7日、阿曽山さんは自身のXで多系統萎縮症と診断されたことを報告。話しにくさなどの支障はあるものの、日常生活は送れていると伝えました。
病名が決まったことに安堵を示した背景には、リハビリに向けてようやく前進できるという思いもあったようです。
現在の症状は?裁判傍聴やラジオは続けられる?
走れず、階段では手すりが必要に
10月19日の本人インタビューによると、現在は走ることができず、階段の上り下りには手すりが欠かせない状態だといいます。話すことに加えて、文字を書く動作も難しくなってきました。
10月24日のデイリー新潮では、歩くときのふらつきや、手書きのメモが自分にしか読めないほど崩れてしまうことも明かしています。
ただし、これは本人が取材時点で説明した状態です。多系統萎縮症で起こり得る症状が、すべて阿曽山さんに現れているわけではありません。
裁判のメモを取ることにも影響
阿曽山さんは1999年から裁判傍聴を続け、所属事務所のプロフィールによれば、これまで1万件を超える裁判を傍聴してきました。
裁判を見聞きして記録し、その内容を伝えるのが仕事。だからこそ、字を書きにくくなることは小さな問題ではありません。
法廷では歩行時のふらつきにも気を配る必要があり、席を確保するために早めに入廷するなど、日々の動き方を工夫しているそうです。
一方、原稿の執筆はタブレットで文字を入力する方法を使い、続けられていると話しています。手書きが難しくても、仕事のすべてができなくなったわけではないのです。
ラジオ出演は継続、発話のリハビリも希望
話しにくさは、言葉だけで伝えるラジオの仕事にも影響しています。それでも阿曽山さんは出演を続けており、裁判傍聴についても連載が続く限り通う考えを示しています。
10月19日時点では、難病の申請手続きを進めながら、発話のリハビリを始めることを希望していました。実際の開始時期については、その時点の取材では明らかになっていません。
また、裁判傍聴の経験をまとめた新刊『元大蔵官僚、「ブス!」と叫んで被告人になる』が、10月28日に発売予定です。
まとめ
阿曽山大噴火さんが公表した多系統萎縮症は、歩行や発話などに影響を及ぼす進行性の指定難病です。
最初はラジオでの話しにくさという小さな違和感でしたが、約2年かけて検査を重ねる間に、歩くことや文字を書くことにも影響が広がりました。
現在も裁判傍聴とラジオ出演を続け、できる方法を工夫しながら仕事に向き合っています。長年法廷に通い続けてきた阿曽山さんが、これからどのような形で活動を続けていくのか、見守りたいところです。