旧ジャニーズ事務所では「タレントの副業は禁止」というイメージがあります。
実際、元KAT-TUNの田中聖さんは、在籍中の飲食店経営などがルール違反として報じられ、2013年に契約を解除されました。
ところが、岡本健一さん・岡本圭人さんは会社の役員になっても問題なし。さらに現在では、SUPER EIGHTの村上信五さんが一般企業の取締役を務め、WEST.の桐山照史さんはブランドやドッグカフェを手がけています。
いったい何が違うのでしょうか。
旧ジャニーズ時代からSTARTO ENTERTAINMENT移行後まで、タレントの副業・会社経営の事例とルールの変化を整理します。
旧ジャニーズ事務所は副業禁止だった?
旧ジャニーズ事務所では、所属タレントによる事務所非公認の副業に厳しかったことが、過去の報道から確認できます。
代表的なケースが元KAT-TUNの田中聖さんです。
田中聖は飲食店経営などが問題に
田中聖さんは2013年9月30日付でジャニーズ事務所との専属契約を解除されました。
事務所側は「度重なるルール違反」があったと説明。デイリースポーツは当時、ジャニーズ事務所が副業を禁止しており、田中さんの飲食店経営が契約解除につながった理由の一つと報じています。
ほかにも事務所を介さないライブ活動やDJ出演など、複数の問題があったとされているため、「飲食店を経営したことだけで契約解除された」と考えるのは正確ではありません。
ただ、少なくとも当時は、所属タレントが事務所に無断で別のビジネスを行うことが大きな問題になり得たことが分かります。
岡本健一・岡本圭人は会社役員でも問題なし
一方、興味深いのが岡本健一さんと息子の岡本圭人さんです。
2021年の週刊女性PRIMEは、岡本健一さんが父親の会社の代表取締役に就任し、岡本圭人さんも取締役に名を連ねていたと報じました。
「副業禁止のルールに抵触するのでは?」という疑問に対して、当時のジャニーズ事務所は、以前から会社について報告を受けており、「副業にはあたらないと判断」していると回答しています。
つまり旧ジャニーズ時代でも、会社を経営したり役員になったりする行為が、すべて一律に禁止されていたわけではなかったようです。
事務所に無断で行っているのか、事前に報告して認められているのかという点も大きかったと考えられます。
村上信五は会社員から取締役に
近年の事例で特に興味深いのが、SUPER EIGHTの村上信五さんです。
村上さんは2023年、農業関連事業を手がける「ノウタス株式会社」に事業開発の非常勤社員として参画しました。
単なる広告キャラクターやアンバサダーではありません。
ノウタス公式サイトによると、ぶどうブランド「パープルM」の事業責任者として商品開発やイベント運営などに携わり、2024年には「ノウタス高槻農園株式会社」を共同創業しています。
さらに2025年6月にはノウタス株式会社の取締役に就任。
2026年現在も公式サイトには、「取締役・アライアンス戦略管掌SVP 村上信五」と掲載されています。
STARTO ENTERTAINMENT所属タレントでありながら、一般企業の経営にも正式に参加しているわけです。
旧ジャニーズ時代の「アイドルは芸能活動に専念する」というイメージから考えると、大きな変化といえるでしょう。
WEST.桐山照史はブランドとドッグカフェを展開
さらに2026年に注目されたのが、WEST.の桐山照史さんです。
桐山さんは2025年にライフスタイルブランド「F BULL’S」を立ち上げました。
アパレルや雑貨などを展開し、2026年4月には東京・中目黒に「F BULL’S Cafe」をオープン。複数のメディアが桐山さんを同店のオーナーとして報じています。
プレオープンや営業中に本人が店頭に立ったことも報じられており、単に名前を貸しているだけではなく、店舗運営に関わっていることがうかがえます。
かつて田中聖さんの飲食店経営が問題になったことを知っている人にとっては、「同じ所属系統のタレントなのになぜ?」と感じるかもしれません。
その背景にあるのが、STARTO ENTERTAINMENT発足後の契約制度です。
STARTOになって副業は解禁された?
STARTO ENTERTAINMENTは設立時、タレントとの契約について「専属マネジメント契約」と「エージェント契約」の両方を取り入れる方針を公式に発表しています。
タレント個人やグループが設立した会社とSTARTOがエージェント契約を結ぶことも想定されており、旧ジャニーズ時代よりタレント自身が活動のスタイルを選択しやすい仕組みになっています。
そのため、現在は契約内容によって、芸能活動と並行して会社経営や別事業を行うことも可能になっているとみられます。
ただし、STARTOが一般向けに「副業は全面的に自由」とする規定を公開しているわけではありません。
タレントごとに契約形態が異なるため、「STARTOになって全員の副業が解禁された」と断定するのは避けたほうがよいでしょう。
友人名義の会社やアパレルブランドなら副業にならない?
芸能人については以前から、「友人が経営するブランドの服を頻繁に着ている」「知人名義の会社に実質的に関わっているのでは」といった話が出ることがあります。
確かに、会社の代表者と実際に利益を得る人が必ずしも同一とは限りません。
例えば本人が会社の株式を所有していれば、利益から配当を受け取ることは可能です。また、プロデュース契約や広告契約などを結び、報酬を得る仕組みも考えられます。
しかし、「友人のブランドをよく着ている=本人が裏で経営している」わけではありません。
単純に友人を応援している場合や、商品提供を受けているケースもあります。
また、非上場企業の場合、代表取締役などの役員は登記から確認できますが、一般的な商業登記だけで株主構成や個別の利益分配まで確認できるとは限りません。
そのため、本人や運営会社の発表、信頼できる報道などの裏付けがない限り、「友人名義で副業している」「売上の一部を受け取っている」と断定することはできません。
ジャニーズ・STARTOの副業や会社経営を整理
| 人物 | 事業・会社 | 当時の扱い |
|---|---|---|
| 田中聖 | 飲食店経営など | ルール違反の一つとして報道 |
| 岡本健一 | 会社代表取締役 | 事務所が副業ではないと回答 |
| 岡本圭人 | 会社取締役 | 事務所が副業ではないと回答 |
| 村上信五 | ノウタス・農業事業 | 非常勤社員を経て取締役 |
| 桐山照史 | ブランド・ドッグカフェ | STARTO所属中に展開 |
こうして比べてみると、「ジャニーズは副業禁止だった」という一言だけでは説明できないことが分かります。
旧ジャニーズ時代でも岡本健一さん・岡本圭人さんのように事務所側が認めていたケースがあり、一方で田中聖さんのように事務所非公認の活動がルール違反の一つとして問題になったケースもありました。
さらにSTARTO発足後は契約形態そのものが多様化し、村上信五さんの企業経営への参加や桐山照史さんのカフェ・ブランド展開など、芸能活動以外にも活躍の場が広がっています。
今後は「アイドルをしながら会社経営」という働き方も、以前ほど珍しいものではなくなっていくのかもしれません。
