トンチキソングはなぜジャニーズに多い?意味とジャニーさんの音楽観・代表曲

「トンチキソング」と聞くと、ジャニーズの楽曲を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

少年隊の「デカメロン伝説」からNEWS、Sexy Zone、Snow Manまで、旧ジャニーズには独特な歌詞や意外な設定の曲が数多くあります。背景の一つとして注目したいのが、ジャニー喜多川さんの「言葉の響き」に対するこだわりです。

トンチキソングの意味と、ジャニーさんが語った音楽観、世代を超えた代表曲を振り返ります。

目次

トンチキソングとは?ジャニーズとの関係

トンチキソングとは、歌詞やタイトル、曲の展開がどこか不思議なのに、なぜかクセになる楽曲を指すファンの呼び方です。

「トンチキ(頓痴気)」には、もともと間の抜けた人などを指す意味がありますが、アイドル音楽では必ずしも悪口ではありません。普通の曲にはない魅力を愛情込めて表すこともあります。

コミックソングとどう違う?

音楽プロデューサーのヒャダインさんは、笑わせる狙いで制作されるコミックソングと、必ずしも笑いを目的にしていないトンチキソングを区別して解説しています。

シブがき隊「スシ食いねェ!」はコミックソング、少年隊「デカメロン伝説」はトンチキソングという例です。明確な公式分類があるわけではなく、楽曲の受け止め方によって境界は変わります。

いつから広まった言葉?

言葉の最初の使用者や正確な発祥は確認できません。しかし旧ジャニーズファンの間では以前から親しまれ、2020年にはテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」でヒャダインさんが「ジャニーズ伝統のトンチキ名曲」を紹介しました。

同年12月25日の「ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020」でも、NEWS、Sexy Zone、関ジャニ∞、ジャニーズJr.らによるトンチキ名曲メドレーが企画されました。

ジャニーズにトンチキソングが多いのはなぜ?ジャニーさんの言葉遊び

「なぜジャニーズにはこんな曲が多いのか」という疑問を考えるうえで重要なのが、創業者ジャニー喜多川さんの音楽観です。

2019年7月10日のスポニチは、ジャニーさんがタイトルや歌詞の細部にこだわる一方で、言葉を並べたときの感覚的な響きや意外な組み合わせも重視していたと、生前の発言をもとに報じています。

「ギンギラギンにさりげなく」に感じた面白さ

近藤真彦さんの1981年の楽曲「ギンギラギンにさりげなく」は、華やかな「ギンギラギン」と控えめな「さりげなく」を組み合わせたタイトルです。

ジャニーさんは、その矛盾に気づいたうえで、意外な組み合わせが支持されたことを振り返っています。

1982年の「ふられてBANZAI」についても、振られたのに万歳するという逆説的な言葉選びに言及しました。

ただし、これらの曲をジャニーさんが作詞・作曲したという意味ではありません。あくまで、プロデューサーとして注目していた要素を示すエピソードです。

「哀愁でいと」「ハッとして!Good」にもこだわり

田原俊彦さんの1980年のデビュー曲「哀愁でいと」について、ジャニーさんは一般的な「デート」から表記を工夫した経緯を語っています。

また「ハッとして!Good」では、「ハッと」と「Good」を組み合わせた響きのよさを評価していました。

フォーリーブスの1977年の「ブルドッグ」に登場する印象的な言葉についても、意味を考えると不思議なのに耳に残る面白さを振り返っています。

こうした古い楽曲が当時から「トンチキソング」と呼ばれていたわけではありません。しかし、後年そう呼ばれる楽曲と通じる感覚を見いだすことはできそうです。

Sexy Zone「バィバィDuバィ」の誕生秘話

2020年の「関ジャム」で紹介されたエピソードによると、ジャニーさんがテレビのドバイ特集を見て現地に行きたがったことが、Sexy Zoneの「バィバィDuバィ~See you again~」誕生のきっかけだったといいます。

現地撮影には、本人が暑さを理由に同行しなかったという話も紹介されました。これは番組で伝えられたエピソードであり、ジャニーさん自身への直接取材による発言ではありません。

意外なきっかけから独自のアイドルソングにつながった実例として興味深い話です。

ただし、すべてのトンチキソングをジャニーさんが発案したわけではなく、作詞家・作曲家や各グループの個性も重要な役割を果たしています。

ジャニーズ歴代トンチキソングの代表曲

少年隊「デカメロン伝説」(1986年)

代表格は、冒頭の「ワカチコ」という掛け声が印象的な「デカメロン伝説」。華麗なダンスと独特な言葉が一体になった楽曲として、ヒャダインさんも取り上げています。

2020年のMステでは後輩たちによる合同パフォーマンスにも選ばれ、世代を超えた存在感を示しました。

嵐「アレルギー」(2001年)

嵐の初期アルバム収録曲「アレルギー」は、ライブで大きな野菜を持ったパフォーマンスでも知られています。歌詞だけでなくステージの見せ方にも、少し不思議な魅力があります。

関ジャニ∞「∞SAKAおばちゃんROCK」(2006年)

現在のSUPER EIGHTが関ジャニ∞時代に発表した一曲。大阪のおばちゃんを題材にした歌詞と勢いのあるパフォーマンスが特徴です。2020年のMステの企画でもトンチキ名曲として紹介されました。

NEWS「チャンカパーナ」(2012年)「チュムチュム」(2015年)

「チャンカパーナ」は独特な造語の響き、「チュムチュム」はインド風の世界観と耳に残るサウンドが特徴。とりわけ「チュムチュム」はMステのトンチキ名曲メドレーに選ばれました。

NEWS公式YouTubeでは「チュムチュム」のミュージックビデオを公開しています。

Sexy Zone「Sexy Summerに雪が降る」「バィバィDuバィ」

「Sexy Summerに雪が降る」(2012年)は、夏と雪という意外な組み合わせがタイトルになっています。「バィバィDuバィ」(2013年)も、独特な言葉の響きとテーマで知られる一曲です。

現在のtimeleszにつながる、旧Sexy Zone時代のアイドルらしい華やかさが感じられます。

そのほかの代表的な楽曲

  • KinKi Kids「KinKiのやる気まんまんソング」
  • V6「バリバリBUDDY!」
  • Kis-My-Ft2「MAHARAJA」
  • タッキー&翼「山手線内回り~愛の迷路~」
  • WEST.「しらんけど」

こうして並べると、時代やグループが違っても、意外な言葉やユニークなテーマを取り入れた楽曲が何度も生まれていることが分かります。

Snow Manにもトンチキソングが!現在まで続く音楽文化

トンチキソングは昔のジャニーズだけの話ではありません。

Snow Man「君の彼氏になりたい。」

2023年5月の文化放送では、Snow Manの佐久間大介さんとヒャダインさんがトンチキソングについて語っています。

「君の彼氏になりたい。」は、恋愛ソングでありながらユニークなセリフや展開があり、コミックソングとトンチキソングの中間のような楽曲として話題に上がりました。

公式のダンス練習動画では、真剣なパフォーマンスと曲の個性を一緒に楽しめます。

「キッタキッテナイ」と「カリスマックス」

同じラジオでは、佐久間さんがプロデュースに関わった「キッタキッテナイ」について、初めから面白さを意図しているためコミックソングに近い、とヒャダインさんが分類しました。

一方、2025年に配信されたSnow Manの「カリスマックス」は、DAM公式のトンチキソング企画でも紹介されています。

こちらはSnow Man公式YouTubeのミュージックビデオです。

なにわ男子、King & Prince、Travis Japanなどにも、ユニークな楽曲の例があります。トンチキと呼ぶかどうかは人によって違いますが、その遊び心は今の世代にも見られます。

トンチキソングが愛され続ける理由

少し不思議な歌詞でも、アイドルが真剣に歌い踊り、衣装や演出まで作り込むことで、忘れられないステージになります。

ジャニーさんが語った言葉選びへのこだわりは、その長い歴史を考える一つの手がかりです。しかし、同じ発想だけで何十年も続いてきたのではなく、作り手や歌い手がそれぞれの時代に新しい面白さを加えてきたのでしょう。

現在はK-POPやアニメソングにも使われる「トンチキソング」という呼び方。なかでも旧ジャニーズの楽曲は、少年隊からSnow Manまで聴き比べることで、その歴史や変化も楽しめます。

最初は意味が分からなくても、いつの間にか口ずさんでしまう。そんな不思議な魅力こそ、トンチキソングが長く愛される理由なのかもしれません。

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